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Formlabs製品ガイド

Form 4の成功率99%は本当か?第三者機関テストの結果と失敗しない理由

i-MAKER 研究室 編集部 | 公開 2025.11.26 更新 2026.04.15 読了 約10分

Form 4の成功率99%は本当か?第三者機関テストの結果と失敗しない理由

日々、多くのお客様から3Dプリンター導入のご相談をいただきますが、皆様が最も気にされるポイントの一つが「信頼性」です。

「カタログスペックは速いけれど、本当に毎回成功するのか?」
「大事な納期の朝に、造形が失敗していて青ざめるようなことはないか?」

光造形(SLA)方式の3Dプリンターを運用されたことがある方なら、一度はこうしたトラブル(失敗)に悩まされた経験があるのではないでしょうか。造形の失敗は、単なるレジンの無駄だけではありません。再出力にかかる時間、スケジュールの遅延、そして何より「また失敗するかもしれない」という担当者様の精神的なストレスこそが、見えない大きなコストとなります。

そんな中、Formlabsから非常に興味深いデータが発表されました。第三者機関による厳格なテストの結果、最新機種「Form 4」が98.7%という驚異的なプリント成功率を記録したというのです。

今回は、このテスト結果が現場にとって何を意味するのか、そして「なぜForm 4は失敗しないのか」を、販売店の技術的な視点から詳しく解説します。

99%の成功率が意味するもの:テストデータの深掘り

まずは、今回Formlabsが公開した検証データの中身を見ていきましょう。これはメーカーが自社で都合よく行ったテストではなく、製品試験の分野で世界的に実績のある独立機関によって実施されたものです。

テストの条件と「標準作業手順(SOP)」

信頼性を数値化するために、以下の非常に厳格な条件でテストが行われました。

  • 対象機種: Formlabs Form 4、Form 3+(従来のLFS方式)、および他社製の低価格帯3Dプリンター2機種(ベンチマークA、B)。
  • テスト回数: 各メーカー5台ずつのプリンターを用意し、15種類の異なる形状のモデルを各3回ずつ、合計225回プリントを実施。
  • 使用モデル: エンジニアリング、医療、歯科など多岐にわたる用途を想定し、サポート材が必要な複雑な形状を選定。
  • 環境: 全てメーカー推奨の標準設定(積層ピッチ100μm)を使用し、人的ミスを排除した標準作業手順(SOP)を適用。
Form 4 信頼性テストで使用された15種類の3Dモデル一覧
テストに使用された多種多様な形状のモデル(Formlabs公式資料より)

結果:他社機との決定的な差

テストの結果は、Form 4の圧倒的な安定性を示すものでした。以下の表をご覧ください。

項目 Form 4 Form 3+ ベンチマークA(他社機) ベンチマークB(他社機)
プリント成功率 98.7% 98.7% 86.2% 74.7%
失敗率 1.3% 1.3% 13.8% 25.3%
主な失敗要因 まれな欠損 まれな欠損 固着不足、剥離、亀裂 固着不足、剥離、液晶不具合

特筆すべきは、比較対象となったベンチマーク機(一般的に安価なMSLA機)の失敗率です。ベンチマークBでは4回に1回以上の割合(25.3%)で失敗しています。これに対し、Form 4の失敗率はわずか1.3%。これは、Form 4の信頼性が低価格機の10〜20倍に達することを示しています。

ベンチマーク機で多発した失敗理由は、「ビルドプラットフォームへの固着不足(モデルが脱落する)」や「層間剥離(積層面が割れる)」でした。これらは光造形方式において最も頻発するトラブルですが、Form 4ではこれらがほぼ完全に抑制されていることがわかります。

現場での活用イメージ

この「99%成功する」という事実は、実際の運用フローを劇的に変えます。

■ 「夜間・週末」を完全な生産時間に

失敗率が高いプリンターでは、金曜日の夜に長時間の造形をスタートさせるのは勇気がいります。しかしForm 4なら、「月曜の朝には確実に完成している」という前提でスケジュールを組むことができます。

■ 設計業務への集中

造形パラメータを微調整したり、失敗したタンクを掃除したり、サポート材を付け直して再トライしたり……そういった「プリンターの機嫌を取る時間」がなくなります。空いた時間を、本来の付加価値である設計やデザイン業務に充てられるのです。

【技術ノート】なぜForm 4は失敗しないのか?

