Form 4造形ガイド:天面の荒れを防ぐ「配置角度」と「積層ピッチ」の設定正解

Form 4造形ガイド:天面の荒れを防ぐ「配置角度」と「積層ピッチ」の設定正解
「Form 4で箱型やプレート状のパーツを造形したら、天面(上向きの面)にオレンジの皮のような細かい凹凸や気泡ができてしまった」
「Form 3の時は平気だったのに、なぜ?」
Form 4へ移行されたユーザー様から、このようなご相談をいただくことがあります。これは故障ではなく、Form 4が搭載する高速造形エンジンの「特性」によるものです。
■ ここがポイント
「配置角度」と「積層ピッチ」を少し工夫するだけで、この現象は劇的に改善します。今回は、弊社の技術部門が標準ワークフローとして実践している、「天面回避の具体的な手順」を解説します。
【準備編】なぜ「水平」配置が苦手なのか
作業に入る前に、現象の理由を簡単に理解しておきましょう。
Form 4は、LFD(Low Force Display)という新技術を採用しており、光源となるLEDパネルや、リリーステクスチャ(タンクの微細加工)の構造上、ビルドプラットフォームと「完全に平行な面」に対して、内部構造のパターンや微細な気泡が転写されやすい特性があります。
この特性を理解し、「Formlabs専用ソフトウェア PreForm」側でコントロールするのが、プロの腕の見せ所です。
【実践編】プロが教えるステップ・バイ・ステップ
今回は、最もこの現象が発生しやすい「平らな板状パーツ」を例に、PreFormでの修正手順を解説します。お手元のPCでPreFormを開きながら進めてください。
Step 1: 平行配置のリスクを確認する
まず、失敗しやすい配置を知ります。モデルをインポートした際、ビルドプラットフォームに対して天面が「0度(完全平行)」になっている状態が、最も表面が荒れやすい配置です。
このまま「造形」ボタンを押すと、天面にテクスチャ痕が残る可能性が高いため、次のステップで修正します。
Step 2: 「角度」をつけて配置を変更する
モデルを回転させます。弊社では、平面がプラットフォームと平行にならないよう、最低でも 10度〜20度 の傾斜をつけることを推奨しています。
- PreFormの左側ツールバーから「回転(Orientation)」アイコンをクリックします。
- X軸またはY軸のリングをドラッグするか、数値入力欄に「15」(10〜20の間)と入力します。
- モデルが傾き、断面形状が変化したことを確認します。
このように角度をつけることで、特定の層への負荷集中を避け、テクスチャの転写を防ぐことができます。
Step 3: 積層ピッチの調整(角度がつけられない場合)
形状の制約で、どうしても水平配置(直置き)が必須の場合の手順です。この場合、積層ピッチの設定を変更します。
- PreForm右側の「プリント設定(Print Settings)」をクリックします。
- 「積層ピッチ(Layer Thickness)」の項目を確認します。
- もし「50ミクロン」になっている場合は、「100ミクロン」または「160ミクロン」を選択してください。
■ ここがポイント
意外に思われるかもしれませんが、ピッチを細かく(薄く)するほど、この特定の表面ノイズは目立ちやすくなります。あえてピッチを厚くすることで、表面を滑らかに見せるテクニックです。
【技術パート】失敗しないためのプロの運用ポイント
ここでは、設定以外で仕上がりに差が出る「運用のコツ」をご紹介します。
1. よくある失敗とレジンの選び方
「きれいに作りたいから」と、逆に積層ピッチを25〜50ミクロンに設定してしまうのが、初心者が陥りやすいミスです。この現象に関しては逆効果となりますのでご注意ください。
また、使用するレジンによっても目立ちやすさが異なります。
| レジンの種類 | 表面荒れの目立ちやすさ | 対策 |
|---|---|---|
| ブラック / クリア | 目立ちやすい | 可能な限り角度をつける |
| グレー / Model Resin | 目立ちにくい | マットな質感で隠蔽しやすい |
表面精度を最優先する場合は、マット仕上げの「グレーレジン V5」などの使用を検討してください。
2. 洗浄による仕上げ品質の確保
表面の微細な荒れに「未硬化のレジン」が残っていると、光の乱反射で凹凸がさらに強調されてしまいます。これを防ぐには、洗浄工程の質を上げることが重要です。
プロの洗浄手順:
- 洗浄液 3D Medsupo(スリーディーメドサポ) を入れた洗浄機で、通常通り洗浄します。
- その後、必ず「新しい液」で仕上げのリンス(すすぎ)を行ってください。
洗浄液 3D Medsupoは洗浄力が高いため、表面のヌメリを完全に除去できます。ベタつきがない状態で乾燥・二次硬化させることで、本来の造形品質を正しく評価できるようになります。
【応用編】Form 4 × 3D Medsupo のベストプラクティス
Form 4は圧倒的な造形スピードを誇りますが、今回解説したように「角度をつける」運用を行うと、どうしてもサポート材の処理作業が発生します。
そこで重要になるのが、後処理のコストと手間のバランスです。
- Form 4: 高速造形で生産性を最大化する。
- サポート付け: 品質確保のために割り切って行う。
- 洗浄液 3D Medsupo: 消耗品コストを抑えつつ、高い洗浄力で仕上げる。
この組み合わせこそが、品質とコストのバランスが取れた「持続可能な3Dプリント運用」の正解です。弊社ではこのセットを標準機材として導入し、日々の造形業務を行っています。
まとめ
本日の作業チェックリストです。造形前に必ずご確認ください。
- 角度: Form 4では、天面をビルドプラットフォームと「平行(0度)」にしない。
- 設定: どうしても平行にする場合は、積層ピッチを「100ミクロン以上」に設定する。
- 後処理: 仕上げの洗浄は 洗浄液 3D Medsupo で徹底的に行い、表面状態を正しく確認する。
技術相談・サンプルについて
「自分のモデルだと、どの角度がベストかわからない」「実際の仕上がりを見てみたい」という方は、弊社のテクニカルチームにご相談ください。実機での検証サポートや、サンプルのご案内も可能です。

3D Medsupo(メドサポ)
非有機溶剤で「毒性なし・臭いなし」。さらに「廃液回収サービス付き」だから、面倒な産廃処理の手間とコストをゼロに。
★ キャンペーン中 今なら使用済みのIPA廃液も回収します!
洗浄液の選定、レジンの相談、お見積りなど、お気軽にご相談ください。無料サンプルもご用意しています。