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レジン・光硬化樹脂ガイド

3Dプリンターのレジンとは?種類と選び方・用途別のおすすめ【光造形】

i-MAKER 編集部 公開 更新 読了目安 約21分
Formlabs の造形サンプル

光造形3Dプリンターの材料であるレジンには、さまざまな種類が存在します。レジンは、紫外線などの光が当たると固まる液体の樹脂(光硬化性樹脂)で、物性ごとに数十種類存在し、さまざまな用途に使うことができます。そのため今回は、この光造形3Dプリンターのレジンについて、その特徴から種類、用途などご紹介いたします。

この記事の要点

  • レジンは光が当たると固まる液体の樹脂で、物性ごとに数十種類がある
  • 選ぶときは、強度・柔軟性・耐熱性・耐候性・透明性の5つの物性と、使う機種が対応しているかで絞る
  • 種類は14に分けられ、スタンダードや透明は造形しやすく、高強度系やゴムライクは造形の難易度が上がる
  • 迷ったら用途から逆算する。用途別の早見表と各レジンの解説を本文にまとめた
目次
  1. 01レジンを選ぶときに見る5つの物性
  2. 02レジンの種類と特徴
  3. 03用途別の選び方
  4. 04価格帯と対応機種の考え方
  5. 05レジンの取り扱いと保管
  6. 06洗浄液の選び方と廃液の扱い
  7. 07まとめ|用途から逆算してレジンを選ぶ
  8. 08よくある質問(FAQ)
  9. 09導入のご相談

光造形3Dプリンターは、企業の試作や設計、教育研究の現場から、模型やフィギュアの制作まで幅広く使用されています。機種を選ぶときは本体の性能に目が向きますが、出来上がった造形物の強度や見た目、屋外での持ちなどは、レジンの特徴で異なります。ところが、レジンは名前を見ただけでは物性の違いが分かりにくく、種類も多岐にわたるため、名前だけではどれが最適なレジンかはわかりません。本記事では、レジンを選ぶときに見る5つの物性、種類ごとの特徴と適した用途、用途からの逆引き、保管と廃棄の実務、そして洗浄液と廃液の扱いまでを順に解説します。レジンは、用途に合う物性と、使っている機種が対応しているかの2つで絞り込むことができます。これから光造形3Dプリンターを導入される方にも、すでにお使いでレジンを見直したい方にも、選ぶときの手がかりとしてお読みいただけます。

光造形レジンの種類と適した用途
  • スタンダード

    主な物性
    適度な強度・価格が手ごろ
    造形のしやすさ
    ◎
    適した用途
    試作、模型、フィギュア
  • 高速造形用

    主な物性
    短時間で造形・耐久性は高くない
    造形のしやすさ
    ◎
    適した用途
    形状確認の試作
  • 高強度系

    主な物性
    剛性と耐衝撃性が強化されている
    造形のしやすさ
    △
    適した用途
    機械部品、治具、耐久試験
  • ABSライク

    主な物性
    強度と耐衝撃性
    造形のしやすさ
    △
    適した用途
    機能試作、機械部品
  • PPライク

    主な物性
    柔軟性、すり減りにくさ
    造形のしやすさ
    △
    適した用途
    可動部、容器、自動車部品の試作
  • PEライク

    主な物性
    柔らかさ(PPとABSライクの中間)
    造形のしやすさ
    △
    適した用途
    包装材、容器の試作
  • 高耐熱

    主な物性
    耐熱性が高い・寸法安定性に優れる
    造形のしやすさ
    ○
    適した用途
    樹脂金型、熱がかかる造形物
  • 耐UV・耐候

    主な物性
    紫外線による変色・劣化に強い
    造形のしやすさ
    ○
    適した用途
    屋外で使うもの、長期使用
  • ESD

    主な物性
    静電気放電への対策
    造形のしやすさ
    ○
    適した用途
    電子部品まわりの治具、トレー
  • ゴムライク

    主な物性
    柔らかさと伸び・硬度が複数
    造形のしやすさ
    △
    適した用途
    パッキン、ガスケット、クッション
  • 透明(クリア)

    主な物性
    高い透明性
    造形のしやすさ
    ◎
    適した用途
    光学部品、レンズ、ネイル
  • ワックス

    主な物性
    熱で溶ける・ロストワックスの代替
    造形のしやすさ
    ○
    適した用途
    ジュエリー、歯科技工物の鋳造
  • 歯科用・医療用

