Form 4L
大型と超高速を両立

高まる大型3Dプリントのニーズと高速化
Form4開発の背景とは
3Dプリントの技術の進化は年々目覚ましく、低価格化が進んでいますが、二つの大きな課題が存在します。それが「大型造形」と「高速化」です。3Dプリンターは物体を化学変化させながら形にしていくことから、素材ごとに最適な造形条件が決められており、造形物が大きくなればなるほど、素材を安定させるための技術力が求められます。そのため、造形サイズの大型化は、3Dプリンター開発の一つの課題として大きく存在します。また近年もう一つの課題である高速化の実現は目覚ましく、光造形でもFDM方式でも高速造形が実現しつつあります。しかし、その二つを両立した機種というものはあまりなく、特にさまざまな材料で大型造形と高速造形を両立した機種は数千万円クラスの3Dプリンター以外では存在しません。今回登場したForm 4Lは、そんな二つの課題を克服した未来の3Dプリンターともいえる存在です。

中型から大型サイズの内製化ニーズ
製品開発におけるプロトタイピングニーズにおいて、「大きなサイズ」の造形が求められるケースが増えています。従来の小型プリンターでは、こうしたサイズの造形が難しいため、パーツを分割するか他の加工技術で作るのが一般的でした。しかし、その場合には手間がかかったり、時間やコストがかかります。Form 4Lはそんな大型造形の内製化にこたえる革新的な3Dプリンターです。

パーツの小ロット量産のニーズ
また、最終製品の少量生産にも対応する3Dプリンターのニーズも増加しています。従来の製造方法では、金型を作成するにはコストがかかり、小ロット生産には不向きです。3Dプリント技術を活用すれば、金型を使わずに必要な数だけを製作できるため、特にカスタムパーツや試作品の量産には理想的です。Form 4Lは、このようなニーズに応えるべく登場した、大型かつ高性能な3Dプリンターです。
Form 4Lの登場
Form 4Lは、従来の光造形(SLA)3Dプリンターの限界を超え、これまで対応できなかった大型パーツの製作や短時間での量産を可能にする革新的なモデルです。Form4同様、LFDテクノロジーを採用。ディスプレイパネルによる一括のレーザー照射によって、大型造形と高速造形を両立する3Dプリンターです。

Form 4Lの基本的な特徴とスペック紹介 最大造形サイズ、造形速度、対応素材
Form 4Lの最大造形サイズは、353 × 196 × 350 mmと非常に大きく、これまでのSLAプリンターで困難だった大型パーツの製作が可能です。また、造形速度も非常に速く、専用のFast Modelレジンを使用することで1時間あたり80mmの速度で造形できます。さらに、幅広い素材に対応しており、エンジニアリング向けの高強度レジンから柔軟なものまで、用途に合わせた素材を選べます。
従来の光造形3Dプリンターと
比較した際のForm 4Lの優位性
Form 4Lは、これまでの光造形3Dプリンターと比べても多くの優れた点があります。例えば、造形サイズが大きいため、複数の小型パーツを一度に製作することも可能です。また、短時間で大型パーツを作成できるため、製品の開発サイクルが劇的に向上します。さらに、Form 4Lの高精細なピクセルサイズ(46µm)とアンチエイリアス機能により、細部まで美しい仕上がりを実現できるのも強みです。


「大型」と「超高速」の実現によるメリット(製造時間の短縮や多様な用途への対応)
Form 4Lが提供する最大のメリットは、大型のモデルでも6時間以内でプリントを完了できる点です。これにより、試作品の迅速な製作が可能になり、製品開発のスピードが格段に向上します。また、大型パーツを必要とする製造現場では、Form 4Lによる内製化が実現し、コスト削減や品質管理の面でも大きな効果をもたらします。このように、「大型」と「高速」を兼ね備えたForm 4Lは、さまざまな業界での利用価値が高い製品です。
Form4のテクノロジー:
高速かつ高精度な造形を可能にする技術

