知っておきたい
IPA(イソプロピルアルコール)の基礎知識
IPA(イソプロピルアルコール)とは
光造形の洗浄工程で使用される洗浄材として、IPA(イソプロピルアルコール)が有名です。
一般的に略称であるIPAという言葉で呼ばれていますが、具体的にはどのような溶剤なのでしょうか。また取り扱う際の注意点など、知っておきたいIPA(イソプロピルアルコール)の基礎知識についてご紹介しましょう。
まず、IPAとはイソプロピルアルコールの略称で、別名イソプロパノールとも呼ばれています。アルコールの一種で主に洗浄などで使用されることが多い液体です。
IPA(イソプロピルアルコール)の特長
IPA(イソプロピルアルコール)は、大きく次の3つの特長が挙げられます。第一に他のエタノールなどのほかのアルコールに比べて安価です。第二に水溶性で水に溶けるという点が挙げられます。第三に乾燥が早いです。この3つのうち、安価で乾燥が早いという理由で、光造形の洗浄に使用されているケースが多いです。
IPA(イソプロピルアルコール)の有害性
安価で乾燥が早いという理由から、造形モデルの洗浄に使用されますが、毒性などの影響はどのような点があるのでしょうか?IPAは分類として有機溶剤に分類されるため、取り扱う際には、有機溶剤中毒予防規則、通称有規則に該当する液体です。
特に毒性の部分に関して言うと、生殖毒性が区分2、全身毒性が区分1など、毒性が高いことが挙げられ、取り扱いに注意が必要です。
IPA(イソプロピルアルコール)を使用する際の注意点
IPAは有規則にのっとって使用をしなければなりませんが、具体的にはどのような注意点があるのでしょうか。有規則については、「光造形の洗浄と知っておきたい有規則」という記事で詳しくご紹介していますが、ここでは簡単にポイントだけご紹介します。
第一に、作業主任者の選任が必要です。取り扱いには有機溶剤作業主任者技能講習を修了した者が当たります。
第二に、局所排気装置の設置が必要です。局所排気装置はダクトを備えた大掛かりな装置で、作業環境が適切に廃棄されることが必要です。
第三に、年2回の作業環境測定が必要です。作業環境測定では、国家資格を持った作業環境測定士が行います。
第四に、年2回有規則にのっとった健康診断が必要です。
第五に、作業環境中は防毒マスクの着用が義務付けられています。
IPA(イソプロピルアルコール)を使用する際には、かなりの環境整備に努めることが必要になってきます。またこの作業環境でかかる費用については、「光造形3Dプリンターの洗浄のコスト」という記事でも、より手間がかからない他の洗浄液との比較を掲載しています。
まとめ 健康リスクが少ない溶剤が推奨
IPA(イソプロピルアルコール)は安価で乾燥が早いという点から、光造形の洗浄に使用されるケースが多いですが、健康面への配慮から、使用する環境にはそれなりの用意が必要です。また、それ以外にも廃棄の手間やコストなどがかかるため、さまざまな面から考えると、毒性が低く、有機溶剤に該当しない洗浄液を使用するのがベストです。
3Dメディカルクリーンは、有規則に該当しないため、毒性も低く、かつ廃棄する際のコストや手間もかからないのでおススメです。
環境にやさしい洗浄液とお手軽洗浄サービス(オプション)
樹脂製品の洗浄に使用される洗浄液は、環境に配慮されたものや効率的な洗浄が行えるものが用意されています。また、お手軽な洗浄サービスも利用可能です。
3Dメディカルクリーン 17.7L
3Dメディカルクリーン 17.7Lは、エタコール同様毒性が低く、臭いが少なく有機則に該当しない洗浄液です。また廃液の回収もセットで行い産業廃棄物処理の手間をなくします。
3Dメディカルクリーン 4L
3Dメディカルクリーン 4Lは、エタコール同様毒性が低く、臭いが少なく有機則に該当しない洗浄液です。また廃液の回収もセットで行い産業廃棄物処理の手間をなくします。