販売店として数多くの3Dプリンターを扱ってきた私たちから見ても、Form 4は「初期ロットから完成度が異常に高い」と感じています。通常、新型機は発売直後に細かなトラブルが出がちですが、Form 4は発売から5年かけて熟成されたForm 3+と同等のスコアを叩き出しています。

なぜ、これほどまでに安定しているのでしょうか? 技術的なポイントは主に2つあります。

1. 新方式「LFD」とリリーステクスチャの恩恵

Form 4から採用された新造形方式「LFD(Low Force Display)」が最大の功労者です。

従来の光造形(SLA)や多くのMSLA機では、造形した層をレジンタンク(レジンを入れるトレイ)の底面から引き剥がす際に、大きな物理的負荷(剥離力)がかかります。これが層間剥離やモデルの脱落を引き起こす主原因でした。

Form 4では、以下の機構によりこの剥離力を極限まで低減しています。

  • リリーステクスチャ: Form 4 レジンタンクのフィルム底面に施された微細なテクスチャ加工により、空気の流れを作り出し、吸盤のように張り付くのを防ぎます。
  • 柔軟な二層フィルム: タンク底面を柔軟にすることで、強い力が一点にかかるのを防ぎ、優しく剥離します。

これにより、細く折れやすいサポート材でもしっかりとモデルを支え続けることが可能になりました。

Form 4 LFD方式のリリーステクスチャと剥離力の仕組み図解
LFD方式による低剥離力が高い成功率の鍵

2. インテリジェントコントロールシステムによる常時監視

Form 4には、庫内カメラ、レジン残量センサー、ロードセル(力覚センサー)など、多数のセンサーからなる「インテリジェントコントロールシステム」が搭載されています。

  • 造形前のチェック: レジンタンクが正しく装着されているか、レジン残量は十分か。
  • 造形中の監視: 異物が混入していないか、剥離力が正常範囲か。

これらを常時監視し、問題があれば造形を一時停止してユーザーに知らせてくれます。「レジン切れで空運転していた」「異物を挟んで液晶が割れた」といった、ありがちな事故を未然に防ぐ仕組みがハードウェアレベルで組み込まれているのです。

【プロの補足】「現場成功率94%」の真実と対策

記事の中で、メーカーは正直に「ラボ環境外(実際のユーザー環境)での成功率は94%程度」とも述べています。「残りの約5%」で何が起きているのか? 私たち販売店のサポート実績から補足しますと、主な原因は以下の3点に集約されます。

  • サポート材の設定不足: オート設定を過信しすぎて、モデルの最も重い部分を支える「タッチポイント(接触点)」が小さすぎるケースです。
  • メンテナンス不足: LEDパネルの上にある保護ガラスや、レジンタンクの裏側が汚れていると、光が遮られて造形不良になります。
  • 冬場の温度管理: Form 4は強力なヒーターを内蔵していますが、室温が極端に低い(10℃以下など)環境では、レジンの粘度が高くなりすぎ、気泡を噛んだり供給が追いつかなくなったりします。

■ 対策のTips

  • Formlabs専用ソフトウェア PreFormの活用: PreFormの自動生成は優秀ですが、必ずスライス画面を確認し、空中に浮いているパーツ(アイランド)がないかチェックしてください。
  • 温度管理: 安定運用のため、室温は20℃以上を保つことを推奨します。
  • 光学系の清掃: 造形失敗時は、まずタンク裏とガラス面を専用クロスで拭いてみてください。これだけで直ることが多々あります。

実機検証・アクション案内

「データ上の数値はわかったけれど、自分の作りたいデータで本当にうまくいくのか?」そうお考えの方も多いかと思います。

弊社では、導入前の不安を解消するために、実機を用いた検証サービスを行っています。カタログスペックだけでは見えない「実際の挙動」をぜひご確認ください。

Form 4で実際に出力された造形サンプルパーツ
弊社ショールームでの出力サンプル。微細な形状も忠実に再現。

弊社で可能な対応アクション:

