i-MAKER 研究室
3DMedSupo 消耗品ストア
光造形3Dプリンター

光造形3Dプリンターに必要なもの一覧|環境・道具・洗浄液・廃液まで、始める前の準備ガイド

i-MAKER 編集部 公開 更新 読了目安 約13分
光造形3Dプリンターに必要なもの一覧|環境・道具・洗浄液・廃液まで、始める前の準備ガイド

光造形3Dプリンターは、導入後簡単にスタートすることができます。例えば、Form 4などは、開梱後、30分程度で造形を始めることができます。手軽に始められるのですが、作業環境などを正しくつくることで、その後の運用もやりやすくなります。ここでは、光造形3Dプリンターに必要なものをご紹介し、開梱してから造形物を仕上げるまでにあると便利なものやポイント、注意点などをご紹介します。

光造形3Dプリンターは、液体のレジンに紫外線を当てて一層ずつ固める方式の3Dプリンターで、細かい形状を再現できることから、試作や歯科、教育・研究の現場で使用されています。本体の価格が下がったことでオフィスの一角や自宅に置く例もありますが、材料が液体のレジンであるため、本体以外にそろえておくものがいくつかあります。これから光造形の導入を検討される方や、本体は決まったものの周辺の準備が残っている方に向けた内容です。

光造形3Dプリンターに必要なものとは、作業環境、造形に使う道具、後処理に使う道具、洗浄液と廃液の扱いの4群です。本体とレジンだけをそろえても造形物は完成しないため、洗って乾かし、二次硬化まで終えて、はじめて手に取れる状態になります。

この記事の要点

  • 光造形3Dプリンターに必要なものは、作業環境、造形の道具、後処理の道具、洗浄液と廃液の4群です。
  • 本体とレジンだけでは造形物は完成せず、洗浄と二次硬化までの道具がそろってはじめて手に取れる状態になります。
  • 洗浄液は洗浄力だけでなく、事業所で使うときの義務と、使い終わった液の出し先まで含めて選びます。
  • 自宅やオフィスの一角でも、換気、火気、手袋、保管の4点を満たせる場所であれば運用することができます。
目次
  1. 01光造形3Dプリンターを置く作業環境
  2. 02造形に必要なもの
  3. 03後処理に必要なもの
  4. 04洗浄液の選び方と廃液の扱い
  5. 05自宅・オフィスで始めるときの注意
  6. 06まとめ|準備のチェックリスト
  7. 07よくある質問(FAQ)
  8. 08導入のご相談
光造形3Dプリンターに必要なもの一覧
群 品目 要る理由
作業環境 室温を一定に保てる部屋、換気、直射日光の当たらない置き場所、水平な台、パソコンと電源、インターネット接続 レジンの温度が造形の品質に影響し、洗浄液が揮発するため
造形の道具 3Dプリンター本体、レジン、レジンタンク、ビルドプラットフォーム、スライスソフト レジンに光を当てて造形物を積み上げるための一式のため
後処理の道具 洗浄容器または洗浄機、二次硬化装置、スクレイパー、固定用の治具、レジンタンク用の樹脂製ヘラ、ピンセット、乾燥用のトレイ、ニトリル手袋などの消耗品 造形直後の表面には未硬化のレジンが残っており、洗浄と二次硬化が必要になるため
洗浄液と廃液 洗浄液、廃液をためる容器、廃液の出し先 使用済みの洗浄液にはレジンが溶け込み、事業者が出す場合は産業廃棄物になるため
Formlabs Form 4 本体と、洗浄機 Form Wash、二次硬化機 Form Cure、棚のレジンカートリッジ
本体と洗浄機・二次硬化機

01光造形3Dプリンターを置く作業環境

光造形3Dプリンターに必要なもの
  • 作業環境

    品目
    室温・換気・置き場所・台・電源
  • 造形の道具

    品目
    本体・レジン・タンク・プラットフォーム・スライスソフト
  • 後処理の道具

    品目
    洗浄・二次硬化・工具・消耗品
  • 洗浄液と廃液

    品目
    洗浄液・容器・出し先

作業環境で押さえておきたいのは、室温と換気の二つです。専用の部屋や特別な設備は必要なく、事務所の一角や自宅の作業机でも始めることができますが、この二つを満たせる場所かどうかで、造形の安定と作業のしやすさが変わります。

光造形3Dプリンターは、レジンの温度が造形の品質に影響します。ゴム系など粘性の高いレジンは冬場に硬くなることがあるため、室温をできるだけ一定に保てる場所が適しています。なお、冬場に冷え込んだ場合は、室内を暖めてからレジンを使うと、粘度が下がって造形が安定します。

