3Dプリンター用 硬質スタンダードレジン

3Dプリンター用 硬質スタンダードレジンとは

光造形3Dプリンター用の材料にの中でも最もスタンダードなタイプが硬質スタンダードレジンです。スタンダードレジンは、多くの光造形3Dプリンターで標準で使えるレジンで、一般的にはグレイやホワイト、ブラックなどのカラーがあります。

特に光造形の最大の特長である高精細と滑らかさを表現できるレジンで、用途はプロトタイピングからフィギュアなど幅広い分野で使用されています。今回はこの硬質スタンダードレジンについてご紹介します。

硬質スタンダードレジンが使える光造形
3Dプリンターとは?

硬質スタンダードレジンが使用できる光造形3Dプリンターは数多くの機種が登場しています。今回は代表的な機種をご紹介します。

メーカー 機種 特徴
Formlabs Form3+、Form3、Form3L、Form3B+、Form3L、Form2など SLA方式の代表的メーカー安定性が非常に高く、高精細滑らかな造形が特長
RayShape Shape1+、Shape1+HD、P400、P400HD DLP方式、高速、複数造形が可能。高精細、滑らかな造形ができサードパーティー製にも対応
3Dsystems Figure4 DLP方式。最終品レベルの仕上がり、精度が実現可能。スタンダードレジンでフィギュア系も対応

3Dプリンター用 硬質スタンダードレジンの特長

3Dプリンター用硬質スタンダードレジンの最大の特長が、滑らかさと高精細、低コストです。アクリルがベースのレジンで、光造形では継ぎ目が目立たない滑らかさが最大の特長です。また材料の中では細かさや複雑な表現ができるのも特長の一つです。

3Dプリンター用 硬質スタンダードレジンの特性

高精細

継ぎ目のない滑らかな質感

細かい複雑な造形

3Dプリンター用 硬質スタンダードレジンでできること

3Dプリンター用硬質スタンダードレジンでは、さまざまなことができます。その精細さからデザインモックやフィギュアなどに使用が可能です。

試作品の精度向上

3Dプリンター用硬質スタンダードレジンの最大の特長が、正確な表現力です。この正確さ、継ぎ目のない美しさから、試作開発のプロトタイピングをより正確に表現できます。製品開発の試作精度を向上し、よりスピーディなモノづくりを実現できます。


製品開発のリードタイムを短縮

光造形3Dプリンターと硬質スタンダードレジンを使用すれば、製品開発のリードタイムを短縮できます。データから正確、きれいに出力できうえ、3Dプリンターであれば数時間から1日程度でアウトプットが可能、複数造形しても時間はそこまで変わりません。


製品開発のコスト削減

3Dプリンター用硬質スタンダードレジンで試作品を作れば、コストの削減につなげることができます。切削加工では、ブロック状の樹脂を削り出して造形するため、ブロックごとの材料費がかかります。しかし、光造形(SLA)3Dプリンターでは、必要な分のレジンしか使用しないため、コスト削減にもつながります。


複数生産に適している

3Dプリンター用硬質スタンダードレジンはUV硬化レーザーが高速で照射されるため複数の造形物を一度に作っても倍にはなりません。例えば1時間が1.1時間や1.2時間程度、1.5時間のように増えます。 またDLP方式では造形時間は複数個でも同じです。

3Dプリンター用 硬質スタンダードレジンで作れるもの

3Dプリンター用硬質スタンダードレジンでは、高品質な仕上がりや細かい再現力で、試作だけではなくフィギュアや模型、ミニチュアなど幅広い用途で使用ができます。

プロトタイプ

3Dプリンター用硬質スタンダードレジンはプロトタイピングに最適です。3Dデータ通りに正確に造形物を出力できる点、レジンの中でも比較的安価であるという点から、試作で活躍します。

フィギュア

3Dプリンター用硬質スタンダードレジンが多用させるものとしてフィギュアもあります。スタンダードレジンは研磨や塗装のりもよく、特に美少女フィギュアなどの領域で多用されています。

模型・ジオラマ・ミニチュア

スタンダードレジンは模型やジオラマ、ミニチュアにもよく利用されます。地形や自然物なども細かい表現ができる硬質スタンダードレジンならではの用途です。また造形後の塗装仕上げにも適しているためです。

