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Formlabs製品ガイド

Form 4専用レジン「V5」徹底解説!強度・速度・美観はここまで進化した

i-MAKER 研究室 編集部 | 公開 2025.11.27 更新 2026.04.15 読了 約10分

Form 4専用レジン「V5」徹底解説!強度・速度・美観はここまで進化した


Form 4の実力を解き放つ「V5」レジン徹底解説。従来の汎用レジンと何が変わったのか?

皆様、こんにちは。Formlabs製品販売店の技術担当です。

先日、Formlabsより待望のForm 4専用となる新しい汎用レジンシリーズ、「Grey / Clear / White / Black V5」が正式に発表されました。

「たかがバージョンの数字が一つ上がっただけでしょ?」と思われるかもしれません。しかし、今回のアップデートは、単なる成分の微調整レベルではありません。10年以上にわたり3Dプリンター業界のスタンダードであり続けた汎用レジンが、Form 4という次世代ハードウェアのポテンシャルを100%引き出すために完全に再設計されたのです。

本記事では、メーカー発表のスペック情報に加え、私たち販売店が実機で検証して感じた「現場視点」を交えて、この新しい「V5レジン」の実力を徹底解説します。日本の製造現場における「試作のリードタイム」を劇的に変える可能性を秘めた、この新マテリアルの全貌をご覧ください。

1. 爆速造形と「グリーン強度」の向上

Form 4の最大の特徴は、独自の造形エンジンLFD(Low Force Display)による圧倒的な造形スピードです。しかし、ハードウェアだけが速くても、素材(レジン)がその速度についてこれなければ意味がありません。

今回登場した「V5」シリーズは、Form 4のLEDパネルによる強力な光量と、高速な積層プロセスに最適化されています。

従来の3〜4倍速い、驚異のスピード

Form 4のエコシステムとV5レジンを組み合わせることで、従来のForm 3世代(LFS方式)と比較して、3倍から4倍の造形速度を実現しています。
以下の表は、メーカー公開のベンチマークデータです。

比較項目 Form 4 (V5レジン) Form 3+ (V4レジン) 短縮効果
LEDライトバー&マウント 2時間49分 10時間35分 約73%短縮
一般的なプロトタイプ 1〜2時間 5〜8時間 約70%短縮

これまでの光造形(SLA)では、「夕方にセットして翌朝完成」というサイクルが一般的でした。しかし、V5レジンとForm 4の組み合わせなら、「午前中に設計し、昼休みに造形、午後には検証」というサイクルを1日に複数回回すことが可能です。

失敗を防ぐ「グリーン強度」の高さ

私たち技術担当が特に注目しているのが、「グリーン強度(Green Strength)」の向上です。グリーン強度とは、洗浄・二次硬化(ポストキュア)を行う前の、造形直後のモデルの強度のことを指します。

  • LFD方式の恩恵: 以前のLFS方式や他社のSLA方式に比べ、層間剥離やサポート材からの脱落といったリスクが格段に減りました。
  • 現場でのメリット: 造形失敗のリスクが激減したため、急ぎの試作でも安心して夜間稼働を任せられます。また、サポート材を取り外す際も、モデル本体を傷つけにくくなっています。

2. 射出成形に迫る「物性」と「美観」

「汎用レジンはあくまで形状確認用で、強度は期待できない」
そんな常識も、今回のV5レジンで過去のものになります。機械的特性(物性)が大幅に強化され、一部のエンドユース部品や機能評価にも耐えうるレベルに進化しました。

衝撃強度と靭性が大幅アップ

新しいV5レジンは、以前のバージョン(V4)と比較して、以下の点が強化されています。

  • 衝撃強度が最大30%向上: 落としても割れにくくなりました。
  • 破断伸びが2倍: 粘り強さが増し、パキッと折れる脆さが軽減されました。
物性項目 V5レジン (Form 4) V4レジン (Form 3+) メリット
最大引張強度 54 MPa 引っ張りに強くなり、変形しにくい
破断伸び 15% 7%前後 2倍の粘り強さ。スナップフィット確認に有利
衝撃強度 34 J/m 25 J/m前後 約30%向上。落下テスト等の信頼性UP

これにより、筐体の勘合確認(スナップフィット)や、治具としての利用など、これまではTough 2000Durable(デュラブル)といったエンジニアリングレジンを使っていた領域の一部を、コストパフォーマンスに優れた汎用レジンでカバーできるようになります。

各色の美観向上と用途

Formlabsの汎用レジンは4色展開ですが、それぞれの色味や質感も、より「最終製品」に近づけるよう改良されています。

  • グレーレジン V5 (Grey Resin V5)
    特徴: より色が濃く、マットな質感になりました。光の反射が抑えられ、積層痕が目立ちにくくなっています。
    推奨用途: 形状確認、微細なディテールの視認が必要なフィギュアやデザインモックアップ。
  • ブラックレジン V5 (Black Resin V5)
    特徴: 「漆黒」と呼ぶにふさわしい深みのある黒です。射出成形品のようなリッチな外観で、白化も目立ちにくくなっています。
    推奨用途: 電子機器の筐体、自動車部品の試作、外観モデル。
  • ホワイトレジン V5 (White Resin V5)
    特徴: 従来品の課題だった「黄ばみ」が抑えられ、鮮やかで明るい白を実現しました。
    推奨用途: 医療用模型、建築模型、清潔感が求められるパーツ。
  • クリアレジン V5 (Clear Resin V5)
    特徴: 透明度が飛躍的に向上しました。研磨することでアクリルに近いクリアな仕上がりになります。
    推奨用途: 流体デバイス、内部構造の可視化、照明カバーの試作。

