3Dプリンター用耐紫外線(UV)・耐候性レジン

3Dプリンター用耐紫外線(UV)・耐候性レジンとは

一般的に光造形3Dプリンターのレジン材料は紫外線に弱いとされています。UVレジンという材料が紫外線が当たることで硬化する特性を持ち、この硬化は造形後も日光などの紫外線が当たると固まって劣化するからというのが理由です。実際どの程度まで劣化するかはわかりませんが、UVレジンの中でも耐紫外線(UV)性、耐候性に優れた材料も存在します。

耐UVレジンは、外部環境でも劣化せず、形状変化がなく長期間の使用が可能になります。

耐紫外線(UV)・耐候性レジンが使える光造形
3Dプリンターとは?

耐紫外線(UV)・耐候性レジンが使える光造形3Dプリンターは限定されています。代表的なメーカーが3DsystemsのFigure4です。

メーカー 機種 特徴
3Dsystems Figure4 DLP方式。最終品レベルの仕上がり、精度が実現可能。スタンダードレジンでフィギュア系も対応。

3Dプリンター用耐紫外線(UV)・耐候性レジンの特長

3Dプリンター用耐紫外線(UV)・耐候性レジンの最大の特長が、その耐候性です硬化後も紫外線で劣化することがないので、外部環境でも高い強度を持ち、形状変化による精度の変化がないのが特長です。

3Dプリンター用高速造形用レジンの特性

長期の環境安定性

外環境などの紫外線で劣化しない

長期間精度や強度が変わらない

高精細

継ぎ目のない滑らかな質感

細かい複雑な造形

3Dプリンター用耐紫外線(UV)・耐候性レジンで
できること

3Dプリンター用耐紫外線(UV)・耐候性レジンは長期の使用に耐える特性から汎用的なプラスチック部品のダイレクト生産に最適です。

外部環境製品の機能性試験

3Dプリンター用耐紫外線(UV)・耐候性レジンは外環境でも長期の使用に耐えます。また強度、精度が変わらないため、紫外線があたる環境下での機能性試験ができます。


耐UV性の製品開発のリードタイムを短縮

耐UV性が求められる製品、パーツの試作開発において、オンデマンドで3Dプリントができることからリードタイムを大幅に短縮可能です。3Dデータから直接3Dプリントすることでわずか数時間から数日でテストが可能です。


耐UV性の製品開発のコスト削減

耐UV性のレジンでは、また試作開発にかかる開発コストも大幅に削減できます。必要な材料分しか使用しないため、切削加工や耐熱目的で使用されてきた金属加工品よりも低コストです。


耐UV製品のオンデマンド製造

3Dプリンター用耐紫外線(UV)・耐候性レジンでは、UV光による劣化、強度変化などがないため、長期で使用される量産品の代替として機能します。また量産グレードの強度をもつことから最終品として1個単位で作るオンデマンド製造を実現できます。

3Dプリンター用耐紫外線(UV)・耐候性レジンで作れるもの

3Dプリンター用耐紫外線(UV)・耐候性レジンでは、機能試験用の試作から最終品パーツまで作ることができます。

耐紫外線(UV)・耐候性試験用の機能性プロトタイプ

3Dプリンター用耐紫外線(UV)・耐候性レジンでは外部など紫外線が長期間あたる環境での機能試験、劣化試験用のプロトタイプを作ることができます。

外環境で使用する治工具

3Dプリンター用耐紫外線(UV)・耐候性レジンは長期間外環境でも強度が変わらないため、紫外線が当たる外部環境で使用する治工具などを作ることができます。紫外線に強い物性と作業に最適な形状をオンデマンドで作成できます。

量産グレードのプラスチック製品の製造

3Dプリンター用の耐紫外線(UV)・耐候性レジンは、量産グレードのプラスチック製品を作ることができます。コネクタ、モーターハウジング、スナップフィット、自動車用パーツなど幅広い汎用性を持っています。