    主な物性
    モデル、サージカルガイド、カスタムトレイ
    造形のしやすさ
    ○
    適した用途
    歯科技工物、医療模型
  • 水洗い

    主な物性
    水で洗える・種類が限られる
    造形のしやすさ
    不明
    適した用途
    小さな造形物

01レジンを選ぶときに見る5つの物性

レジンを選ぶときは、まず造形物に求める物性を明確にしましょう。光造形のレジンで違いが出るのは、強度、柔軟性、耐熱性、耐候性(紫外線への強さ)、透明性の5つです。

  • 強度:力のかかる部品や治具に求められる要素です。高強度系レジンやABSライクレジン、PPライクレジンやPEライクレジンなどが該当します。
  • 柔軟性:曲がる部分や、押して感触を確かめる造形物に必要な物性で、ゴムライクレジンやPPライクレジンが適しています。
  • 耐熱性:熱のかかる場所で使う造形物に必要な物性で、該当するのは高耐熱レジンです。
  • 耐候性:屋外や長期間の使用では紫外線で変色や強度の低下が起きるため、それを抑えたい造形物に必要な物性で、耐UV・耐候性レジンが適しています。ただし、屋内で短期間だけ使う造形物であれば、重視しなくてもよい物性です。
  • 透明性:光を通す部品や、内部を見せたい造形物に必要な物性で、クリア系のレジンが該当します。

もう一つ、物性と同じく重要なのが、使っている3Dプリンターの機種がそのレジンに対応しているかどうかです。高い性能を持つレジンほど、使える機種は限られるため、用途を明確にしたのちに、メーカーの対応表で使えるかどうかを確認しましょう。なお、Formlabsの機種をお使いの場合は、Formlabs機で使えるレジンの選び方とFormlabsレジンの種類と特徴で扱っていますので、そちらをご参照ください。

02レジンの種類と特徴

種類の名前に付く「〜ライク」は、その名前の樹脂(ABSやポリプロピレンなど)に似た物性を持たせたレジンという意味になります。ここからは、種類ごとに物性と適した用途、注意する点をご紹介します。

物性の異なる光造形用レジンの容器が並んでいる様子

スタンダードレジン

グレーV5 で造形したサンプルパーツ
Grey Resin V5 の造形サンプル(Formlabs)

スタンダードレジンは、光造形で最も一般的に使用されているレジンで、試作から模型、フィギュアまで幅広い造形物に使うことができます。適度な強度があり、価格も手ごろです。FormlabsのGrey Resin V5では、二次硬化後の引張強度が62MPa、破断伸びが13%と、大きく曲げる用途より形を確かめる用途に適した値です。ただし、強度を高める調合はされていないため、力のかかる造形物には適していません。

高速造形用レジン

ファストモデルで造形したサンプルパーツ
Fast Model Resin の造形サンプル(Formlabs)

高速造形用レジンは、短い時間で造形するために調合されたレジンで、通常のレジンよりも厚い積層ピッチ(1層の厚み)で造形することができます。形状や寸法を早く確かめたい試作、いわゆるラピッドプロトタイピング(高速試作)に適した材料です。また、スタンダードレジンと同様に価格も手ごろです。たとえば、FormlabsのFast Model Resinは積層ピッチ100μmで、Form 4では最高100mm/時の速さで造形することができます。一方で耐久性は高くないため、強度が求められる造形物には適していません。

高強度系レジン

リジッド10K で造形したサンプルパーツ
Rigid 10K Resin の造形サンプル(Formlabs)

高強度系レジンは、通常のレジンよりも剛性と耐衝撃性が強化されたレジンで、機械部品や治具、耐久性が求められる試作品に使用されており、一例として、ガラスを充填したFormlabsのRigid 10K Resinは引張強度が88MPa、引張弾性率が11GPaと、剛性が特に高いレジンです。また、光造形なので細かなディテールも再現でき、機能の確認と見た目の確認を1つの造形物で兼ねる用途にも適しています。造形物の強度そのものの考え方は光造形3Dプリンターの強度、レジンの詳しい物性は高強度レジンで扱っています。

ABSライクレジン

タフ2000 V2 で造形したサンプルパーツ
Tough 2000 Resin V2 の造形サンプル(Formlabs)