3. 寸法精度へのこだわり

Form 4とV5レジンの組み合わせは、寸法精度の面でも優秀です。メーカー公称値では、XY寸法公差 ±0.15%を実現しています。

現場で実際に運用していると、複数のパーツを組み合わせるアセンブリにおいて、「入らない」「ガタつく」といったトラブルが減っているのを実感します。これは、LFD方式による均一な露光と、V5レジンの低収縮性が組み合わさった結果と言えるでしょう。設計通りの嵌合(かんごう)を一発で確認できることは、設計者にとって大きなストレス軽減になります。

【販売店の技術ノート】

ここからは、カタログスペックには載っていない、販売店ならではの技術的なポイントや運用上の注意点をお伝えします。

ここがポイント:LFD方式との相性

Form 4は、液晶パネル(LCD)技術を応用したLEDパネルを使用しています。この方式は、面で一気に露光するため高速ですが、その分レジンの「反応速度」が重要になります。

V5レジンは、この高速露光に追従できるよう化学組成が調整されています。旧バージョンのレジンをForm 4で使用する設定も一部存在しますが、Form 4の持つ「速度」と「精度」のバランスを最良にするなら、間違いなくV5レジン一択です。また、レジンタンク(レジンを入れるトレイ)の底面にあるリリーステクスチャとの剥離性も最適化されており、タンクの寿命を延ばすことにも寄与しています。

注意点・Tips:運用上のアドバイス

V5レジンを運用する上で、以下の点にご注意ください。

  • 粘度と気泡対策:
    反応速度が速いため、成分が均一であることが重要です。特にブラックレジン V5やホワイトレジン V5は顔料が沈殿しやすいため、ボトルをよく振ってからタンクへ充填してください。また、Form 4 ミキサーが動作するとはいえ、充填直後は気泡が入りやすいため、少し時間を置いてから造形を開始すると表面品質が安定します。
  • 二次硬化(ポストキュア)について:
    Formlabs公式記事では「二次硬化なしでも使用可能」と謳われていますが、私たち販売店の見解としては、「可能な限り二次硬化を行うこと」を強く推奨します。

■ ここがポイント

日本の夏場のような高温多湿な環境下では、未硬化成分が表面のベタつきとして残る場合があります。また、経年変化による変形を防ぎ、寸法を安定させるためには、完全に重合させることが不可欠です。特に機械的強度をカタログスペック通り(MAX)にしたい場合は、60℃・15分の条件でしっかりと硬化させてください。

実機検証・アクション案内

「カタログスペックは分かったけれど、実際の質感を見てみたい」「自社の3Dデータで、どれくらい速くなるのかベンチマークを取りたい」
そのようなご要望にお応えするため、弊社ではForm 4の実機を常設しております。

Form 4 V5レジン 造形サンプルと実機展示
Form 4とV5レジンによる造形サンプル
  • V5レジンを使ったサンプル造形品の展示: 各色の質感をお手にとってご確認いただけます。
  • お客様のデータを用いたベンチマークテスト造形: タイム計測と精度検証を実施します。
  • 実機見学・デモンストレーション: 実際の動作音や、ワークフローの簡易さを体験いただけます。

従来の光造形(SLA)との違いを、ぜひ皆様自身の目でお確かめください。

【コラム:ワークフロー最適化のヒント】

造形が速くなれば、「洗浄」がボトルネックになる?

Form 4とV5レジンの導入により、造形スピードは劇的に向上します。1日に3回も4回も造形を回せるようになると、現場ではある「新しい悩み」が発生します。

それは、「洗浄作業の負担増」と「ランニングコストの増加」です。

造形回数が増えれば、当然ながら洗浄する回数も増え、洗浄液(IPAなど)の劣化も早まります。「レジン代よりも、洗浄液の交換コストや廃棄の手間が気になる」という声も少なくありません。

そこで私たちが推奨しているのが、「洗浄液 3D Medsupo(スリーディーメドサポ)」とForm 4の組み合わせです。

なぜ「洗浄液 3D Medsupo」なのか?

  • 圧倒的なコストパフォーマンス: 造形量が増えても、純正IPAや高価な専用溶剤に比べてコストパフォーマンスに優れています。液交換のコストを気にせず、常にきれいな液でガンガン洗浄できます。
  • 安全性と洗浄力の両立: 有機則(有機溶剤中毒予防規則)に非該当でありながら、V5レジンのような高性能レジンの未硬化成分もしっかりと落としきります。特有の刺激臭も抑えられており、作業環境の改善にもつながります。

■ ここがポイント

「Form 4 + V5レジン」で最速のアウトプットを出しつつ、「洗浄液 3D Medsupo」で運用コストと手間を抑える。これが、私たちが提案する最強のワークフローです。

まとめ

今回のForm 4専用汎用レジン「V5」の登場は、3Dプリンター活用の幅を広げる大きな一歩です。

  • V5レジンはForm 4専用に最適化され、速度・強度・美観のすべてが向上した新基準レジンです。
  • 衝撃強度や靭性が増し、試作だけでなく治具や一部の実使用パーツにも対応可能になりました。
  • 生産性が上がる分、洗浄液 3D Medsupoなどを活用して後処理工程のコスト・効率も最適化することが成功の鍵です。

Form 4の実機デモのご予約、技術的なご質問、また洗浄液 3D Medsupoのサンプル相談は、以下のフォームよりお気軽にご連絡ください。皆様の「ものづくり」を加速させるお手伝いができることを楽しみにしております。

出典:Formlabsの新しい汎用樹脂は、3Dプリントをより速く、より強く、より手頃な価格にします

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i-MAKER 研究室 編集部

株式会社アイ・メーカーが運営する、ものづくり情報サイト「i-MAKER 研究室」の編集部。3Dプリンター・光造形・洗浄の現場に10年以上携わる経験をもとに、実機検証と取材を軸とした記事を制作しています。

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