3Dプリンター用ロストワックス鋳造用
フィラメント材料とは

3Dプリンター用ロストワックス鋳造用フィラメントは、デスクトップタイプや家庭用(低価格)のFDM ® 3Dプリンターの材料として使用することがでる鋳造用のフィラメント材料です。
ロストワックス鋳造用フィラメントとは
3Dプリンター用ロストワックス鋳造用フィラメントは、デスクトップタイプや家庭用(低価格)のFDM ® 3Dプリンターの材料として使用することがでる鋳造用のフィラメント材料です。
ロストワックス鋳造用の材料は、基本的に光造形3Dプリンターのジュエリー鋳造用が中心ですがFDM・FFF方式の3Dプリンター用フィラメントでも登場しています。
ロストワックス鋳造用フィラメントの
注意点や対策も
今回は3Dプリンター用ロストワックス鋳造用フィラメントの特長や種類、プリントする際に注意点などをご紹介します。
3Dプリンターを使用するすべての方々がより良いモノづくりができるようになれば幸いです。
3Dプリンター用ロストワックス鋳造用フィラメントの特長
ロストワックス鋳造用フィラメントは、特殊用途のフィラメント材料で、それ自体では使用ができません。金属鋳造のワックスモデルとして使用できます。一般的には光造形3Dプリンターの材料が中心ですが、FDM用のフィラメントでは、フィラメントならではの用途があります。
1.鋳造用レジンとの違い
光造形3Dプリンターの鋳造用レジンとの最大の違いが表面の仕上がりです。光造形3Dプリンターの仕上がりは積層跡が目立ない滑らかな造形や細かいディティールが売りですが、鋳造用のフィラメントでは、FDMならではの積層跡が目立ち、細かなディティールを再現することは難しいです。


2.大型の鋳造用ワックスの作成が推奨
ただその一方で、UVレジン系ではジュエリーサイズが推奨で、それ以上に大きい造形物はあまり作られていません。鋳造用フィラメントはそうした比較的大きめの鋳造用ワックスモデルの作成に適しています。その場合、造形後にエアロゾル研磨がおすすめです。
ロストワックス鋳造用フィラメントの特性一覧
ロストワックス鋳造専用
表面研磨が可能

3Dプリンター用ロストワックス鋳造用フィラメントで作れるもの
3Dプリンター用ロストワックス鋳造用フィラメントの主な用途は鋳造用のワックスモデルですが、ジュエリー用ではなく工業用のパーツなどが中心です。UVレジンの光造形3Dプリンターとは違い、積層跡が残り細かい造形には適していないため金属パーツの鋳造用ワックスモデルが中心です。
3Dプリンター用ロストワックス鋳造用フィラメントの種類
3Dプリンター用ロストワックス鋳造用フィラメントは家庭用(低価格)3Dプリンターでの使用が一般的です。

PolyCast(PolyMaker製)
ロストワックス鋳造用フィラメントではPolyMaker社のPolyCastが登場しています。・「Ash-Free™(Polymaker社特許技術)」というPolyMaker独自の製法によって鋳造時に残留物がなく、高品質な造形が可能です。
PolyCastのスペック
重量:750600 Kg
フィラメント径:1.75 mm ±0.05 mm
プリント温度:190℃~2210℃
プリントスピード:450-60mm/s
プリントベッド温度:240℃~750℃
冷却ファン:ON
PolyCastは造形後にPolySherによるエアロゾル研磨を施すことで表面をより滑らかに綺麗に仕上げることができます。

PolySher
PolySherはイソプロピルアルコール(濃度90%以上推奨)を、ネブライザー(噴霧器)から放出することで造形物の表面を削り、積層跡を無くして滑らかな表面にする機械です。PolyCastとPolySmoothの2種類のフィラメント材料に対応しています。
PolySherのスペック
表面処理方法 微細な液滴での溶解
対応素材 PolySmooth/PolyCast
使用液剤 イソプロピルアルコール(濃度90%以上)
処理時間 20~40分
製品寸法 230㎜(W)300㎜(D)360㎜(H)
造形物対応サイズ 130㎜(W)130㎜(D)180㎜(H)
製品重量 4㎏
機器使用時の気温 15~32℃
ロストワックス鋳造用フィラメント推奨の
3Dプリンターとは
ポリプロピレン(PP)フィラメントは熱収縮によって反りが発生しやすいフィラメント材料です。そのため多くの3DプリンターがABSに対応しているとはいえ、反りの影響で大きい造形物が難しい傾向にあります。

Creator4S(Flashforge)
Creator4SはFlashforgeが開発する業務用3Dプリンターです。新たに庫内温度の加熱機能を搭載した大型のFDM3Dプリンターで、ナイロン(PA)フィラメントでも30cm近い造形物が3Dプリント可能です。またPA以外にも20種類の材料に対応しています。
造形サイズ 400mm x 350mm x 500mm (ABSはW350mm x D300mm x H350mm) |
対応材料 20種類(PA~カーボンファイバー配合材料まで) |