ABSライクレジンは、ABS樹脂に似た強度と耐衝撃性を持つレジンで、機械部品や機能試作に使用されています。ただし、本物のABS樹脂と異なり、耐熱性や耐薬品性は備えていないものが多く、物性は強度と耐衝撃性が中心となっており、具体的には、FormlabsのTough 2000 Resin V2で引張強度が40.4MPa、破断伸びが79%、荷重たわみ温度が70℃(0.45MPa)と、熱のかかる場所には適さない値です。詳しい物性と用途はABSライクレジンでご紹介しています。

ポリプロピレン(PP)ライクレジン

タフ1500 V2 で造形したサンプルパーツ
Tough 1500 Resin V2 の造形サンプル(Formlabs)

ポリプロピレン(PP)ライクレジンは、柔軟性とすり減りにくさを併せ持つレジンで、自動車部品や家電製品の試作に使用されています。さらに、曲げても折れにくいため、リビングヒンジ(薄く作って蝶番のように曲げる部分)のような可動部の確認にも使うことができます。FormlabsのTough 1500 Resin V2では破断伸びが155%、ノッチ付きアイゾット衝撃強さが42J/mと、折り曲げに強い側の値です。詳しくはPPライクレジンをご参照ください。

ポリエチレン(PE)ライクレジン

タフ1000 で造形したサンプルパーツ
Tough 1000 Resin の造形サンプル(Formlabs)

ポリエチレン(PE)ライクレジンは、ポリエチレンに似た柔らかさを持ち、衝撃にも強いレジンで、PPとABSライクの中間の柔軟性を持っています。そのため、包装材や容器、自動車部品の試作のように、押したり曲げたりして確かめる造形物に適しており、FormlabsのTough 1000 Resinでは破断伸びが180%、ノッチ付きアイゾット衝撃強さが72J/mです。詳しい物性はPEライクレジンで扱っています。

高耐熱レジン

ハイテンプで造形したサンプルパーツ
High Temp Resin の造形サンプル(Formlabs)

高耐熱レジンは、耐熱性が高いレジンです。そのため、樹脂金型や、熱のかかる場所で使う造形物の試作に適しており、寸法安定性にも優れています。たとえば、FormlabsのHigh Temp Resinは、80℃で120分と160℃で180分の二次硬化を行った後の荷重たわみ温度が238℃(0.45MPa)です。対応する機種や造形の条件は高耐熱レジンでご紹介しています。

耐UV・耐候性レジン

通常のレジンは紫外線に当たり続けると色が変わり、強度も落ちていきますが、耐UV・耐候性レジンはこの劣化を抑えるように調合されています。そのため、屋外で使うものや、長期間そのままの形で使い続けるものに適しています。詳しい物性は耐候性レジンをご参照ください。

ESD(静電気放電)レジン

ESD レジンで造形したサンプルパーツ
ESD Resin の造形サンプル(Formlabs)

ESD(静電気放電)レジンは、静電気による電子部品の故障を防ぐために作られたレジンで、電子機器や半導体を扱う現場の治具やトレーに使用されています。そのため、静電気による不具合を避けたい現場で選ばれており、FormlabsのESD Resinでは表面抵抗率が10の5乗から10の8乗Ω/sqです。詳しくはESDレジンで扱っています。

ゴムライクレジン

フレキシブル80A で造形したサンプルパーツ
Flexible 80A Resin V2 の造形サンプル(Formlabs)

ゴムライクレジンは、ゴムのように柔らかく伸びるレジンで、さまざまな硬度があり、パッキンやガスケット、クッションのような部品の試作に使用されています。さらに、シリコーンやTPU(熱可塑性ポリウレタン、ゴムのように伸びる樹脂)に近い感触を、少量から確かめることができるほか、FormlabsのFlexible 80A Resin V2ではショア硬度が83A、破断伸びが230%と、繰り返し曲げても戻る側の値です。硬さの違いや用途はゴムライクレジンでご紹介しています。

透明(クリア)レジン

クリアV5 で造形したサンプルパーツ
Clear Resin V5 の造形サンプル(Formlabs)

透明レジンは、高い透明性を持っているレジンで、光学部品やレンズ、照明のカバー、液体の流れを確かめる試作などに使用されています。ただし、造形したままでは表面が曇って見えるため、研磨やコーティングを行うことで透明度を上げることができるほか、たとえば、FormlabsのClear Resin V5は、研磨を施すことでほぼ完璧な透明度を実現できるとされています。仕上げの方法は透明レジンで扱っています。