造形が終わった造形物には未硬化のレジンが残っているため、洗浄液で洗い流しますが、洗浄液は揮発しやすく、換気ができる場所が適しています。また、レジンと洗浄液は紫外線で変質するため、直射日光が当たる窓際は置き場所に適していません。

設置する台は、水平が出せるしっかりした机であれば十分で、細かい水平は本体側の調整で合わせることができます。あわせて、造形データを本体に送るためのパソコンと、電源の取れる場所も必要になります。データの受け渡しをネットワーク経由で行う機種もあるため、インターネットに接続できる環境があると準備がしやすくなります。

水平な机と電源のある作業スペース
置き場所の例
スライスソフトを動かすノートパソコン
造形データを本体に送るパソコン

02造形に必要なもの

造形に必要なものは、3Dプリンター本体、レジン、レジンタンク、ビルドプラットフォーム、そしてスライスソフトを動かすパソコンです。どれか一つでも欠けると造形を始められないため、本体を選ぶ段階で、機種に付属するものと別途購入するものを分けて確認しておくと、準備が進めやすくなります。

  • 3Dプリンター本体は、机に置くデスクトップ型が中心で、設置したあとに脚の高さで水平を合わせる調整が必要になります。
  • レジンは種類が多く、機種や価格帯によって使える材料と使えない材料があるため、用途と本体の対応を合わせて選ぶ必要があります。選び方は光造形3Dプリンターのレジン材料で扱っていますので、そちらをご参照ください。
  • レジンタンク(レジントレイ)とは、レジンを入れて本体にセットする容器です。レジンの種類ごとに最適な造形設定が変わるため、当社の造形経験からも、レジン1種類につき1個を用意しておくことをおすすめします。
  • ビルドプラットフォームとは、造形物が積み上がる土台の板です。取り外しのたびに表面へ傷が付き、傷が深くなるとそこにレジンが入り込んで造形物が外れにくくなることがあるため、消耗品として交換を見込んでおく必要があります。
  • スライスソフトとは、3Dデータを層ごとの断面に分け、造形の向きや一層の厚み(積層ピッチ)、造形物を支える柱(サポート)の付け方を設定して本体に送るソフトです。メーカーが用意したソフトが動く性能のパソコンがあれば十分で、高価な機材までは必要ありません。
机に置いた Formlabs Form 4 本体
3Dプリンター本体
棚に並んだ Formlabs のレジンカートリッジ
レジン
Formlabs のレジンタンク(レジントレイ)
レジンタンク
Formlabs のビルドプラットフォーム
ビルドプラットフォーム

03後処理に必要なもの

造形が終わったあとは、造形物を取り外す、洗う、乾かす、二次硬化させる、という順に作業が進み、それぞれに道具が必要になります。本体だけをそろえた場合に抜けやすいのがこの後処理の一式で、道具と置き場所まで見積もっておくと、導入後の買い足しが減ります。

  • 取り外しの工具には、金属のヘラ状のスクレイパーと、プラットフォームを押さえる固定用の治具があり、機種によっては本体に付属しています。取り外しの手順は3Dプリント造形物を安全に取り外す方法で扱っていますので、そちらをご参照ください。
金属のヘラ状のスクレイパー 2 本
スクレイパー
ビルドプラットフォームを押さえる固定用の治具
固定用の治具
  • 洗浄容器は、ふた付きの容器に洗浄液を入れるだけでも洗うことができますが、専用の洗浄機や超音波洗浄機を使うと、浸ける時間と液の動きが一定になり、仕上がりのばらつきを抑えることができます。
  • 二次硬化装置は、レジンによっては造形後に二次硬化を行わないと強度などの物性が出ないため、材料に合わせて必要になります。造形直後の造形物には層と層の間に固まりきっていない部分が残っており、紫外線と熱を追加で当てて固めるのが二次硬化装置の役割です。
ふた付きの洗浄容器 2 個を載せたラック
洗浄容器
Formlabs の洗浄機 Form Wash から造形物を引き上げたところ
洗浄機 Form Wash
Formlabs の二次硬化装置 Form Cure の庫内で紫外線を当てている造形物
二次硬化装置 Form Cure
  • レジンタンク用の樹脂製ヘラは、タンクの底にこびりついた硬化物を取り除く道具で、タンクを傷つけない柔らかいものが適しています。また、硬化物が残ったままだと造形が失敗する原因になるため、造形に失敗した際には取り除く作業が必要になります。
  • ピンセットと乾燥用のトレイは、洗浄液から造形物を取り出し、乾かすまでの受け皿として使うもので、機種によっては付属しています。
レジンタンク用の黒い樹脂製ヘラ
レジンタンク用の樹脂製ヘラ
先の曲がったピンセット 2 本
ピンセット
黒い乾燥用のトレイ
乾燥用のトレイ
  • 消耗品として、ニトリル手袋、ペーパータオル、エアブロワー、ろ過用のフィルターと受け皿がそろっていると、洗浄から片付けまでの流れが止まりません。なお、エアブロワーは洗浄後に残った洗浄液を吹き飛ばす道具で、乾燥までの時間を短くすることができます。
ロール状のペーパータオル
ペーパータオル
エアブロワーのスプレー缶
エアブロワー
円すい形のろ過用フィルター
ろ過用のフィルター
ろ過したレジンの受け皿にする透明の容器
受け皿