3Dプリンター用 硬質スタンダードレジンの種類

ここでは代表的な3Dプリンター用の硬質スタンダードレジンとして各メーカー別にご紹介します。

レジン名 メーカー 方式
スタンダードレジン Formlabs SLA
スタンダードレジン RayShape DLP
TOUGH-GRY15 3Dsystems DLP

スタンダードレジン(Formlabs)

FormlabsのスタンダードレジンはFormlabsの代表的な材料です。FormlabsのForm3+、Form3、Form3L、Form3B+、Form2はで使用できます。

アクリルベースの材料で、グレイ、ブラック、ホワイト、クリアの4色があります。また、Formlabsのタフレジンでは、プリント後に切削などの機械加工を施すことも可能です。

スタンダードレジンのスペック

容量:1L
対応3Dプリンター:Form2、Form3、Form3+、Form3L、Form3B
ホワイト、ブラック、グレイ、クリア
価格:24,000円(税別)


スタンダードレジン(RayShape)

この標準レジンは、使いやすさだけでなく、優れた機械的特性を兼ね備えています。そのため、設計検証や外観のプロトタイプテストなどに最適です。
このレジンを使用することで、高品質なプロトタイプを簡単に製作することができます。また、製品の強度や耐久性などをテストすることができます。

スタンダードレジン(RayShape)のスペック

容量:1リットル
対応3Dプリンター:shape1シリーズ、P200シリーズ、P400シリーズ


TOUGH-GRY15(3Dsystems)

TOUGH-GRY15は3Dsystemsのレジンの中でもコストパフォーマンスに優れたスタンダードタイプのレジンです。3DsystemsのFigure4は非常に高精細で滑らかな造形ができ、精度に優れた3Dプリンターです。TOUGH-GRY15ではプロトタイピングからフィギュアまで幅広い用途に使用できます。

TOUGH-GRY15レジンのスペック

容量:1リットル
対応3Dプリンター:Figure4

3Dプリンター用 硬質スタンダードレジンの仕上げ

3Dプリンター用硬質スタンダードレジンは、紫外線レーザービームがあたると硬化するUV硬化レジンです。形状は液体となっており、後工程や取扱に注意点があります。

洗浄

硬質スタンダードレジンは造形後には造形物に余分なレジンがこびりついているため、IPA(イソプロピルアルコール)やエコタールなどで洗浄する必要があります。

洗浄時間はメーカーごとにことなっていますが、だいたい10分から20分程度です。洗浄後はIPAがなくなるまで十分に乾燥を行います。

エタコール

エタコール7は、Form3等の光造形機で造形されたモデルの洗浄に使用されるIPAに変わる環境対応高純度エタノール溶剤です。洗浄液は基本的に第二種有機溶剤に該当するケースが多いですがエタコールのように第二種有機溶剤に該当せず、IPAなどと同等の洗浄力を持つ溶剤もあります。

二次硬化

UV硬化レジンと光造形(SLA)3Dプリントで作られた造形物は、層と層の間に完全に固まっていないグリーン層といわれる中間層が存在します。スタンダードレジンはメーカーによって二次硬化が必要なものと必要がないものがあります。

二次硬化は完成した造形モデルに一定の温度で紫外線を照射することで行います。二次硬化を行うことで、層と層の間の中間層が完全に固まり、強固な物性が再現されます。

メーカーごとに専用の二次硬化機があります。

FormCure(Formlabs)

Form Cureはプリント後に造形モデルを二次硬化してくれる自動二次硬化ツールです。
回転式のターンテーブルと、360度を覆うミラー仕上げで、造形モデルに全方位で405nmのLED光が照射。ボタンを押すだけで二次硬化を自動的に行います。

FormCure L(Formlabs)

FormCure Lは、プリント後に造形モデルを二次硬化してくれる自動二次硬化ツールです。
回転式のターンテーブルと、反射する内部キャビティによってUV光がすべての表面に到達して一定の硬化制度を実現し、Form 3LやForm 3BLで作られた大型の造形物も安定して二次硬化可能です。

まとめ

3Dプリンターの硬質スタンダードレジンは光造形(SLA)3Dプリンターの材料の中でも特に滑らかさと細かさ、高精細さが特長のレジンです。また比較的低コストな材料なため、像作成が期待されるフィギュア、模型、ミニチュア、試作などに重宝されます。

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