【Form 4】スクレーパー不要!Flex Build Platformで造形品外しを0秒に

【Form 4】スクレーパー不要!Flex Build Platformで造形品外しを0秒に
こんにちは、技術担当です。Form 4 を導入されたお客様から、よくこのようなご相談をいただきます。
「造形物をビルドプラットフォームから外す際、スクレーパーが滑って手や造形物を傷つけてしまった」
「ラフトが強固すぎて、外す作業だけで5分以上かかっている」
従来の3Dプリントにおいて、取り外し作業は最もストレスのかかる工程の一つでした。しかし、Form 4 Flex Build Platform(フレックスビルドプラットフォーム)を正しく運用すれば、これらの課題はすべて過去のものになります。
本記事では、単に「曲げて外す」だけでなく、失敗を防ぐためのデータ作成のコツから、弊社技術部が推奨する洗浄液 3D Medsupo(スリーディーメドサポ)を組み合わせた「最短・安全ワークフロー」を、ステップ・バイ・ステップで解説します。
【準備編】Flex Build Platformの基本構造
まずは、このツールがなぜ「時短」に直結するのか、その仕組みを理解しておきましょう。
- 構造: 「プラットフォーム本体」と、磁石で吸着する「ステンレス製プリント面(シート)」の2層構造になっています。
- 原理: 両サイドのタブ(取っ手)を押し込むことでシートがたわみ、硬化したレジンが「パキッ」と剥がれる仕組みです。
スクレーパーで削り取る作業が不要になるため、造形サイクルタイムを大幅に圧縮できます。特に生産数を追う現場では、この数分の短縮が1日単位で大きな差を生みます。
【実践編】プロが教える設定・運用ワークフロー
ここからは、実際にPreFormでのデータ作成から取り外しまでを、4つのステップで解説します。
Step 1: 造形配置の鉄則(向きと整列)
Flex Build Platform の性能を100%引き出すには、Formlabs専用ソフトウェア PreForm での配置が成功の8割を決めます。
最も重要なのは、「モデルの長辺」を「プラットフォームが曲がる軸(短い辺)」に対して垂直に配置することです。 平行に配置してしまうと、シートを曲げてもモデル自体が補強材のようになってしまい、剥離力がうまく伝わりません。
具体的な操作手順:
- PreFormを開き、モデルをインポートします。
- 「方向」ツールを選択し、モデルの長い辺が、プラットフォームの手前(取っ手側)から奥に向かうように回転させます。
Step 2: 小物は「ラフト」で連結させる
3cm以下の小さなパーツは、個別に配置すると底面積が小さすぎて、シートを曲げても剥がれ落ちない(シートにくっついたままになる)ことがあります。 これを防ぐために、あえてラフト(土台)同士を結合させ、底面積を広げる設定を行います。
設定手順:
- PreFormの「レイアウト」アイコンをクリックします。
- 設定項目の中にある「ラフトを重ねる(Overlap Rafts)」のチェックボックスをクリックして有効にします。
- 「すべてをレイアウト」ボタンを押し、パーツ同士のラフトが重なるように自動配置させます。
Step 3: 洗浄液 3D Medsupo でのメンテナンス(頻度別)
効率的な運用のために、洗浄方法は「日常」と「メンテナンス時」で使い分けます。
A. 同じレジンで連続造形する場合(日常)
毎回プラットフォームを丸洗いする必要はありません。かえって乾燥の手間が増えてしまいます。
- 拭き取りのみ: 洗浄液 3D Medsupo を浸したキッチンペーパーやウエスで、ビルドプラットフォーム表面をさっと拭き取る程度で十分です。
- 破片確認: 次のプリントを始める前に、造形面に硬化したレジンの破片が残っていないか必ず目視確認してください。
B. レジン交換・長期保管の場合
使用するレジンの種類を変える場合や、数週間使用しない場合にのみ、全体的な洗浄を行います。
- 分解洗浄: フレックスビルドプラットフォームからステンレスの造形面を取り外します。
- 浸漬洗浄: 取り外した造形面とビルドプラットフォーム本体を、洗浄液に浸して洗浄します。
Step 4: 安全な「取り外し」アクション
メンテナンスが終わったら、いよいよ取り外しです。パーツの大きさによって最適な外し方が異なります。
A. 大型パーツの場合
プラットフォームを専用の治具(ジブ)や作業台に立てて固定し、親指で手前のタブをゆっくりと押し込みます。 「パキッ」という音と共に、モデルが浮き上がります。

B. 小型・多数パーツの場合
ここが最重要ポイントです。小さなパーツは弾け飛ぶ可能性があります。
- プラットフォームを作業台に横向きに置きます。
- 造形物の上にペーパータオルをふわりと被せます。
- タオルの上からタブを押し込みます。これでパーツが飛び散らず、安全に回収できます。

【技術パート】失敗しないためのプロのコツ
運用において注意すべき点と、トラブルを未然に防ぐポイントをまとめました。
1. 非対応レジンの確認
すべてのレジンが Flex Build Platform に対応しているわけではありません。柔軟性のある素材は、シートと一緒に曲がってしまうため使用できません。
Flex Build Platform 非対応レジン一覧
| レジンカテゴリ | 具体的なレジン名 | 理由 |
|---|---|---|
| 柔軟性 | Flexible 80A / Elastic 50A | 素材が柔らかく、曲げても剥離しないため |
| 高強度・耐久 | Durable(デュラブル) | 衝撃吸収性が高く、変形に追従してしまうため |
※これらのレジンを使用する場合は、標準の Form 4 ビルドプラットフォーム をご使用ください。
2. プロの運用ポイント:シート裏の清掃
「Form 4 が急に異物検知エラー(Error 1.7.2等)を出すようになった」という相談の多くは、ステンレスシート裏面の汚れが原因です。
プリント面(ステンレスシート)とプラットフォーム本体の間に液体のレジンが入り込むと、その厚みをセンサーが「異物」として検知してしまいます。
■ ここがポイント
対策: 造形ごとにシートの裏面を確認し、レジンが付着していれば洗浄液 3D Medsupoを含ませた布できれいに拭き取ってください。これだけでエラーによる停止を劇的に減らせます。
【応用編】さらなる効率化へ
私たちの検証では、以下の3つを組み合わせたワークフローが、現在もっとも生産性が高い「ベストプラクティス」であると結論付けています。
- Form 4: 圧倒的な造形スピードで待ち時間を短縮。
- Flex Build Platform: 取り外し作業を「0秒」にし、スクレーパーによる怪我も防止。
- 洗浄液 3D Medsupo: 強力な洗浄力でリンス工程を不要にし、乾燥時間も短縮。
これらは単なるオプション品ではなく、高効率な生産ラインを構築するための「標準装備」として導入することをお勧めします。
まとめ
本日の作業で押さえておきたいチェックリストです。
- [ ] PreFormで、モデルの長辺を「プラットフォームの短い辺(曲げ軸)」に対して垂直に配置しましたか?
- [ ] 3cm以下の小物は「ラフトを重ねる」設定を行いましたか?
- [ ] 造形スタート前に、シートの裏面にレジンが残っていないか確認しましたか?
「自社のデータで本当にきれいに外れるか試したい」「3D Medsupo の洗浄力を実感したい」という方は、ぜひ弊社の実機検証サービスをご利用ください。お客様のデータを用いた最適な設定をご案内いたします。
出典:Printing with the Form 4 Flex Build Platform

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