Form3でプリントを開始する方法

Form3でプリントを開始する

さていよいよForm3のセットアップが終わりいよいよプリントに入ります。もうすでにForm3にレジンタンク、ビルドプラットフォーム、レジンカートリッジが装填され、水平調整も終わり、パソコンに専用ソフトウェアPreFormがインストールされていることを前提にご説明します。

PreFormを開く

まず初めに専用ソフトウェアPreFormを開きます。PreFormは、STLもしくはOBJ形式のデータを開きForm3でプリント設定を行うためのソフトウェアです。

※ここではプリントを開始するまでのガイダンスなため、ワンクリックプリントの使い方を紹介します。

細かいプリント方向の調整やサポート材の調整については別途PreFormの使い方で詳しくご紹介しますのでそちらをご参照ください。

PreFormを開く前にUSBケーブルもしくはWifiでパソコンとForm3が接続されていることをご確認ください。

Form3を選択する

PreFormを開くとまず初めにForm3の選択画面が登場します。ここでは使用するForm3のシリアルネームを選択してください。WiFiで複数のForm3が接続されている場合には使用する機種を選択します。

使用するForm3を選択するとPreFormの画面が開きます。

レジンの種類を選択する

使用するForm3を選択すると、そのプリンターの設定画面が出てきます。PreFormでは材料設定をForm3本体にセットされているレジンにします。

※注意点:同じ種類・カラーでもバージョンによって設定が異なる
このレジンの設定では、同じ種類・カラーでもバージョンによって違う樹脂として認識されます。

例えば、スタンダードレジンのブラックでもバージョン2は“ブラックV2”のように表記され、違うレジンとしてプリンターに判断されます。

これは、レジンカートリッジに搭載されているチップによってForm3本体が識別されているためです。基本的に、販売されている樹脂は、最新のバージョンですが、ソフトウェア上では選択できるようになっています。

積層ピッチを選択する

次に積層ピッチを選択します。積層ピッチは樹脂の種類によって選択できるサイズが異なります。基本的にはデフォルト設定のまま、もしくは0.1mmを使用します。材料別の積層ピッチは次の通りです。

  • スタンダードレジン:25ミクロン、50ミクロン、100ミクロン
  • ドラフトレジン:300ミクロン
  • タフ、デュラブル、Tough 1500、グレイプロ、ハイテンプ、リジッド、フレキシブル:50ミクロン、100ミクロン
  • エラスティック:100ミクロン
  • キャスタブルワックス:50ミクロン(25ミクロンはベータ版では使用できず)

3Dデータを開く

次に、PreFormで3Dデータを開き、3Dプリントを開始します。まず、PreFormでSTLファイルか、OBJファイルを開きます。

「ファイル」の「開く」をクリックし、プリントしたいファイルを選択します。

※注意点:データのファイル名
PreFormで3Dデータを開く際の注意点として、3Dデータのファイル名と、そのファイルが入っているフォルダ名は、必ず「半角英数字」にしてください。

例えば、

箱.stl ×
box.stl 〇

というようなファイル名です。

ファイル名とフォルダ名が半角英数字ではない場合、ファイルが開けない場合があります。

※注意点2:データが読み込まない場合
3Dデータに不備がある場合は、「データが壊れています」という表示がでて、1カ所穴が開いている場合などはリペアボタンで自動的に修復してくれます。

しかし、ファイル名が半角英数字でない場合、ひらがなで名前が付けられているデータの場合は、エラー表示が出るがデータが読み込まれません。データが読み込まれない場合は、まずフォルダ名を確認しましょう。

プリント設定を行う

次に、開いたファイルからプリントまでの設定を行います。

PreFormでは、プリントするデータ、プリント方向、サポートの付け方を設定することができます。

ただし、ここでは設定を自動で行ってくれる「ワンクリック・プリント」での方法でご紹介します。

左のバーの一番上のアイコンをクリックすると、プリント方向、サポートの付け方を自動で設定してくれます。

※ワンクリック・プリントが必ずしも正しいプリント設定ではありません。造形モデルの形状や用途に応じてサポートのつけ方などを自分で編集することもできます。詳しくはPreFormの使い方でご紹介します。

データをForm3へアップロードする

設定が問題なく、プリントに使用する素材と積層ピッチの設定を確認して問題なければ、左側のツールバーにあるオレンジ色のStart a print(プリントを開始)ボタンをクリックします。