ワックスレジン

キャスタブルワックスで造形したサンプルパーツ
Castable Wax Resin の造形サンプル(Formlabs)

ワックスレジンは、鋳造の際のロストワックスの代替となるレジンで、ジュエリーや歯科技工物、美術品の制作に使用されています。また、熱を加えると溶けて流れ出るため、ロストワックス鋳造(原型を溶かし出した空洞に金属を流し込む方法)にそのまま使うことができます。FormlabsのCastable Wax Resinではワックスを20%配合し、灰分が0.0から0.1%で、二次硬化は不要です。鋳造の工程はワックスレジンでご紹介しています。

歯科用・医療用レジン

歯科用・医療用レジンは、歯科技工物や医療の模型に使用されるレジンで、歯形の原型を作るモデルレジン、手術用ガイドのサージカルガイドレジン、歯形を取るトレイを作るカスタムトレイレジンなどがあります。対応する機種と用途が限られるため、導入するときは、メーカーの対応表で機種とレジンの組み合わせを確認したうえで、各レジンの仕様にのっとった運用が必要になります。

水洗いレジン

水洗いレジンは、アルコール系の洗浄液を使わず水で洗えるレジンです。ただし、対応するレジンは1種類にとどまり、高靭性や耐熱、柔軟といった物性のレジンはありません。洗浄も水で流すだけでは終わらず、洗剤と超音波洗浄機を使う工程が実質的に必要になり、造形から洗浄までを60分以内(大型の造形物は30分以内)に終えないとクラック(細かなひび)が入ることがあります。さらに、洗浄するには1mlあたり大量の水が必要になり、洗浄のたびに水が増えます。また、自社に排水処理の設備を持たない事業者が使う場合、洗った水はそのまま下水に流すことができず、産業廃棄物として処理することになります。

03用途別の選び方

おすすめのレジンは用途によって変わるため、まず作るものを決めてから候補を絞ると迷いにくくなります。

用途別に適したレジンの種類
用途 適した種類 注意する点
試作・プロトタイプ スタンダード、高速造形用、ABSライク 形の確認か機能の確認かで分ける
フィギュア・模型 スタンダード、高強度系 塗装するならグレーや白などの色
透明モデル・光学部品 透明 研磨やコーティングまで含めて考える
ネイルアート 透明 着色して細かなデザインを再現
樹脂金型 高耐熱、高強度系 二次硬化まで十分に行う
アクセサリーの鋳造 ワックス、スタンダード(原型) 3Dプリンター用の埋没材が必要
治具・工具 高強度系(熱がかかる場合は高耐熱) 引っ張りの強度だけでなく温度も見る
高強度部品・最終品 高強度系、耐UV・耐候 対応するレジンと機種が限られる

試作では、形と寸法を早く確かめたい段階と、実際に力をかけて機能を確かめる段階で、選ぶレジンが変わります。前者は高速造形用レジンやスタンダードレジンが一般的に使用され、後者はABSライクレジンや高強度系レジンが適しています。フィギュアや模型のように細部の再現と塗装が目的の場合は、スタンダードレジンが一般的に使用され、色は塗装しやすいグレーや白などのレジンが選ばれています。

透明なモデルや光学部品には透明レジンを使い、研磨やコーティングまで含めて工程を組む必要があります。また、ネイルアートのように爪に載せる小さな造形物でも、着色ができて細かなデザインまで再現できることから、透明レジンが適しています。実際の制作の様子はネイルアートの制作現場を取材した記事で扱っていますので、そちらをご参照ください。

透明レジンで造形した部品を研磨したあとの見え方

樹脂金型のように熱のかかる場所で使うものは高耐熱レジンが、治具・工具のように力のかかるものは高強度系レジンが適しています。金型として使う場合は、造形後の二次硬化(紫外線を当てて内部まで固め切る工程)を十分に行う必要があります。治具では、引っ張りに対する強度だけでなく、置かれる場所の温度の確認も必要です。

ジュエリーやアクセサリーの鋳造では、熱で溶けるワックスレジンを使うことで、金属への鋳造がそのまま行えます。原型(マスターモデル)を作って型取りする場合は、スタンダードレジンのような、ディテールや細部がしっかり出るレジンが適しています。なお、3Dプリンターで造形したワックスの鋳造には、3Dプリンター用の埋没材(原型を埋めて型を作る材料)が必要になります。

