光造形3DプリンターForm3レビュー【3Dテクスチャ編①:グレイレジン】

Form3で3Dテクスチャのある造形を3Dプリントするとどのようにプリントされるのか?3Dテクスチャのディティールがどこまで表現されるのか?

<テクスチャとは>
テクスチャとは3DCGにおいて、立体物の質感を表現するために使われる画像のことです。
テクスチャを貼り付けて、よりリアルな質感を出す手法をテクスチャマッピングと言います。
3次元コンピュータグラフィックスで作成された3Dモデルの表面に質感を与えるための手法です。

この、テクスチャを3Dプリンターでプリントするとどのような表現に仕上がるのかを見ていきます。

プリントする3Dテクスチャの形状とサイズ

3Dテクスチャのサイズ : 32mm(縦)×32mm(横)×3mm(高さ)
こちらの板状の造形に3Dテクスチャを貼り付けてプリントしていきます。

プリントする3Dテクスチャの模様

こちらが今回プリントする3Dテクスチャの模様の種類になります。
自然物や生物系の3Dテクスチャになります。AからKまで全部で11種類あります。
今回プリントするテクスチャの3Dデータは、Zbrushと言う3Dソフトを使用して作製しています。

使用する光造形3Dプリンターと材料

今回使用する光造形3Dプリンターは、Form3です。
Form3は、高精細、滑らかな仕上がりが特徴の反転方式の光造形3Dプリンターです。

ソフトは、Form3の専用ソフトウェア PreFormを使用します。PreFormでは、プリントするデータ、プリント方向、サポートの付け方を設定することができます。

光造形3Dプリンター用の材料はForm3専用スタンダードレジンのグレイレジンを使用します。

3Dプリンター用 硬質スタンダードレジン

硬質スタンダードレジンは、光造形3Dプリンターにおいて最も一般的に使用されるレジンです。多様な用途に対応できる汎用性が高く、プロトタイピングから模型、フィギュアまで幅広い分野で活用されています。このタイプのレジンは、適度な強度と耐久性を持っており、扱いやすさとコスト面でも手頃な価格であるため、初心者から熟練者まで幅広く利用されています。

今回、ソフトウェアPreFormでプリントするカップの3Dデータは、Blenderを使用して作製しています。

3Dプリントで検証したい内容

3Dテクスチャーを3Dプリントした場合のテクスチャのディティールの仕上がりは?

サポート設定と積層ピッチ

サポート設定は、サポート設定なし 直付でのプリント
積層ピッチは、25ミクロン
こちらの設定でプリントしていきます。

PreFormでのプリント画面になります。

3Dプリント結果

まず、今回3Dプリトした11種類のプリント内容をお伝えしていきます。
こちらの表では、プリント時間、レイヤー数、材料のボリューム数、材料コストが分かります。
※1回のプリントで同時に、積層ピッチの同じテクスチャを7個プリントしています。

プリント1回目 テクスチャの種類 A,I,J,Kをプリントした場合
※一部今回のプリントではない3Dテクスチャも入っています

プリント時間 レイヤー数 ボリューム Total材料コスト 1個あたりのl材料コスト
6h45m 475層 32.20ml 7個=605円 1個=86円

プリント2回目 テクスチャの種類 B,C,D,E,F,G,Hをプリントした場合

プリント時間 レイヤー数 ボリューム Total材料コスト 1個あたりのl材料コスト
5h30m 307層 32.02ml 7個=602円 1個=86円

<結果>3Dテクスチャの3Dプリント表現

テクスチャA 突起肌

3Dデータの凹凸の細かい表現がそのまま3Dプリントできている。
突起している部分の先端の鋭さが良く再現されている。
全体のディティールが良く出ている。

テクスチャB 砂利

3Dデータの細かい部分の凹凸もそのままプリントできている。
全体のディティールが良く出ている。
※一部欠けている部分は、プリント後の剥がす時による破損です。

テクスチャC 岩肌

3Dデータの細かい部分の表現もそのままプリントできている。
全体のディティールが良く出ている。

テクスチャD 地面ヒビ割れ

3Dデータの割れている部分の表現がそのまま3Dプリントできている。
割れ部分以外の表面の細かいテクスチャも表現できている。
全体のディティールが良く出ている。

テクスチャE ワニ肌

3Dデータの凹凸部分の表現がそのまま3Dプリントできている。
大きいテクスチャ以外の表面の細かいテクスチャ部分も高精細にできている。
全体のディティールが良く出ている。

テクスチャF 石垣

3Dデータの凹凸部分の表現がそのまま3Dプリントできている。
大きいテクスチャ以外の表面の細かいテクスチャ部分も高精細にできている。
全体のディティールが良く出ている。
※一部欠けている部分は、プリント後の剥がす時による破損です。

テクスチャG 地面ヒビ割れ

3Dデータの表現がそのまま3Dプリントできている。
大きい溝以外の表面の細かいテクスチャ部分も高精細にできている。
全体のディティールが良く出ている。表面の平面部分に積層跡が少し見られた。

テクスチャH 砂利

3Dデータの凹凸部分もそのままプリントできている。
全体のディティールが良く出ている。
細かい凹凸のテクスチャ部分も高精細にできている。

テクスチャ I 岩肌

3Dデータの凹凸部分もそのままプリントできている。
全体のディティールが良くできている。
細かい凹凸のテクスチャ部分も高精細にできている。

テクスチャJ 溶解肌

3Dデータの凹凸部分もそのままプリントできている。
全体のディティールが良く出ている。
表面も滑らかさもきれいにできている。

テクスチャK 地面ヒビ割れ

3Dデータの凹凸部分の表現がそのまま3Dプリントできている。
大きいテクスチャ以外の表面の細かいテクスチャ部分も高精細にできている。
全体のディティールが良く出ている。

3Dテクスチャの3Dプリントまとめ

Form3で3Dテクスチャを3Dプリントする場合の検証をしてみました。
今回のサイズでの3Dテクスチャのプリントは、全体的に3Dデータ通りに高精細にプリントできていました。
大きいテクスチャ以外の表面の細かいテクスチャ部分も高精細にできているものが多かったです。

まとめると、3Dテクスチャデータを光造形3DプリンターForm3で3Dプリントした場合の仕上がりは、ほぼ3Dデータ通りにプリントできる。細かいディティール部分まで表現できている。
特に凹凸部分の高低差がはっきりしているものが3Dのテクスチャの効果が表現しやすい。
今回検証した100万円以下の価格帯での光造形3Dプリンターで、ここまでの高精細な表現ができるのは、Form3ぐらいかと思われます。
※今回のサイズでの表現精度になりますので、もっと大きな造形でプリントをする場合は仕上がりがまた変わってきます。

このサイズでもここまでの高精細な3Dテクスチャ表現ができるという目安にもなったかと思います。
ぜひ3Dプリントの参考にしていただけたらと思います。
3Dテクスチャ編②に続きます。

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