高速造形を実現するための技術的な詳細
Form 4Lが高速造形を可能にするためには、光造形技術の最適化が欠かせません。SLA技術では、液体樹脂にレーザー光を当てて硬化させることで、レイヤーごとに積層していきます。Form 4Lは、独自の光学システムと改良された光学エンジンであるLFD方式によって、紫外線の照射を面で行うように最適化されています。これにより樹脂の硬化速度を大幅に向上させました。また、レジンの高速撹拌機能も搭載されているため、常に均一な樹脂が供給され、安定した造形が行えます。
造形例:Fast Modelレジンの活用で80mm/時の造形速度
このLFD方式の特性によって、Form 4L専用の「Fast Modelレジン」を使用することで、1時間あたり最大80mmの造形速度を実現できます。これは、一般的な3Dプリンターの速度をはるかに上回り、大型モデルであっても数時間以内に完成させることが可能です。例えば、スクーターカバーのような比較的大きな部品でも、最短で2時間以内に完成します。これにより、試作品の製作時間を大幅に短縮できるため、製品開発のスピードが飛躍的に向上します。


高解像度での造形精度を支える46µmのピクセルサイズとアンチエイリアス機能
Form 4Lの光学システムは、46µmという非常に細かいピクセルサイズを実現し、高精細な造形を可能にしています。また、アンチエイリアス機能を搭載しているため、エッジ部分も滑らかに再現できます。これにより、細部のディテールまで美しく造形できるので、精密さが求められる部品の製作にも最適です。例えば、医療用モデルやフィット感が重要な機械部品など、精密な寸法が求められる用途で威力を発揮します。
耐久性と信頼性を高める新しいレジンタンクと光学ユニットについて
Form 4Lには、従来よりも耐久性と信頼性を向上させたレジンタンクと光学ユニットが搭載されています。レジンタンクの耐久性は、75,000層以上の使用に耐え、頻繁な交換が不要です。従来のForm3や3Lのレジンタンクではレジンに触れている状態で劣化が進みましたが、Form4Lでは純粋に積層回数のみで耐久性が決まります。このような高耐久の設計により、メンテナンスの負担が軽減され、長期間にわたって安定した造形が続けられます。

大型パーツ造形のニーズとForm 4Lの活用例
Form 4Lは、多様な業界での大型パーツ造形に対応できるよう設計されています。以下で、特に活用が期待される分野と具体的な用途についてご紹介します。
エンジニアリングや製造業、自動車業界での活用シナリオ

製造業や自動車業界では、プロトタイピングや治具の製作に3Dプリント技術が活用されています。特に、自動車のフィット感や機械部品の適合性を確認するための大きなモデルは、Form 4Lで短期間に内製化することが可能です。これにより、外注コストを削減し、試作を迅速に行うことができます。また、エンジニアリング分野では、設備のメンテナンス用に必要な特注部品の製作にも有効です。
医療分野や航空宇宙産業での応用例(例:治具やプロトタイピング、解剖モデル)

医療分野では、解剖モデルや医療器具のプロトタイプを製作する際に、Form 4Lが役立ちます。解剖モデルは、高精細な造形が求められ、微細なディテールまで再現できるForm 4Lは理想的な選択肢です。また、航空宇宙産業では、軽量な構造部品のプロトタイピングや製造治具の製作に活用されており、Form 4Lの大容量と高精度が求められます。
具体的な造形事例(ラップトップ筐体やスクーターカバーなど)の
造形時間比較と評価

具体例として、Fast Modelレジンを使用すると、ラップトップ筐体は約3時間、スクーターカバーは約1時間半で完成するため、試作品をスピーディーに製作し、テストや評価のサイクルを迅速化できます。
Form 4Lに対応する材料とオプション機器
Form 4Lは、多種多様なレジン(樹脂)に対応しており、各業界のニーズに応じた特性を持つ材料が使用可能です。また、造形後の洗浄や大量生産の効率化をサポートするオプション機器も充実しており、全体的な生産効率を向上させる設計が施されています。
対応材料の詳細と、業界で求められる特性を備えた各種レジン

