出典: Formlabs 公式製品ページ・TDS。前世代比では破壊靭性が 3 倍で、耐熱性・材料寿命・外観が向上しています。

ABS 並みの強度と剛性が求められる部品、耐熱性・耐クリープ性を備えた頑丈なエンクロージャ、生産現場での長期使用にも耐えられる治具・固定具が TDS の想定用途です。ダークな色合いとマットな質感で、そのまま量産部品として使えます。




画像はいずれも Formlabs 公式の造形例です。
タフ2000 V2 の TDS は「グリーン(未硬化)/二次硬化後」の 2 条件で値を公表しており、右の列が二次硬化後の値です。エンジニアリング用レジンは二次硬化が必須で、表のとおり強度・剛性・耐熱はこの工程で大きく変わります。
| 項目 | グリーン状態 | 二次硬化後 | 評価方法 |
|---|---|---|---|
| 極限引張強さ | 26.1 MPa | 40.4 MPa | ASTM D638-14 |
| 引張弾性率 | 1235 MPa | 1800 MPa | ASTM D638-14 |
| 降伏点における引張強さ | 26.1 MPa | 40.4 MPa | ASTM D638-14 |
| 降伏点における破断伸び | 5.0% | 4.5% | ASTM D638-14 |
| 破断伸び | 149% | 79% | ASTM D638-14 |
| 曲げ強さ | 38 MPa | 67 MPa | ASTM D790-17 |
| 曲げ弾性率 | 1040 MPa | 1701 MPa | ASTM D790-17 |
| ノッチ付きアイゾット | 24 J/m | 25 J/m | ASTM D256-10 |
| ノッチ無アイゾット | 323 J/m | 325 J/m | ASTM D4812-11 |
| ノッチ付シャルピー | 2 kJ/m² | 2.4 kJ/m² | ISO 179-1 |
| ノッチ無シャルピー | 20 kJ/m² | 31 kJ/m² | ISO 179-1 |
| ガードナー衝撃強さ(厚み0.79mm) | 4.8 J | 1.6 J | ASTM D5420-21 |
| 屈曲疲労 | 11900 サイクル | 3560 サイクル | 内部(23°C、1Hz での偏差30°) |
| 応力集中係数(Kmax) | 1.4 MPa-m1/2 | 1.65 MPa-m1/2 | ASTM D5045-14 |
| 破壊仕事(Wf) | 330 J/m² | 305 J/m² | ASTM D5045-14 |
| 荷重たわみ温度@1.8MPa | 45°C | 57°C | ASTM D648-16 |
| 荷重たわみ温度@0.45MPa | 53°C | 70°C | ASTM D648-16 |
| 熱膨張(0〜150°C) | 142.6 μm/m/°C | 134.2 μm/m/°C | ASTM E831-19 |
| 可燃性 | 未試験 | HB | UL 94 |
タフ2000 には旧版(V1)があります。旧版は Form 3 世代向けの材料です。→ 旧版 タフ2000 を EC サイトで見る
電気的特性(二次硬化後)
絶縁のかかわる部品で使うときの目安です。値はいずれも二次硬化後のものです。
| 項目 | 二次硬化後 | 評価方法 |
|---|---|---|
| 絶縁耐力 | 15.5 kV/mm | ASTM D149-20 |
| 誘電率(50Hz) | 3.46 | ASTM D150(50Hz) |
| 誘電率(1Hz) | 3.38 | ASTM D150(1kHz) |
| 誘電正接(50Hz) | 0.018 | ASTM D150(50Hz) |
| 誘電正接(1kHz) | 0.012 | ASTM D150(1kHz) |
| 体積抵抗率 | 3 × 1015 Ω-cm | ASTM D257-14 |
その他の特性
硬さと、液体の状態での性質です。粘度は材料の流れやすさを表します。
| 項目 | 値 | 評価方法 |
|---|---|---|
| ショアD硬度 | 61D | ASTM D2240 |
| 仮比重 | 1.09 g/mL | ASTM D792-20 |
