Form 4 / 4L レジン供給エラー解消!液面センサー校正手順【写真解説】

Form 4 / 4L レジン供給エラー解消!液面センサー校正手順【写真解説】
Form 4シリーズを運用している中で、以下のようなトラブルに遭遇したことはありませんか?
- 「エラー 1.9.13(レジン不足)」が表示されるが、タンクには十分なレジンが入っている。
- オートフィル(自動供給)が作動せず、手動で注ぐ手間が発生している。
- 逆に、レジンが過剰に供給されて溢れそうになった。
これらの現象の多くは、Form 4世代に搭載されている高性能液面検知システム「LevelSense」の認識ズレが原因です。設置環境の微細な振動や経年変化により、センサーの「距離感」が狂ってしまうことがあるのです。
この記事では、弊社が現場で実施しているLevelSenseのキャリブレーション(校正)手順を、写真付きで具体的に解説します。所要時間はわずか数分。この作業を行うだけで、エラーの頻発を防ぎ、Form 4本来の安定稼働を取り戻すことができます。
準備編:作業前に理解しておくべき基本
まずは、LevelSenseの仕組みと、作業に必要なものを確認します。
LevelSense(レベルセンス)とは
Form 4LおよびForm 4のForm 4 レジンタンク「左奥上部」に配置されているセンサーです。レジン液面までの距離を常に計測し、インテリジェントコントロールシステムを通じて供給量を制御しています。
必要な機材リスト
この作業には、センサーに基準値を認識させるための「ターゲット」が必要です。
- Form 4 / Form 4L 本体
- 表面が平らなプラスチックカード
- 〇 推奨: 社員証、入館証(アクセスカード)、ポイントカード(文字が印刷のみのもの)
- × 不可: クレジットカード(番号がエンボス加工で凸凹しているものはNG)
■ ここがポイント
注意: センサー周辺に触れるため、カードにレジンが付着する可能性があります。汚れても拭き取れる、または廃棄しても良いカードをご用意ください。
実践編:プロが教えるステップ・バイ・ステップ
それでは、実際の校正手順に入ります。タッチパネルの案内に従うシンプルな作業ですが、「カードを当てる位置」だけは機種ごとに厳密な決まりがあります。ここを間違えるとエラーが解消されないため、慎重に進めてください。
Step 1: 機内のクリアランス確保(消耗品の取り外し)
正確な距離を測定するため、センサーの視界を遮るものをすべて取り除きます。
- プリンターのカバーを開けます。
- 装着されているForm 4 ビルドプラットフォーム、レジンタンク、レジンカートリッジをすべて取り外します。
- 機内が完全に「空」の状態であることを確認してください。
Step 2: メンテナンスメニューへのアクセス
プリンター本体のタッチスクリーンを操作して、校正モードを起動します。
- ホーム画面から「設定」をタップします。
- 「ツール」>「較正」>「レジンレベルセンサー」と進みます。
- 「レジンレベルセンサー」を選択し、「開始」をタップします。
Step 3: センサー位置へのカード設置(★最重要)
ここが最大のポイントです。お使いの機種(Form 4 または Form 4L)に合わせて、用意したプラスチックカードを所定の位置にセットします。
Form 4(標準サイズ)の場合
- カバーを開けた状態で、機内奥のカメラ周辺を確認してください。
- カメラの下にある切り欠き(窪み)を見つけます。
- カードの長い辺を、その切り欠きの左側に合わせます。
Form 4L(大型サイズ)の場合
Form 4Lはセンサー位置が異なります。
- LPU(ライトプロセッシングユニット)のハウジングを確認します。
- カードの長い辺を、LPUハウジングの左端に合わせて配置します。
※カードの短い辺がLPUの後端とわずかに重なっても問題ありません。
Step 4: 測定実行と完了
カードを正しい位置に保持したまま、測定を実行します。
- カードを動かさないように注意しながら、タッチパネルの「次へ」をタップします。
- 確認画面が表示されたら、「調整(Calibrate)」をタップします。
- プログレスバーが表示され、測定が始まります。
■ 重要
測定中の数秒間は、絶対にプリンターを揺らしたり、カードを持つ手がブレたりしないようにしてください。
「キャリブレーション成功」と表示されたら完了です。「閉じる」をタップし、カードを取り出してください。
技術パート:失敗しないためのプロの「コツ」
手順通りに行ったはずなのにエラーが消えない場合、以下のポイントを見落としている可能性があります。
| 失敗の原因 | 対策・解説 |
|---|---|
| カードの凹凸 | クレジットカードのエンボス(凸凹)がセンサー光を乱反射させ、距離測定を狂わせます。必ず平滑なカードを使用してください。 |
| センサーの汚れ | センサー部分(タンク設置エリアの左奥上部)にレジンの飛沫が付着していると、正しく校正できません。目視で確認し、汚れている場合はIPAを含ませたキムワイプ等で優しく拭き取ってください。 |
| 手ブレ | 測定ボタンを押す瞬間にカード位置がズレてしまうことがあります。カードはしっかりと筐体に押し当てて固定してください。 |
プロの運用アドバイス
センサーエラーを防ぎ、長く安定して使うための秘訣は「機内の清潔保持」に尽きます。
造形後、ビルドプラットフォームから造形物を取り外す際や、タンクを移動する際にレジンが機内に垂れることが、センサー汚れの最大の原因です。 弊社では、造形後のツールや周辺機器の清掃に洗浄液 3D Medsupo(スリーディーメドサポ)を徹底して使用しています。これにより、ベタつきを残さず機内への二次汚染(液垂れ)を未然に防いでいます。
応用編:さらなる効率化へ
センサーの再校正でハードウェアの状態が正常に戻ったら、Form 4シリーズが持つ本来のパフォーマンス、「超高速造形」を最大限に引き出しましょう。
「エラーで止まらない量産ライン」を構築するためには、ハードウェアのメンテナンスに加え、前後のワークフローも最適化する必要があります。
- 事前の最適化: Formlabs専用ソフトウェア PreFormを活用し、サポート材の付け方や配置を最適化することで、失敗リスクを最小限に抑えます。
- 事後の最適化: 高速で出力される造形物を滞留させないためには、洗浄工程の効率化が必須です。コストパフォーマンスと洗浄力に優れた洗浄液 3D Medsupoを組み合わせることで、ランニングコストを抑えつつ、高品質な仕上がりを維持できます。
この「Form 4 × PreForm × 洗浄液 3D Medsupo」の組み合わせこそが、私たちが推奨する最も効率的な運用パッケージです。
まとめ
本日の作業のチェックリストです。
- レジン供給エラー(1.9.xx)が出たら、まずはLevelSenseのズレを疑う。
- 校正には「エンボスのない平らなカード」を使用する。
- Form 4とForm 4Lでは、カードを当てる基準位置が異なるので注意する。
技術相談・サンプル請求について
「手順通りに校正してもエラーが消えない」「センサー自体が故障しているかもしれない」といったご不安がある場合は、私たち販売店までお気軽にご相談ください。実機での検証経験が豊富なスタッフがサポートいたします。
また、記事内でご紹介した洗浄液 3D Medsupoのサンプル請求や、Form 4の実機デモンストレーションも随時受け付けております。現状の運用課題解決の一助として、ぜひご活用ください。
出典:Calibrating the resin level sensor (Form 4 and Form 4L generation)

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