 3Dプリンター用耐紫外線(UV)・耐候性レジンの種類

ここでは代表的な3Dプリンター用の耐紫外線(UV)・耐候性レジンとして代表的なものをご紹介します。

レジン名 メーカー 耐候性 方式
PRO-BLK10 3Dsystems DLP
RIGID WHITE 3Dsystems DLP
RIGID GRAY 3Dsystems DLP

PRO-BLK10

PRO-BLK10は、優れた機械特性と耐候性を持つ、硬質ブラックの耐UVレジンです。高い引張強度に耐衝撃性を併せ持ち、長期で使用することが可能。コネクタ、モーターハウジング、スナップフィット、各業界のパーツなど、汎用的なプラスチック製品の最終品製造として使用できます。

PRO-BLK10のスペック

容量:1リットル
対応3Dプリンター:Figure4


RIGID WHITE

RIGID WHITEは、優れた機械特性と耐候性を持つ、硬質ホワイトの耐UVレジンです。高い引張強度に耐衝撃性を併せ持ち、長期で使用することが可能。コネクタ、モーターハウジング、スナップフィット、各業界のパーツなど、汎用的なプラスチック製品の最終品製造として使用できます。

RIGID WHITEのスペック

容量:1リットル
対応3Dプリンター:Figure4


RIGID GRAY

RIGID GRAYは、優れた機械特性と耐候性を持つ、硬質グレイの耐UVレジンです。高い引張強度に耐衝撃性を併せ持ち、長期で使用することが可能。コネクタ、モーターハウジング、スナップフィット、各業界のパーツなど、汎用的なプラスチック製品の最終品製造として使用できます。

RIGID GRAYのスペック

容量:1リットル
対応3Dプリンター:Figure4

 3Dプリンター用耐紫外線(UV)・耐候性レジンの仕上げ

3Dプリンター用耐紫外線(UV)・耐候性レジンは、造形後に洗浄が必要です。

洗浄

耐紫外線(UV)・耐候性は造形後には造形物に余分なレジンがこびりついているため、IPA(イソプロピルアルコール)やエコタールなどで洗浄する必要があります。

洗浄時間はメーカーごとにことなっていますが、だいたい10分から20分程度です。洗浄後はIPAがなくなるまで十分に乾燥を行います。

エタコール

エタコール7は、Form3等の光造形機で造形されたモデルの洗浄に使用されるIPAに変わる環境対応高純度エタノール溶剤です。洗浄液は基本的に第二種有機溶剤に該当するケースが多いですがエタコールのように第二種有機溶剤に該当せず、IPAなどと同等の洗浄力を持つ溶剤もあります。

二次硬化

UV硬化レジンと光造形(SLA)3Dプリントで作られた造形物は、層と層の間に完全に固まっていないグリーン層といわれる中間層が存在します。

二次硬化は完成した造形モデルに一定の温度で紫外線を照射することで行います。二次硬化を行うことで、層と層の間の中間層が完全に固まり、強固な物性が再現されます。

メーカーごとに専用の二次硬化機があります。

FormCure(Formlabs)

Form Cureはプリント後に造形モデルを二次硬化してくれる自動二次硬化ツールです。
回転式のターンテーブルと、360度を覆うミラー仕上げで、造形モデルに全方位で405nmのLED光が照射。ボタンを押すだけで二次硬化を自動的に行います。

FormCure L(Formlabs)

FormCure Lは、プリント後に造形モデルを二次硬化してくれる自動二次硬化ツールです。
回転式のターンテーブルと、反射する内部キャビティによってUV光がすべての表面に到達して一定の硬化制度を実現し、Form 3LやForm 3BLで作られた大型の造形物も安定して二次硬化可能です。

まとめ

3Dプリンターの耐紫外線(UV)・耐候性レジンは、高い耐候性によって長期にわたり精度や強度が劣化しません。また同時に引張強度や耐衝撃性を併せ持ち、これにより、3Dプリンターの中心的な役割であった試作品から量産品の製造を可能にします。

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