| 粘度(25°C) | 2680 cP | ASTM D792-20 |
| 液体密度 | 1.03 g/mL | ASTM D792-20 |
動的粘弾性測定(DMA)と曲げクリープ
温度を上げたときに材料がやわらかくなる境目と、荷重をかけ続けたときの変形の測り方です。
| 項目 | 値・条件 | 評価方法 |
|---|---|---|
| ガラス転移 | 112.2°C | DMA(0〜150°C・3°C/分) |
| 貯蔵弾性率の変曲 | 76.96°C | DMA(0〜150°C・3°C/分) |
| 曲げクリープの試験条件 | 22°C・4.0 MPa・14 日間のたわみ測定 | ISO 6602 |
耐薬品性(24 時間浸漬での重量増加率)
二次硬化させた 1cm 角の造形品を各溶剤に 24 時間以上浸している間の重量増加率です。
| 溶剤 | 増加率 | 溶剤 | 増加率 |
|---|---|---|---|
| 酢酸(5%) | 0.17% | イソオクタン(ガソリン) | 21.24% |
| アセトン | 22.92% | 鉱油(軽) | 0.12% |
| イソプロピル・アルコール | 4.21% | 鉱油(重) | 0.07% |
| 漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム最大 5%) | 0.11% | 塩水(3.5% の塩化ナトリウム) | 0.16% |
| 酢酸ブチル | 18.65% | 水酸化ナトリウム溶液(0.025%、pH=10) | 0.18% |
| ディーゼル油 | 0.08% | 水 | 0.19% |
| ジエチルグリコール・モノメチルエーテル | 4.65% | キシレン | 27.69% |
| 油圧オイル | 0.06% | 強酸(濃塩酸) | 1.96% |
| スカイドロール5 | 0.96% | TPM | 1.86% |
| 過酸化水素(3%) | 0.21% |
耐薬品性(ASTM D543・浸漬後の物性保持率)
各薬品に 1 日・1 週間浸したサンプルを取り出して洗浄し、22°C で 24 時間ならしてから試験した結果です。薬品に晒していないサンプルの測定値との差を % で表しています。
| 項目 | 期間 | IPA | アセトン | NaOH(10% pH=14) | HCl(10%) | 脱イオン水 | H2O2(3%) | 漂白剤(~5% NaOCl) | ディーゼル | モーターオイル | スカイドロール5 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 相対弾性率 | 1 日 | 63% | 37% | 93% | 100% | 103% | 100% | 98% | 93% | 92% | 93% |
| 1 週間 | 18% | 45% | 100% | 104% | 106% | 92% | 95% | 97% | 98% | 98% | |
| 相対的強度 | 1 日 | 66% | 43% | 101% | 102% | 102% | 102% | 100% | 101% | 101% | 101% |
| 1 週間 | 27% | 39% | 97% | 99% | 97% | 93% | 92% | 92% | 96% | 94% | |
| 相対的破断伸び | 1 日 | 116% | 131% | 102% | 100% | 111% | 81% | 97% | 113% | 77% | 43% |
| 1 週間 | 197% | 144% | 78% | 65% | 85% | 133% | 123% | 131% | 173% | 45% | |
| 相対的質量 | 1 日 | 107% | 139% | 100% | 100% | 100% | 100% | 100% | 100% | 100% | 102% |
| 1 週間 | 119% | 137% | 101% | 100% | 101% | 101% | 100% | 101% | 100% | 103% |