最終品や量産に使うレジンは、射出成形に近い仕上がりと強度が求められるため、対応するレジンと機種が限られます。屋外や長期間の使用では、紫外線による変色や強度の変化を抑えるために耐UV・耐候性レジンを選び、必要に応じて塗装まで含めて考えます。対応レジンの広がりについては、メーカーへの取材記事でご紹介しています。

04価格帯と対応機種の考え方

レジンの価格は使用する機種の価格帯とレジンの性能によって幅があり、高強度や高耐熱、耐候性といった特別な物性を持つレジンほど価格は上がって、使える機種も限られてきます。そのため、価格だけで選ぶと、手持ちの機種では使えないことがあります。選ぶ順番は次のとおりです。

  1. 用途に合う物性から候補を絞る
  2. 使っている機種の対応表で、その候補が使えるかを確かめる
  3. 供給とサポートの体制を確かめる

安価なレジンを選ぶ場合でも、造形がうまくいかないときに相談できる窓口があるかどうかで、その後の手間が変わります。機種の価格帯ごとの違いは光造形3Dプリンターの価格で扱っていますので、機種から検討される場合はそちらをご参照ください。

お見積り・ご相談

3Dプリンター導入の見積・相談

用途・造形物・ご予算をうかがったうえで、機種からレジン・後処理機器・洗浄液まで一続きでご提案します。お見積りも承ります。

05レジンの取り扱いと保管

レジンの自動補給と加熱に対応した業務用の光造形3Dプリンター
Form 4(光造形 3D プリンター)

レジンの取り扱いで押さえておきたいのは、保管のしかた、作業中の扱い、使い終わったあとの処分の3つです。まず保管は、直射日光と高温多湿を避け、ふたを閉めて保管しましょう。成分は時間がたつと沈むため、長く置いたレジンは、使う前に容器をよく振ってから使いましょう。冬場は温度が下がってレジンが固くなり、造形の品質にも影響が出るため、暖房などで十分に温めてから使いましょう。とくに、ゴム系レジンなど粘性が高い材料は冬場では硬くなっている可能性があります。レジンの温度は造形品質や造形安定性に影響を与えるため、レジンの温度管理に注意しましょう。Form4などFormlabsの3Dプリンターではレジンの自動加熱機能などがついているので安定性が高いです。

ニトリル手袋を着けてレジンタンクを扱っている様子

固まっていないレジンは素手で触らず、ニトリル手袋を着けて、換気のよい場所で作業しましょう。造形物の表面にも未硬化のレジンが残っているため、洗浄と二次硬化が終わるまでは、同じように扱いましょう。また、レジンタンクやフィルムは消耗品で、レジンが触れ続けることで劣化し、造形の失敗にもつながります。造形の前に傷やくもりがないかを確かめ、劣化していれば交換が必要になります。

使い残したレジンや、造形に失敗して出たレジンは、液体のまま捨てずに、紫外線ライトや屋外の直射日光で硬化させ、固形にしてから処分します。なお、事業者が出す場合は産業廃棄物になるため、許可を受けた業者に委託して処理することになります(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)。洗浄から二次硬化までの一連の流れは光造形3Dプリンターの後処理で扱っています。

06洗浄液の選び方と廃液の扱い

3DMedSupo の一斗缶(17.7L)
エタノール系洗浄液 3DMedSupo の 17.7L 一斗缶(有機則の規制対象外)

造形が終わった直後の造形物の表面には、固まっていないレジンが残っているため、洗浄液で洗い落としてから二次硬化に進みます。事業所で使う場合は、選んだ洗浄液によって必要になる対応が変わります。

Form Wash(第 2 世代)の正面。透明な洗浄槽に造形品が入っている
自動洗浄機 Form Wash(第 2 世代)

光造形の洗浄液として一般的に使用されているのはIPA(イソプロピルアルコール)ですが、IPAは、第二種有機溶剤に該当するため、有機溶剤中毒予防規則にのっとった使用が求められます(有機溶剤中毒予防規則)。局所排気装置の設置、有機溶剤作業主任者の選任、年2回の特殊健康診断と作業環境測定など、さまざまな義務が、IPAを使用しているだけで発生します。さらに、使用済みの洗浄液も産業廃棄物になるため、委託先の手配と費用が別に発生します(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)。

