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Formlabs製品ガイド

Form 4造形ガイド:天面の荒れを防ぐ「配置角度」と「積層ピッチ」の設定正解

i-MAKER 研究室 編集部 | 公開 2025.12.25 更新 2026.04.15 読了 約6分

Form 4造形ガイド:天面の荒れを防ぐ「配置角度」と「積層ピッチ」の設定正解

Form 4で箱型やプレート状のパーツを造形したら、天面(上向きの面)にオレンジの皮のような細かい凹凸や気泡ができてしまった」
「Form 3の時は平気だったのに、なぜ?」

Form 4へ移行されたユーザー様から、このようなご相談をいただくことがあります。これは故障ではなく、Form 4が搭載する高速造形エンジンの「特性」によるものです。

■ ここがポイント

「配置角度」と「積層ピッチ」を少し工夫するだけで、この現象は劇的に改善します。今回は、弊社の技術部門が標準ワークフローとして実践している、「天面回避の具体的な手順」を解説します。

【準備編】なぜ「水平」配置が苦手なのか

作業に入る前に、現象の理由を簡単に理解しておきましょう。

Form 4は、LFD(Low Force Display)という新技術を採用しており、光源となるLEDパネルや、リリーステクスチャ(タンクの微細加工)の構造上、ビルドプラットフォームと「完全に平行な面」に対して、内部構造のパターンや微細な気泡が転写されやすい特性があります。

この特性を理解し、「Formlabs専用ソフトウェア PreForm」側でコントロールするのが、プロの腕の見せ所です。

【実践編】プロが教えるステップ・バイ・ステップ

今回は、最もこの現象が発生しやすい「平らな板状パーツ」を例に、PreFormでの修正手順を解説します。お手元のPCでPreFormを開きながら進めてください。

Step 1: 平行配置のリスクを確認する

まず、失敗しやすい配置を知ります。モデルをインポートした際、ビルドプラットフォームに対して天面が「0度(完全平行)」になっている状態が、最も表面が荒れやすい配置です。

PreFormでの水平配置警告:モデル天面に注意アイコンが表示されているイメージ
ビルドプラットフォームに水平配置されたモデル

このまま「造形」ボタンを押すと、天面にテクスチャ痕が残る可能性が高いため、次のステップで修正します。

Step 2: 「角度」をつけて配置を変更する

モデルを回転させます。弊社では、平面がプラットフォームと平行にならないよう、最低でも 10度〜20度 の傾斜をつけることを推奨しています。

  • PreFormの左側ツールバーから「回転(Orientation)」アイコンをクリックします。
  • X軸またはY軸のリングをドラッグするか、数値入力欄に「15」(10〜20の間)と入力します。
  • モデルが傾き、断面形状が変化したことを確認します。
PreFormの回転ツールを使用しモデルを15度傾けている設定画面
回転ツールで15度の角度をつけている様子

このように角度をつけることで、特定の層への負荷集中を避け、テクスチャの転写を防ぐことができます。

Step 3: 積層ピッチの調整(角度がつけられない場合)

形状の制約で、どうしても水平配置(直置き)が必須の場合の手順です。この場合、積層ピッチの設定を変更します。

  • PreForm右側の「プリント設定(Print Settings)」をクリックします。
  • 「積層ピッチ(Layer Thickness)」の項目を確認します。
  • もし「50ミクロン」になっている場合は、「100ミクロン」または「160ミクロン」を選択してください。
PreFormのプリント設定画面で積層ピッチを100ミクロンに変更している様子
積層ピッチ(Layer Thickness)の変更箇所

■ ここがポイント

意外に思われるかもしれませんが、ピッチを細かく(薄く)するほど、この特定の表面ノイズは目立ちやすくなります。あえてピッチを厚くすることで、表面を滑らかに見せるテクニックです。

【技術パート】失敗しないためのプロの運用ポイント

ここでは、設定以外で仕上がりに差が出る「運用のコツ」をご紹介します。

1. よくある失敗とレジンの選び方

「きれいに作りたいから」と、逆に積層ピッチを25〜50ミクロンに設定してしまうのが、初心者が陥りやすいミスです。この現象に関しては逆効果となりますのでご注意ください。

また、使用するレジンによっても目立ちやすさが異なります。

レジンの種類 表面荒れの目立ちやすさ 対策
ブラック / クリア 目立ちやすい 可能な限り角度をつける
グレー / Model Resin 目立ちにくい マットな質感で隠蔽しやすい

表面精度を最優先する場合は、マット仕上げの「グレーレジン V5」などの使用を検討してください。

2. 洗浄による仕上げ品質の確保

表面の微細な荒れに「未硬化のレジン」が残っていると、光の乱反射で凹凸がさらに強調されてしまいます。これを防ぐには、洗浄工程の質を上げることが重要です。

プロの洗浄手順:

洗浄液 3D Medsupoは洗浄力が高いため、表面のヌメリを完全に除去できます。ベタつきがない状態で乾燥・二次硬化させることで、本来の造形品質を正しく評価できるようになります。

【応用編】Form 4 × 3D Medsupo のベストプラクティス

Form 4は圧倒的な造形スピードを誇りますが、今回解説したように「角度をつける」運用を行うと、どうしてもサポート材の処理作業が発生します。

そこで重要になるのが、後処理のコストと手間のバランスです。

  • Form 4: 高速造形で生産性を最大化する。
  • サポート付け: 品質確保のために割り切って行う。
  • 洗浄液 3D Medsupo: 消耗品コストを抑えつつ、高い洗浄力で仕上げる。

この組み合わせこそが、品質とコストのバランスが取れた「持続可能な3Dプリント運用」の正解です。弊社ではこのセットを標準機材として導入し、日々の造形業務を行っています。

まとめ

本日の作業チェックリストです。造形前に必ずご確認ください。

  • 角度: Form 4では、天面をビルドプラットフォームと「平行(0度)」にしない。
  • 設定: どうしても平行にする場合は、積層ピッチを「100ミクロン以上」に設定する。
  • 後処理: 仕上げの洗浄は 洗浄液 3D Medsupo で徹底的に行い、表面状態を正しく確認する。

技術相談・サンプルについて

「自分のモデルだと、どの角度がベストかわからない」「実際の仕上がりを見てみたい」という方は、弊社のテクニカルチームにご相談ください。実機での検証サポートや、サンプルのご案内も可能です。

出典:パーツ上面の欠陥(Form 4世代)

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i-MAKER 研究室 編集部

株式会社アイ・メーカーが運営する、ものづくり情報サイト「i-MAKER 研究室」の編集部。3Dプリンター・光造形・洗浄の現場に10年以上携わる経験をもとに、実機検証と取材を軸とした記事を制作しています。

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