出典: Tough 2000 Resin V2 TDS(PDF・初版 2025 年 10 月 6 日)。物性は造形品の形状・向き・設定・温度により変動する場合があります。
| 対応プリンタ | Form 4 / Form 4L |
|---|---|
| 対応タンク | Form 4 レジンタンク/Form 4L レジンタンク |
| ビルドプラットフォーム | Form 4 / 4L の標準・フレックス |
| カートリッジ | 1L(型番 FLTO2002・掲載 code FLB-0051) |
1 枚のタンクで造形できる層数の目安(弊社の運用実績。Formlabs 公称はどの材料でも 75,000 層以上)。本材料の系統は樹脂の粘りが強く、スタンダード系よりフィルムの消耗が早くなります。白濁・傷が交換のサインです。
カタログの数値だけでは分からない部分です。毎日 Form 4 を回している運用から、手順・系統ごとの違い・洗浄液の交換時期をまとめました。
洗浄から二次硬化までの 5 ステップ
バケツ洗浄の基本手順です。Form Wash 2 などの自動洗浄機なら、手順 2〜3 がまとめて 10 分程度になります。タフ2000 V2 はエンジニアリング用レジンなので、手順 5 の二次硬化が必須です。
材料の系統で、洗浄はここが変わります
同じ洗浄液でも、材料の性質で汚れ方と注意点が違います(弊社の運用実績)。
| スタンダード系 | 基本どおり。一次 10 分+二次 10 分 |
|---|---|
| タフ系・ゴムライク系(本材料) | 樹脂の粘性が強く、洗浄液の汚れが早い。交換サイクルが短くなります |
| リジッド系 | ガラス繊維が洗浄液に出ることがあります。他の材料と洗浄液を分けるのがベストです |
| シリコーン | 専用洗浄液「ソルベント」を使います |
洗浄液はいつ交換するか
目安は使用量で決まります。弊社の実測ベース: 大型造形物(レジン量 250ml)を 1 日 6 回洗浄する運用の場合。
洗浄後もベタつきが残るようになったら、洗浄力が落ちています。使用量が少なければ交換はもっと先で大丈夫です。
タフ2000 V2 の洗浄には、IPA を使わないエタノール系洗浄液 3DMedSupo が使えます。使用済みの廃液は無料で回収するので、廃液処理の手配はいりません。いま IPA で洗浄している方は、切り替えのときに残った IPA の引き取りも依頼できます。

社内の Form 4 で扱っている材料です。運用条件と、使って見えてきたことをレポートとしてまとめます。
| 使用機材 | Form 4 |
|---|---|
| 材料 | タフ2000 V2(1L カートリッジ) |
| 洗浄 | 3DMedSupo・一次 10 分+二次 10 分 |
| 二次硬化 | Form Cure V2・70°C・12 分 |
結論として、硬さ・耐熱・見た目の 3 つを 1 本でまかないたい機能部品にタフ2000 V2 を勧めています。弊社の運用実績にもとづくレポートです(2026 年 8 月時点)。
| Form 4 レジンタンク | 21,400 円(税抜・税込 23,540 円) 1 タンク 1 レジンが原則。材料ごとに 1 枚 |
|---|---|
| Form 4 ビルドプラットフォーム | 21,400 円(税抜・税込 23,540 円) |
| Form 4 ミキサー | 9,000 円(税抜・税込 9,900 円) 洗って使い回せるので、材料ごとに揃える必要はありません |
タフ2000 V2 を使い始めるならタンクをもう 1 枚。→ 消耗品・アクセサリの一覧
レジンは売って終わりにしません。i-MAKER で機材・材料をご購入の方は、光造形ノウハウセミナー(2 時間・都内は無料・都内以外は別途ご相談・Zoom 可)で、サポートの付け方・向き・洗浄条件まで相談できます。お急ぎのときや機材が止まっている間は、代わりの造形を依頼できるサポートプリント(有償・1 個から・最短即日発送)もあります。
タフ2000 V2(Tough 2000 Resin V2) 1L 25,600 円(税抜・税込 28,160 円)
平日 9:00〜17:00 法人・教育機関の請求書払いに対応。見積書は即日発行、レジン・消耗品は在庫があれば最短即日発送します。