出典: Formlabs 公式製品ページ・TDS。前世代比では破壊靭性が 10 倍です。

ポリプロピレンの靭性・弾力性が求められる試作品、スナップフィットやねじボスを備えたエンクロージャ、生産現場で長く使う治具・固定具、ラッチやフレクシャーのようなコンプライアントメカニズムが TDS の想定用途です。動く部分・嵌める部分を含む機能試作から、現場でそのまま使う治具までが守備範囲です。




画像はいずれも Formlabs 公式の造形例です。
タフ1500 V2 の TDS は「グリーン(未硬化)/二次硬化後」の 2 条件で値を公表しており、右の 1 列が二次硬化後の値です。エンジニアリングレジンは二次硬化が必須で、曲げ強さは 26 MPa から 41 MPa へ上がり、破断伸びは 210% から 155% へ下がります。
| 項目 | グリーン | 二次硬化後 | 規格 |
|---|---|---|---|
| 最大引張強さ | 30 MPa | 34 MPa | ASTM D638-14 |
| 引張弾性率 | 1250 MPa | 1460 MPa | ASTM D638-14 |
| 降伏点における引張強さ | 30 MPa | 34 MPa | ASTM D638-14 |
| 降伏点における破断伸び | 5.6% | 6.1% | ASTM D638-14 |
| 破断伸び | 210% | 155% | ASTM D638-14 |
| 曲げ強さ | 26 MPa | 41 MPa | ASTM D790-17 |
| 曲げ弾性率 | 900 MPa | 1370 MPa | ASTM D790-17 |
| ノッチ付きアイゾット | 45 J/m | 42 J/m | ASTM D256-10 |
| ノッチ無アイゾット | 1080 J/m | 910 J/m | ASTM D4812-11 |
| ノッチ付シャルピー | 8.9 kJ/m2 | 7.5 kJ/m2 | ISO 179-1 |
| ノッチ無シャルピー | 63 kJ/m2 | 57 kJ/m2 | ISO 179-1 |
| ガードナー衝撃強さ(厚み 0.79mm) | 7.0 J | 5.9 J | ASTM D5420-21 |
| ガードナー衝撃強さ(厚み 1.6mm) | 12.4 J | 11.1 J | ASTM D5420-21 |
| 屈曲疲労 | 11000 サイクル | 8000 サイクル | 内部(23°C、1Hz での偏差 30°) |
| 応力集中係数(Kmax) | 1.7 MPa-m1/2 | 1.7 MPa-m1/2 | ASTM D5045-14 |
| 破壊仕事(Wf) | 1090 J/m2 | 1011 J/m2 | ASTM D5045-14 |
| 荷重たわみ温度 @1.8MPa | 42°C | 53°C | ASTM D648-16 |
| 荷重たわみ温度 @0.45MPa | 54°C | 66°C | ASTM D648-16 |
| 熱膨張(0〜150°C) | 116 μm/m/°C | 99 μm/m/°C | ASTM E831-19 |
| 可燃性 | 未試験 | HB | UL 94 |
タフ1500 には旧版(V1)があります。旧版は Form 3 世代向けの材料です。→ 旧版 タフ1500 を EC サイトで見る
電気的特性
TDS が二次硬化後の値だけを公表している項目です。
| 項目 | 二次硬化後 | 規格 |
|---|---|---|
| 絶縁耐力 | 23.4 kV/mm | ASTM D149-20 |
| 誘電率(50Hz) | 4.5 | ASTM D150(50Hz) |
| 誘電率(1Hz) | 3.9 | ASTM D150(1kHz) |
| 誘電正接(50Hz) | 0.018 | ASTM D150(50Hz) |
| 誘電正接(1kHz) | 0.013 | ASTM D150(1kHz) |
| 体積抵抗率 | 2.91 × 1015 Ω·cm | ASTM D257-14 |
その他の特性
硬さと液体そのものの性質です。粘度はタンクへの入れ方や造形の立ち上がりに関わります。
| 項目 | 値 | 規格 |
|---|---|---|
| ショアD硬度 | 76D | ASTM D2240 |
| かさ密度 | 1.12 g/mL | ASTM D792-20 |