注意:
アップロードしている間は、お使いの3Dプリンターの接続を切らないようにしてください。

※注意点
Form3に装着するレジンとレジンタンクをプリントジョブの内容に合わせます。Form3ではレジンの種類に応じてレーザーの当て方やレジンの温度を自動調節してくれる機能が備わっています。
そのため、PreFormのレジンの設定とForm3本体にセットされるレジンが同じ出なければ起動しないようになっています。

もしも選択したレジンがプリントジョブの内容に合っていない場合、Form3がそのことを伝えてくれます。Form3のタッチスクリーンに表示される指示に従って、プリンタに装着しているレジンタンクとカートリッジの種類が、FORMファイル内のプリント設定と一致していることを確認してください。

※注意点
レジンカートリッジは、約2週間に一度、よく振るようにしてください。そうすることで、中のレジンがよく混ざり、次回のプリントの品質を最大限に高めることができます。

※注意点:データがアップロードできない場合
Form3本体には、ソフトウェアPreFormから送信された3Dデータの履歴を保存する機能が備わっています。

Form3本体のハードディスクの容量がいっぱいになると、プリントデータを送信することが出来ません。

この場合、エラー表示などが出ません。3Dデータを送信して、プリントが開始されない場合は、Form3に保存された履歴データを削除しましょう。

Form3内部のデータを削除する

Form3のデータ容量は、プリンター本体のタッチパネルでQueue(キュー)をタップします。Queue(キュー)から、削除したいファイル名を選択します

Form3のタッチスクリーン上でプリントジョブを確認する

FORMファイルのアップロードが開始すると、Form3のHome画面に、アップロードの進行が表示されます。アップロードが完了するとスタートボタンを押し開始します。

アップロードが完了すると、そのプリントジョブのファイルをForm3のQueue(キュー)からいつでも選択できるようになります。

レジンの供給が開始する

3Dプリントが開始するとレジンの供給が開始します。レジンの供給は自動で行われ、プリントに必要な量を自動で調整し供給してくれます。

Form3の最大の特長の一つがこのレジンの自動供給機能で、Form3がプリント中のレジンの消費量をトラッキングし、少なくなったら自動的に充填してくれます。これにより手動で入れる手間を省き、材料切れやレジンの入れすぎによるあふれるなどの不具合を防いでくれます。

また自動で充電してくれるため、レジンの温度も常に一定に保つことを可能にします。

各レジンカートリッジの底には、長方形の2枚の銀色のチップが埋め込まれています。このIDチップには、カートリッジに入っているレジンの種類がプログラミングされており、Form3が種類を読み取ることで、カートリッジ内に残っているレジンの量、レジンの種類を計測し自動供給と過熱などを行うのです。

またプリント中に随時レジンタンクにレジンが補充されるとともに、その情報がIDチップに書き込まれ残量を計測してくれます。仮にレジンの残量がプリントジョブを完了させるのに十分ではない場合などは、あらかじめ不足することを告知してくれます。

レジンの供給は動力式の供給アームによってコントロールされており、レジンカートリッジの下部にあるバイトバルブを絞ります。タンクにレジンが十分補充されると、供給アームに付いているスプリングがアームをタンクから引き離し、それ以上レジンがタンクに供給されるのを防ぎます。

レジンの過熱と温度維持

レジンがタンクにたまると同時にレジンの過熱が開始します。光造形3Dプリンターの材料であるレジンはレジンの種類によって、3Dプリントに最適な温度が決まっています。Form3は使用しているレジンの種類をセンサーで検知し、自動で造形に必要な温度まで加熱します。

レジンの過熱はForm3の内部であたためられた空気が、通気口からレジンタンクに向かって温風を吹き付けて温めます。ヒーターのダクトに設置されている温度センサーが空気の温度を検知します。

Form3の予熱時間

プリントをスタートすると、Form3のタッチパネルにはPreparing to Print(プリントの準備中)と表示され、レジンの予熱が開始します。予熱時間は長くて15分ほどかかります。その間はForm3のカバーは閉じたままにしておいてください。

予熱が完了するとプリント開始

Form3のレジンの温度はレジンの種類ごとによって異なりますが約30℃~35℃前後でプリントが開始します。

プリントが開始する

レジンの補充と過熱が完了するとPreparing to Print(プリントの準備中)が終了しプリントが開始します。タッチパネルには造形時間の残りを示す円グラフが表示されます。

またビルドプラットフォームがレジンタンクまで下りてきてミキサーがプラットフォームすれすれで動きレジンを塗りプリントが開始します。