  • 実機見学・デモ: 弊社のショールームにて、Form 4の実機をご覧いただけます。爆速と言われる造形スピードや、動作音の静かさを体感してください。
  • ベンチマークテストプリント: お客様の3Dデータをお預かりし、実際にForm 4で造形を行います。「この微細な形状が再現できるか」「本当に〇〇分で終わるのか」を検証レポートと共にお返しします。
  • 無料サンプル申し込み: Form 4で出力した高精度なサンプルパーツをお送りします。表面の仕上がりや寸法精度をお手元でご確認ください。

【コラム】「造形が速すぎて洗浄が追いつかない」問題を解決する

Form 4を導入されたお客様から、嬉しい悲鳴としてよく聞くのが「造形が速すぎて、後処理(洗浄・二次硬化)が追いつかない」というお悩みです。

成功率が高く、かつ造形スピードも速いForm 4では、1日あたりの生産個数が劇的に増えます。その結果、新たなボトルネックとなりがちなのが「洗浄工程」と「ランニングコスト」です。

純正の「IPA(イソプロピルアルコール)」による洗浄は洗浄力が高く素晴らしいのですが、大量生産を行う場合、揮発による減少や、頻繁な液交換の手間、消防法上の保管制限などが課題になることがあります。

そこで、コストパフォーマンスに優れた運用を目指す方へ、私たちは洗浄液 3D Medsupo(スリーディーメドサポ)のご提案をしています。

IPAと洗浄液 3D Medsupoの比較

特徴 IPA(イソプロピルアルコール) 洗浄液 3D Medsupo
洗浄力 非常に高い 高い(リンス洗浄推奨)
乾燥性 非常に速い(揮発性が高い) 乾燥しにくい(エアブロー等が必要)
臭気 特有のアルコール臭 マイルドな低臭気
ランニングコスト 揮発によるロスが多い 揮発が少なく長持ち(高コスパ)
法規制 消防法・有機則 該当 有機則 非該当(管理が容易)

■ ここが活用のヒント

Form 4で大量のパーツを連続造形する場合、揮発しにくい「洗浄液 3D Medsupo」をメインの洗浄槽に使用することで、液交換の頻度を下げ、ランニングコストを大幅に抑えることが可能です。「とにかく手間なく、コストを抑えてForm 4をフル稼働させたい」という方は、ぜひ純正品と合わせて検討してみてください。

まとめ:信頼性こそが最強の時短ツール

今回の記事の要点をまとめます。

  • 圧倒的な信頼性: Form 4は第三者機関のテストで成功率98.7%を達成し、低価格機の10倍以上の安定性を実証しました。
  • LFD方式の勝利: 独自のリリーステクスチャによる「低い剥離力」が、光造形特有のトラブル(層間剥離・脱落)を劇的に低減させています。
  • 全体最適の視点: 成功率が高いからこそ、造形後の洗浄工程も含めたワークフローの最適化(洗浄液 3D Medsupoの活用など)が、生産性を最大化する鍵となります。

3Dプリンター選びにおいて、本体価格やレジンコストに目が向きがちですが、「失敗しないこと」こそが最大のコストダウンであり、時間の短縮になります。Form 4は、まさにその「安心」を買うことができるプリンターだと言えるでしょう。

「自社のデータでForm 4の実力を試してみたい」「洗浄液 3D Medsupoも含めた、最適なランニングコストの試算が欲しい」そのようなご要望がございましたら、ぜひお気軽に弊社までお問い合わせください。技術スタッフが親身になって、貴社の運用にベストな構成をご提案させていただきます。

出典:Form 4、第三者機関によるテストで99%のプリント成功率を達成

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i-MAKER 研究室 編集部

株式会社アイ・メーカーが運営する、ものづくり情報サイト「i-MAKER 研究室」の編集部。3Dプリンター・光造形・洗浄の現場に10年以上携わる経験をもとに、実機検証と取材を軸とした記事を制作しています。

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