一方で、エタノール系洗浄液の3DMedSupo(3Dメドサポ)は有機則の対象外であるため、有機則にもとづくさまざまな義務は不要になります(3DMedSupo 製品 SDS)。ほぼ全ての標準レジンの洗浄に対応しており、IPAで使っていた洗浄機や洗浄槽をそのまま使うことができます。使用済みの3DMedSupoは、洗浄液のメーカーである三協製薬が引き取って再生資源として循環させており、回収費用は製品代金に含まれています。IPAから切り替える際には、使用中のIPAの廃液と在庫も初回に引き取らせていただきます。シリコーン40A(シリコーンのみ)は対象外になりますが、これはIPAで洗浄する場合も同じで、シリコーン40Aには別のソルベントが用意されています(このソルベントに廃液回収は付属しません)。

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洗浄液そのものの選び方は光造形3Dプリンターの洗浄液の選び方、IPAに求められる義務の中身はIPAの規制と取り扱いで扱っていますので、そちらをご参照ください。

07まとめ|用途から逆算してレジンを選ぶ

レジンは種類が多く、名前だけでは違いが分かりにくい材料ですが、選ぶ順番は決まっています。まず用途から必要な物性(強度・柔軟性・耐熱性・耐候性・透明性)を決め、次に使っている機種の対応表で候補を絞り、最後に供給とサポートの体制を確かめる、という順番になります。種類ごとの詳しい物性は各記事で、光造形そのものの仕組みや機種の違いは光造形3Dプリンター(光重合)の仕組みで扱っています。

弊社では、レジンの選定から機種の選定、洗浄液の切り替えと廃液の回収までを一続きでご案内することができます。

08よくある質問(FAQ)

3Dプリンターのレジンでおすすめはどれですか。

用途によって変わります。試作や模型であればスタンダードレジン、力のかかる部品であれば高強度系レジン、屋外で使うものであれば耐UV・耐候性レジンというように、必要な物性から選ぶことができます。そのうえで、使っている機種が対応しているかを確認しましょう。

レジンの種類はいくつありますか。

物性で分けると数十種類あります。本記事では、スタンダード、高速造形用、高強度系、ABSライク、PPライク、PEライク、高耐熱、耐UV・耐候、ESD、ゴムライク、透明、ワックス、歯科用・医療用、水洗いの14種類を扱っています。

水洗いレジンと通常のレジンは何が違いますか。

水洗いレジンはアルコール系の洗浄液を使わずに洗えるレジンですが、対応する種類が限られ、洗浄には洗剤と超音波洗浄機を使う工程が実質的に必要です。なお、自社に排水処理の設備を持たない事業者が使う場合、洗った水はそのまま下水に流すことができません。

透明な造形物をきれいに仕上げるにはどうしますか。

透明レジンで造形したうえで、研磨やコーティングを行うと透明度が上がります。ただし、造形したままでは表面が曇って見えるため、仕上げの工程まで含めて時間を見ておきましょう。

はじめて光造形を使う場合、どの種類から始めるとよいですか。

スタンダードレジンが扱いやすく価格も手ごろなため、はじめの1本に適しており、強度や耐熱性が必要になった段階で、高強度系レジンや高耐熱レジンを足していく進め方が一般的です。

造形物の洗浄には何を使いますか。

IPAが一般的に使用されていますが、事業所で使う場合は有機則にのっとった対応が必要になります。一方で、エタノール系洗浄液の3DMedSupoは有機則の対象外であり、廃液の回収費用も製品代金に含まれています。

09導入のご相談

レジンの選定から機種の選定、洗浄液の切り替えまで、まとめてご相談いただくことをおすすめします。作るものの用途と大きさ、使用中の機種をお知らせいただくと具体的なレジンをご案内することができますので、レジン選びも洗浄液の切り替えも、お気軽にお問い合わせください。

ご相談

レジン・機種選びの相談

まず質問だけでも構いません。用途や造形物をお知らせいただければ、機種・レジン・後処理機器・洗浄液の選び方をご案内します。

お電話でもご相談いただけます:042-444-7220(平日 9:00〜17:00)

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i-MAKER 編集部

株式会社アイ・メーカー(i-MAKER)/3DMedSupoの正規販売代理店

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