RaisePro3
Raise3Dの代表的3DプリンターがRaisePro3です。RaisePro3は最新のFDM 3Dプリンターで、AI搭載によりプラットフォームのノズル位置合わせを補正、専用ソフトとの高い安定性によって高いプリント性能を誇ります。
造形サイズ 300×300×300mm |
対応材料 PA~カーボンファイバー配合材料まで |

Raise E2
RaiseE2はRaise3Dのデスクトップタイプの3Dプリンターです。ナイロン(PA)からPLA、TPUなど幅広い材料に対応しており、専用ソフトウェアとオートキャリブレーション機能によって非常に高い安定性を誇っています。
造形サイズ 330×240×240 mm |
対応材料 PA、PLA、TPU、PCなど |
造形後の研磨で積層跡を消せる
PolyCastは造形後にPolySherによるエアロゾル研磨を施すことで表面をより滑らかに綺麗に仕上げることができます。
密着性の弱さ:
すでにご紹介しましたがポリプロピレン(PP)フィラメントの弱点の一つが密着性の弱さです。特に最初のビルドプラットフォームへの密着がうまくいかないケースが多く、対策が必要です。

対策1:専用密着シートを使用する
密着性の悪さからフィラメントメーカーも対策としてPPフィラメント専用の密着シートを販売しています。基本的にこのシートを使用することで密着の問題はクリアできます。

対策2:プリントベッドの温度を上げる
密着性を高めるもう一つの対策が土台であるプリントベッドの温度を高めに設定することです。剥がれや反りなどを軽減します。
反り:
反りとは、FDM(熱溶解積層法)の3Dプリンターで起きる不具合の一つで、造形モデルの四方が反ってきてしまう減少です。
これはプラスチックが持つ熱収縮性によるもので、とくにフィラメント材料を加熱して柔らかくし積層するFDM(熱溶解積層法)3Dプリンターでおきる典型的な課題です。 ポリプロピレン(PP)もABSほどではなくても熱収縮の影響で、反りが発生しやすい素材です。

反りが出やすい造形モデルとは
この反りですが、造形モデルの形状やサイズ、プリント方向などによって異なりますが、一般的に大きい造形モデルで起きやすく、モデルの端が剥離してしまう場合があります。

対策1:庫内温度の加熱機能がある3Dプリンターを使用する
ABSの反りに最も効果がある対策がCreator4Sなど庫内温度の加熱機能がある3Dプリンターを使用することです。チャンバーの加熱によってABSの熱収縮が抑えられ、比較的大きい造形が可能です。

対策2:造形プレートを綺麗に清掃する
第一に、基本的な前提条件として、造形プレートを綺麗な状態に保つことが必要です。ほこりや、脂、また前回のプリント時の残留物などが無いか確認し、汚れているのであれば清掃します。
清掃にはペーパータオルとイソプロピルアルコール(IPA)、IPAが使用できない場合にはエタノールなどの消毒液を使って造形プレートを綺麗にふき取ります。

対策3:フィラメント除湿ボックスを使用する
フィラメント材料は、吸湿性があるため十分に除湿されていない空間や、湿気が多い空間に長期間置いておくと、空気中の水分を吸収してしまい、溶着力が弱くなり、反りが起きやすくなります。 そのため、日常からフィラメント材料を乾燥剤と共に保管するなど除湿された空間で保管する必要があります。
フィラメント除湿ボックス

DryPRO
DryBoxはフィラメント収納ボックスです。内部に乾燥剤を使用することで、効率的に乾燥状態にすることが可能です。また最大48時間の乾燥と庫内加熱機能も搭載し除湿した状態でそのままフィラメントを使用できます。

PolyBox 湿気防止ボックス
フィラメント材料の保管では、PolyMakerが発売しているPolyBoxがおススメです。フィラメント材料を2本まで収納可能で、常に低湿度に保つことができます。また、除湿したボックスから3Dプリンターにセット可能なため、ABSフィラメント材料を使用する場合にはおススメです。

対策4:造形プレートの加熱
3Dプリンターの種類によって異なりますが、第一には造形プレートの加熱と密閉を行うことで、PLAフィラメント材料の反りを軽減することができます。

対策5:プリント方向を変える
反りは、造形モデルのサイズによって起きやすくなります。先にご紹介したように大きいモデルは反りが起きやすくなるため、プリント方向を変えるのも一つの方法です。

対策6:造形モデルを分割する
場合によっては造形モデルを分割してプリントし、造形後にアッセンブルする方法もあります。

まとめ:手頃な価格で高い汎用性で、いろいろな造形に最適
ポリプロピレン(PP)フィラメントは、高い機械的物性と汎用性の高さから使いこなせればモノづくりのさまざまなシーンで役立ってくれます。プロトタイピングから治具、工具、更には最終品の製造まで、ものづくりの可能性を大きく広げてくれることでしょう。
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