| 粘度(25°C) | 1000 cP | ASTM D792-20 |
| 液体密度 | 1.02 g/mL | ASTM D792-20 |
耐薬品性(24 時間浸漬での重量増加率)
1cm 角の立方体サンプルを各溶剤に 24 時間以上浸漬した際の重量増加率です。
| 溶剤 | 増加率 | 溶剤 | 増加率 |
|---|---|---|---|
| 酢酸 5% | 0.22 | イソオクタン(ガソリン) | 42.92 |
| アセトン | 29.64 | 鉱油(軽) | 0.02 |
| イソプロピルアルコール | 6.54 | 鉱油(重) | 0.04 |
| 漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム最大 5%) | -0.05 | 塩水(3.5% の塩化ナトリウム) | 0.24 |
| 酢酸ブチル | 41.35 | 水酸化ナトリウム(0.025%、pH=10) | 0.17 |
| ディーゼル燃料 | 0.04 | 水 | 0.21 |
| ジエチレングリコールモノメチルエーテル | 5.71 | キシレン | 72.57 |
| 油圧オイル | 0.04 | 強酸(濃塩酸) | 2.15 |
| スカイドロール 5 | 2.41 | トリプロピレングリコールモノメチルエーテル | 5.90 |
| 過酸化水素(3%) | 0.31 |
薬品に浸したあとの物性変化(ASTM D543)
サンプル片を各薬品に完全に浸した状態で 1 日および 1 週間保管し、取り出して洗浄したあと 22°C で 24 時間置いてから測定した値です。薬品に晒していないサンプル片との差を % で表しています。
| 項目 | IPA | アセトン | NaOH(0.025% pH=10) | HCl(10%) | 脱イオン水 | H2O2(3%) | 漂白剤(~5% NaOCl) | ディーゼル | モーターオイル | スカイドロール 5 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 相対弾性率(1 日) | 61.80% | 41.01% | 99.51% | 109.90% | 109.98% | 110.37% | 109.63% | 95.71% | 115.69% | 83.62% |
| 相対弾性率(1 週間) | 12.37% | 37.77% | 88.99% | 103.73% | 97.23% | 98.98% | 72.70% | 60.43% | 93.11% | 49.99% |
| 相対的強度(1 日) | 55.66% | 54.30% | 98.98% | 95.49% | 99.62% | 98.27% | 96.26% | 94.49% | 98.46% | 71.99% |
| 相対的強度(1 週間) | 28.85% | 49.48% | 103.30% | 101.11% | 99.01% | 98.84% | 97.71% | 63.33% | 101.85% | 43.65% |
| 相対的伸び率(1 日) | 118.46% | 150.74% | 39.05% | 70.50% | 103.07% | 103.02% | 63.63% | 127.67% | 109.53% | 80.51% |
| 相対的伸び率(1 週間) | 219.26% | 196.33% | 50.69% | 35.01% | 52.05% | 44.92% | 25.90% | 176.95% | 169.00% | 74.90% |
| 相対的質量(1 日) | 112.82% | 141.98% | 100.22% | 100.22% | 100.40% | 100.41% | 100.27% | 104.30% | 100.42% | 108.49% |
| 相対的質量(1 週間) | 135.80% | 141.15% | 100.23% | 100.14% | 100.51% | 100.71% | 100.24% | 111.17% | 99.95% | 119.26% |
生体適合性
タフ1500 レジンは、ISO 10993-1 に基づいて皮膚接触デバイスとして評価されています。
| 規格 | 解説 |
|---|---|
| ISO 10993-5 | 細胞毒性ではない |