洗浄から二次硬化までの流れ全体は、詳しくは光造形3Dプリンターの後処理をご覧ください。

04洗浄液の選び方と廃液の扱い

3DMedSupo の一斗缶(17.7L)
エタノール系洗浄液 3DMedSupo の 17.7L 一斗缶(有機則の規制対象外)

洗浄には、エタノール系の3DMedSupo(3Dメドサポ)などの洗浄液を使います。一般的なレジンでは、造形直後の表面に残る未硬化のレジンは水では落とせないため、こうした洗浄液で洗い流します。水で洗える水洗いレジンもありますが、使えるレジンの種類が限られ、洗った後の水も事業者が出す場合はそのまま下水に流すことができないため、後処理の工程が無くなるわけではありません。また、水洗いの工程は全体を60分以内(大型の造形物は30分以内)に終えないと、造形物にクラックが入ることがあります。

3DMedSupo 1L 無料サンプル(IPA代替洗浄液)

1L 無料サンプルで試す

送料無料でお届けします。

無料サンプルを申し込む

IPAは光造形の洗浄液として広く使用されていますが、第二種有機溶剤に該当するため、事業所で使う場合は有機溶剤中毒予防規則(有機則)にのっとった対応が求められます(有機溶剤中毒予防規則)。具体的には、局所排気装置の設置、有機溶剤作業主任者の選任、年2回の特殊健康診断、国家資格を持つ作業環境測定士による年2回の作業環境測定などです。どれも、IPAで洗浄を始めた時点で必要になります。しかも、使用量が少ないからといって免除されるものではなく、費用だけでなく、段取りをする担当者の時間も取られます。義務の中身はIPA(イソプロピルアルコール)とはで扱っていますので、そちらをご参照ください。

洗浄液は時間がたつだけでは劣化しませんが、洗うたびにレジンが溶け込んで蓄積するため、いずれ交換が必要になります。レジンが溶け込んだ使用済みの洗浄液は、事業者が出す場合は産業廃棄物に該当し、許可を受けた業者への委託が必要になります(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)。つまり、洗浄液は洗浄力だけでなく、事業所で使うときに発生する義務と、使い終わったあとの出し先まで含めて選ぶことになります。

一方、エタノール系洗浄液の3DMedSupo(3Dメドサポ)は有機則の対象外のため、有機則にもとづくさまざまな義務は不要になります(3DMedSupo 製品 SDS)。使用済みの3DMedSupoは、洗浄液のメーカーである三協製薬が引き取って再生資源として循環させており、回収費用は製品代金に含まれています。切り替えのときには、使用中のIPAの廃液と在庫も引き取ることができます。ただし、引火性はIPAと同等であるため、火気厳禁です。廃液の扱いについては、詳しくはIPA廃液の処分と3DMedSupoの回収をご覧ください。

05自宅・オフィスで始めるときの注意

自宅やオフィスの一角でも光造形3Dプリンターを使うことができますが、扱うものが液体のレジンと引火性のある洗浄液である点は、設置する場所の規模にかかわらず変わりません。次の4点を満たせる場所であれば、専用の部屋がなくても運用することができます。

  • 洗浄液は揮発しやすいため、窓や換気扇で空気を入れ替えられる場所が前提になります。
  • 洗浄液には引火性があるため、火気のある場所や暖房器具のそばには置かないようにしましょう。
  • 未硬化のレジンと洗浄液は、ニトリル手袋を着けて扱いましょう。なお、洗浄と二次硬化が終わるまでの造形物にも未硬化のレジンが残っているため、手袋のまま扱うと安全です。
  • レジンと洗浄液は、ふたを閉めて直射日光の当たらない場所に保管しましょう。
箱から出した青いニトリル手袋
ニトリル手袋

