3Dプリンター用ポリエチレン（PE）ライクレジンとは
光造形3Dプリンターの材料の中には高強度なポリエチレン（PE）ライクのレジンが利用できます。ポリエチレン（PE）ライクレジンは、ABSとポリプロピレンの中間の強度や靭性を持ち、割れにくい物性を持っていて、治具やスナップフィットなどに最適です。
ポリエチレン（PE）レジンが使える光造形
3Dプリンターとは？
ポリエチレン（PE）ライクが使用できる光造形3DプリンターはFormlabsの光造形3Dプリンターになります。
| メーカー | 機種 | 特徴 |
|---|---|---|
| Formlabs | Form3＋、Form3、Form3L、Form3B＋、Form3L、Form2など | SLA方式の代表的メーカー安定性が非常に高く、高精細滑らかな造形が特長 |
3Dプリンター用ポリエチレン（PE）ライクレジンの特長
3Dプリンター用ポリエチレン（PE）ライクレジンの特長は、程よい靭性と強度です。ポリプロピレンライクほど柔らかくなく、ABSライクほど硬くない物性を持ち、ちょうどその中間の強度になります。
3Dプリンター用ポリエチレン（PE）ライクレジンの特性
高い引張強度
耐衝撃性
ABSライクとPPライクの中間
高精細
継ぎ目のない滑らかな質感
細かい複雑な造形
3Dプリンター用ポリエチレン（PE）ライクレジンで
できること
3Dプリンター用ポリエチレン（PE）ライクレジンでは高い引張強度や耐衝撃性、靭性などによりさまざまな用途で利用できます。
強度の機能性試験
3Dプリンター用ポリエチレン（PE）ライクレジンでは強度検証のための機能性試験に利用できます。最終品製造に移る前に、造形物がどの程度の強度があるのかデータからプリントすることで検証できます。
製品開発のリードタイムを短縮
高強度パーツの試作開発において、オンデマンドで3Dプリントができることからリードタイムを大幅に短縮可能です。3Dデータから直接3Dプリントすることでわずか数時間から数日でテストが可能です。
製品開発のコスト削減
ポリエチレン（PE）ライクレジンでは、また試作開発にかかる開発コストも大幅に削減できます。強度のあるプロトタイプを作る際に、必要な材料分しか使用しないため、切削加工や高強度系で使用されてきた金属加工品よりも低コストです。
3Dプリンター用ポリエチレン（PE）ライクレジンで作れるもの
3Dプリンター用ポリエチレン（PE）ライクレジンでは、高強度系の機能試作から、アッセンブルモデル、治工具、スナップフィットなどが作れます。
高強度パーツの機能性プロトタイプ
3Dプリンター用ポリエチレン（PE）ライクレジンでは高い引張強度や耐衝撃性、靭性を活かし機能性プロトタイプを作ることができます。
アッセンブルモデル
3Dプリンター用ポリエチレン（PE）ライクレジンではその高強度を活かしたアッセンブルモデルを作ることができます。個々のパーツで出力した後に嵌め合わせることなども可能です。
治具・固定具
3Dプリンター用ポリエチレン（PE）ライクレジンは製造現場の治具や固定具を作るのにも最適です。引張強度や耐衝撃性は一定の負荷や繰り返しかかる負荷に対しても、しっかりと固定する強度を提供します。
スナップフィット類
3Dプリンター用ポリエチレン（PE）ライクレジンは、曲げに強い物性を持ち繰り返し負荷がかかるスナップフィット類を作ることができます。
3Dプリンター用高強度レジンの種類
ここではFormlabsのポリエチレン（PE）ライクをご紹介します。
| レジン名 | メーカー | 特長 | 方式 |
|---|---|---|---|
| デュラブル | Formlabs | PEライク | SLA |
デュラブル（Formlabs）
デュラブルはPE（ポリエチレン）の強度と靭性を再現した高強度レジンです。半透明の見た目をしており、タフ2000とタフ1500の中間の靭性、強度を持ち曲げても割れない強度を持っています。
デュラブルのスペック
容量：１Ｌ
対応3Dプリンター：Form2、Form3、Form3＋、Form3L、Form3B
3Dプリンター用ポリエチレン（PE）ライクレジンの仕上げ
3Dプリンター用ポリエチレン（PE）ライクレジンは、造形後に洗浄が必要です。また二次硬化が必要になります。
洗浄
光造形は造形後には造形物に余分なレジンがこびりついているため、IPA(イソプロピルアルコール)やエコタールなどで洗浄する必要があります。
洗浄時間はメーカーごとにことなっていますが、だいたい10分から20分程度です。洗浄後はIPAがなくなるまで十分に乾燥を行います。
環境にやさしい洗浄液とお手軽洗浄サービス（オプション）
樹脂製品の洗浄に使用される洗浄液は、環境に配慮されたものや効率的な洗浄が行えるものが用意されています。また、お手軽な洗浄サービスも利用可能です。
3Dメディカルクリーン 17.7L
3Dメディカルクリーン 17.7Lは、エタコール同様毒性が低く、臭いが少なく有機則に該当しない洗浄液です。また廃液の回収もセットで行い産業廃棄物処理の手間をなくします。
3Dメディカルクリーン 4L
3Dメディカルクリーン 4Lは、エタコール同様毒性が低く、臭いが少なく有機則に該当しない洗浄液です。また廃液の回収もセットで行い産業廃棄物処理の手間をなくします。
エタコール
エタコール７は、Form3等の光造形機で造形されたモデルの洗浄に使用されるIPAに変わる環境対応高純度エタノール溶剤です。洗浄液は基本的に第二種有機溶剤に該当するケースが多いですがエタコールのように第二種有機溶剤に該当せず、IPAなどと同等の洗浄力を持つ溶剤もあります。
二次硬化
UV硬化レジンと光造形（SLA）3Dプリントで作られた造形物は、層と層の間に完全に固まっていないグリーン層といわれる中間層が存在します。
二次硬化は完成した造形モデルに一定の温度で紫外線を照射することで行います。二次硬化を行うことで、層と層の間の中間層が完全に固まり、強固な物性が再現されます。
メーカーごとに専用の二次硬化機があります。
FormCure(Formlabs）
Form Cureはプリント後に造形モデルを二次硬化してくれる自動二次硬化ツールです。
回転式のターンテーブルと、３６０度を覆うミラー仕上げで、造形モデルに全方位で４０５nmのLED光が照射。ボタンを押すだけで二次硬化を自動的に行います。
FormCure L(Formlabs）
FormCure Lは、プリント後に造形モデルを二次硬化してくれる自動二次硬化ツールです。
回転式のターンテーブルと、反射する内部キャビティによってUV光がすべての表面に到達して一定の硬化制度を実現し、Form 3LやForm 3BLで作られた大型の造形物も安定して二次硬化可能です。
まとめ
3Dプリンターのポリエチレン（PE）ライクレジンを使用すると、機能性試作から治具、固定具、スナップフィット、まで幅広い造形が可能です。
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