Form 4Lは、さまざまな用途に応じたレジンが使用でき、各業界の要求に応える特性を備えています。例えば、以下のような種類が利用可能です:

スタンダードレジン:
一般的な用途に最適で、安定した造形品質が得られます。標準色のグレーやブラック、ホワイト、クリアなどが用意されており、試作やプロトタイピングに適しています。

エンジニアリングレジン:
高強度や耐熱性が求められる工業用パーツに適した材料です。特に自動車や製造業界での部品製作に重宝されています。

医療向けレジン:
医療機器や解剖モデルのプロトタイプ製作に対応する、特殊な医療グレードのレジンもあります。特に高精細で滑らかな表面を必要とするモデル製作に優れています。
Form Wash L(第2世代)などのオプション機器がもたらす利便性の向上

Form 4Lの製品ラインには、造形後の洗浄をサポートする「Form Wash L(第2世代)」も含まれています。この機器は、造形後の部品を専用の洗浄槽で自動的に洗浄することで、製造プロセスを効率化します。最新の撹拌機能を搭載しており、レジンごとに最適な洗浄時間を設定できます。また、さまざまなサイズのビルドプラットフォームに対応しており、大型パーツでも簡単に洗浄できるのが特長です。これにより、後処理の手間が省け、作業時間を短縮することができます。
新たなレジンポンピングシステムで、大量生産向けの機能が強化されている点

Form 4Lでは、専用のレジンポンピングシステムも用意されています。これは大量のレジンを安定して供給し、長時間連続での造形を可能にするシステムです。5L単位のレジンタンクを利用することで、頻繁な材料補充が不要になり、大量生産に適した設計となっています。このようなシステムが整備されていることで、大量の造形作業が求められる環境でも効率よく作業を進めることができます。
Form 4Lの導入によるメリット

Form 4Lの導入は、企業にさまざまなメリットをもたらします。特にコスト削減や生産スピードの向上が期待でき、企業の競争力を高める要素となります。
コスト削減やリードタイム短縮による競争力の向上
Form 4Lは、大型パーツの内製化を可能にするため、外注コストを削減できます。また、部品の試作やプロトタイプの製作時間が短縮されるため、製品開発サイクル全体が早まります。これにより、競合他社と比較しても迅速に市場投入できる点が大きなメリットです。短期間でのリードタイムは、現代の製造業界において重要な競争力の一因となります。
内製化による製造コスト削減と、外注に依存しない製造体制の構築
Form 4Lを導入することで、製造プロセスの一部を内製化し、外注に頼ることなく製作が可能になります。これにより、製造コストが削減されると同時に、製作精度や品質管理が向上します。また、企業内部で設計から製作までを一貫して行うことで、スムーズな製造体制を構築できる点も魅力です。特に、小ロットの製作や少量生産に対応しやすくなります。
小ロット生産の柔軟性と、プロトタイピング反復の効率化
Form 4Lは、試作品や少量生産の部品を効率よく製作できるため、開発段階での試行錯誤がしやすくなります。短時間での造形が可能なため、プロトタイプを何度も繰り返し改良し、製品の完成度を高めることができます。これにより、開発段階での柔軟性が向上し、製品の品質や機能性の向上に貢献します。












まとめ
Form 4Lは、大型パーツの製作と高速な造形を両立し、製造業のプロセスを革新するポテンシャルを持っています。これにより、コスト削減や迅速な試作が可能となり、企業はより柔軟で効率的な生産体制を構築できます。今後もさまざまな分野での活用が期待され、製品開発や小ロット生産における新しいソリューションとして活躍することでしょう。
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