共用のスペースに置く場合は、洗浄と乾燥を行う場所と作業の時間帯をあらかじめ決めておくと、周囲との調整がしやすくなります。

06まとめ|準備のチェックリスト

光造形3Dプリンターに必要なものは、次の4群にまとめることができます。

  • 作業環境: 室温を一定に保てて換気ができる場所、直射日光の当たらない置き場所、水平な台、パソコンと電源
  • 造形の道具: 本体、レジン、レジンタンク(レジン1種類につき1個が目安)、ビルドプラットフォーム、スライスソフト
  • 後処理の道具: 洗浄容器または洗浄機、二次硬化装置、スクレイパーと固定用の治具、レジンタンク用の樹脂製ヘラ、ピンセット、乾燥用のトレイ、ニトリル手袋などの消耗品
  • 洗浄液と廃液: 洗浄液、廃液をためる容器、廃液の出し先

本体の価格だけで見積もると、後処理の道具と洗浄液があとから買い足しになりますが、この4群を先にそろえておけば、届いた日から造形と後処理を一続きで進めることができます。光造形そのものの仕組みは光造形(光重合)3Dプリンターとはで扱っていますので、あわせてご参照ください。

当社では、機種の選定からレジン、洗浄液、廃液の回収まで一続きでご案内することができます。

07よくある質問(FAQ)

光造形3Dプリンターは、本体以外に何を用意すればよいですか。

レジン、レジンタンク、ビルドプラットフォーム、スライスソフトを動かすパソコンに加えて、後処理の洗浄容器または洗浄機、洗浄液、二次硬化装置、取り外しの工具と消耗品が必要になります。また、置き場所は、室温を一定に保てて換気ができ、直射日光の当たらない場所が適しています。

洗浄液は何を使いますか。

IPA(イソプロピルアルコール)が一般的ですが、事業所で使う場合は有機則の義務が発生し、使用済みの液は産業廃棄物として委託が必要になります。一方、エタノール系洗浄液の3DMedSupo(3Dメドサポ)は有機則の対象外で、廃液の回収も付いています。

自動洗浄機は必要ですか。

ふた付きの容器に洗浄液を入れて浸ける方法でも洗うことができるため、必須ではありません。ただし、洗う数が多い場合や仕上がりをそろえたい場合は、専用の洗浄機や超音波洗浄機があると、浸ける時間と液の動きが一定になります。

二次硬化装置は必要ですか。

使用するレジンによっては、二次硬化を行わないと強度などの物性が出ないため必要になります。なお、レジンごとに二次硬化の条件が示されているので、購入前に確認しておくと準備の抜けを防ぐことができます。

手袋は必要ですか。

未硬化のレジンと洗浄液に素手で触れないよう、ニトリル手袋を用意しておくことをおすすめします。また、洗浄と二次硬化が終わるまでの造形物にも未硬化のレジンが残っているため、取り扱いのあいだは着けたままにしておくと安心です。

レジンタンクは何個必要ですか。

レジンの種類ごとに最適な造形設定が変わるため、当社の造形経験からは、使うレジン1種類につき1個を目安にしています。なお、1個のタンクで種類を入れ替える運用もできますが、そのつど洗浄する手間がかかり、前のレジンが混ざるおそれもあります。

08導入のご相談

光造形3Dプリンターの導入では、機種と材料の組み合わせに加えて、洗浄液と廃液の扱いまで決めておくと、始めたあとの手戻りが少なくなります。機種の選定から後処理の環境づくりまで含めてご相談いただくことをおすすめしますので、置き場所や運用に関するご質問も、お気軽にお問い合わせください。

相談する

自社の使い方が有機則の対象か、判断がつかないときは

現在の洗浄工程・保管量・廃液の出し方をうかがったうえで、切り替えたときに何が不要になるかをお伝えします。

お電話でもご相談いただけます:042-444-7220(平日 9:00〜17:00)

IPA廃液の無料回収サービス

IPA廃液は無料で回収(全国)

導入時の初回に限り、お手持ちのIPA廃液も無料でお引き取りします。

回収を相談する
3DMedSupo 1L 無料サンプル(IPA代替洗浄液)

1L 無料サンプルで試す

送料無料でお届けします。

無料サンプルを申し込む

i-MAKER 編集部

株式会社アイ・メーカー(i-MAKER)/3DMedSupoの正規販売代理店

光造形3Dプリンターの導入・運用支援と、IPA代替洗浄液の販売を行っています。記事の内容についてのご質問は、お問い合わせフォームからお寄せください。

3DMedSupo 17.7L 一斗缶

税込 21,780円 廃液回収費込

17.7L を購入