| ISO 10993-10 | 皮膚を刺激しない |
| ISO 10993-10 | 感作性物質ではない |
出典: Tough 1500 Resin V2 TDS(PDF・初版 2025 年 3 月 18 日/修正 05 2025 年 10 月 17 日)。物性は造形品の形状・向き・設定・温度により変動する場合があります。
| 対応プリンタ | Form 4 / Form 4L |
|---|---|
| 対応タンク | Form 4 レジンタンク/Form 4L レジンタンク |
| ビルドプラットフォーム | Form 4 / 4L の標準・フレックス |
| カートリッジ | 1L(型番 FLTO1502・掲載 code FLB-0049) |
1 枚のタンクで造形できる層数の目安(弊社の運用実績。Formlabs 公称はどの材料でも 75,000 層以上)。本材料の系統は樹脂の粘りが強く、フィルムの消耗が早くなります。白濁・傷が交換のサインです。
カタログの数値だけでは分からない部分です。毎日 Form 4 を回している運用から、手順・系統ごとの違い・洗浄液の交換時期をまとめました。
洗浄から二次硬化までの 5 ステップ
バケツ洗浄の基本手順です。Form Wash 2 などの自動洗浄機なら、手順 2〜3 がまとめて 10 分程度になります。タフ1500 V2 はエンジニアリングレジンなので、手順 5 の二次硬化は必須です。
材料の系統で、洗浄はここが変わります
同じ洗浄液でも、材料の性質で汚れ方と注意点が違います(弊社の運用実績)。
| スタンダード系 | 基本どおり。一次 10 分+二次 10 分 |
|---|---|
| タフ系・ゴムライク系(本材料) | 樹脂の粘性が強く、洗浄液の汚れが早い。交換サイクルが短くなります |
| リジッド系 | ガラス繊維が洗浄液に出ることがあります。他の材料と洗浄液を分けるのがベストです |
| シリコーン | 専用洗浄液「ソルベント」を使います |
洗浄液はいつ交換するか
目安は使用量で決まります。弊社の実測ベース: 大型造形物(レジン量 250ml)を 1 日 6 回洗浄する運用の場合。
洗浄後もベタつきが残るようになったら、洗浄力が落ちています。タフ系は汚れが早いので、上の目安より短くなることがあります。
タフ1500 V2 の洗浄には、IPA を使わないエタノール系洗浄液 3DMedSupo が使えます。使用済みの廃液は無料で回収するので、廃液処理の手配はいりません。いま IPA で洗浄している方は、切り替えのときに残った IPA の引き取りも依頼できます。

社内の Form 4 で機能試作に使っている材料です。運用条件と、使って見えてきたことをレポートとしてまとめます。
| 使用機材 | Form 4 |
|---|---|
| 材料 | タフ1500 V2(1L カートリッジ) |
| 洗浄 | 3DMedSupo・一次 10 分+二次 10 分 |
| 二次硬化 | Form Cure V2・70°C・12 分 |
結論として、動く部分・嵌める部分を含む機能試作にはタフ1500 V2 を勧めています。2026 年 8 月時点の運用にもとづくレポートです。
| Form 4 レジンタンク | 21,400 円(税抜・税込 23,540 円) 1 タンク 1 レジンが原則。材料ごとに 1 枚 |
|---|---|
| Form 4 ビルドプラットフォーム | 21,400 円(税抜・税込 23,540 円) |
| Form 4 ミキサー | 9,000 円(税抜・税込 9,900 円) 洗って使い回せるので、材料ごとに揃える必要はありません |
タフ1500 V2 を使い始めるならタンクをもう 1 枚。→ 消耗品・アクセサリの一覧
レジンは売って終わりにしません。i-MAKER で機材・材料をご購入の方は、光造形ノウハウセミナー(2 時間・都内は無料・都内以外は別途ご相談・Zoom 可)で、サポートの付け方・向き・洗浄条件まで相談できます。お急ぎのときや機材が止まっている間は、代わりの造形を依頼できるサポートプリント(有償・1 個から・最短即日発送)もあります。
タフ1500 V2(Tough 1500 Resin V2) 1L 25,600 円(税抜・税込 28,160 円)
平日 9:00〜17:00 法人・教育機関の請求書払いに対応。見積書は即日発行、レジン・消耗品は在庫があれば最短即日発送します。