Form 4/4L造形失敗対策!ビルドプラットフォーム位置合わせ完全手順

Form 4/4L造形失敗対策!ビルドプラットフォーム位置合わせ完全手順
「最近、造形物の最初の数層がプラットフォームにくっつかず、脱落してしまう」
「逆に、ラフト(土台)が押しつぶされすぎて、スクレーパーを使っても剥がれない」
もし、このようなトラブルに直面しているなら、レジンの露光設定をいじる前に疑うべき箇所があります。それは、ハードウェアの「平行度」です。
Form 4 や Form 4L は、従来のLFS方式に比べて圧倒的な造形スピードを誇る反面、ビルドプラットフォームとLFD(液晶ディスプレイユニット)の物理的な平行度が、造形の成否にダイレクトに影響します。
本記事では、私たち技術部門がLFD交換時や精度調整時に必ず実施している「ビルドプラットフォームの位置合わせ(Align Build Platform)」の標準手順を解説します。この作業を行えば、工場出荷時の高精度な状態を取り戻すことが可能です。
準備編:なぜ「位置合わせ」が必要なのか
この作業は、ビルドプラットフォームの固定ネジを緩め、プリンターのセンサー機能を使って「LFD(画面)」と「プラットフォーム(台座)」の隙間をゼロに補正するプロセスです。
この作業で解決できる課題
- 初期層の脱落(定着不良): プラットフォームと画面の隙間が広すぎる場合。
- 過圧縮(剥がれない): 隙間が狭すぎて、初期層が薄く潰れてしまう場合。
- 寸法のズレ: Z軸方向の精度が出ない場合。
必要な機材リスト
作業を始める前に、以下のツールを手元に用意してください。
| 機種 | 必要な六角レンチ(付属品) | その他の必須ツール |
|---|---|---|
| Form 4 | 4 mm 六角レンチ | アライメントシム(4枚) ニトリル手袋 ウエス・キムワイプ |
| Form 4L | 5 mm 六角レンチ |
※アライメントシムは、プリンター付属のツールトレイ(Tool Caddy)に含まれている小さなスペーサーです。
実践編:プロが教えるステップ・バイ・ステップ
それでは、実際の手順を解説します。この作業は「汚れ(レジン残り)との戦い」です。一手順ずつ確実に行ってください。
Step 1: 機材の準備と「完全洗浄」
まず、プリンターがアイドル状態であることを確認し、ファームウェアを最新の状態にアップデートします。
次に、最も重要な工程である「ビルドプラットフォームの洗浄」を行います。
ここでプラットフォームの金属面に硬化したレジンや未硬化のヌメリが残っていると、調整中にLFD(ガラス面)を押し割ったり、傷つけたりする原因になります。
■ プロの運用アドバイス
未硬化レジンを完全に除去するため、弊社では洗浄液 3D Medsupo(スリーディーメドサポ)を使用した洗浄機で入念に洗い、エアブローで乾燥させています。「目に見えないレジンの膜」すら残さないことが、完璧な平行度を出す第一歩です。
Step 2: タンク取り出しとメニューへのアクセス
きれいな手袋を着用し、内部のパーツを取り外します。
- Form 4 レジンタンク、Form 4 ミキサー、レジンカートリッジをすべて取り外します。
- LFD(光学ユニット)の表面が露出した状態になります。ゴミが落ちていないか確認してください。
- タッチパネルを操作し、ウィザードを呼び出します。
操作:「設定(歯車アイコン)」 > 「ツール」 > 「ビルドプラットフォームの調整」をタップします。
Step 3: シム(スペーサー)の設置
画面の指示に従い、ツールトレイから「アライメントシム(4枚)」を取り出します。
これをLFDの四隅に置きます。このシムがクッションとなり、プラットフォームと画面の間に適正なクリアランス(隙間)を確保します。
Step 4: ネジの緩めと「加圧」固定(★最重要)
ここが作業の山場です。慎重に進めてください。
- プラットフォームの装着: 洗浄済みのビルドプラットフォームをプリンターに装着し、ロックします。
- ネジを緩める: 六角レンチを使い、位置合わせネジを緩めます。
(Form 4: 右側面の2箇所 / Form 4L: 両側面の計4箇所) - 目安: ネジを外すのではなく、プラットフォームを手で触ると「カタカタ」と動く程度まで緩めます。
カバーを閉じ、「次へ」をタップしてプラットフォームを下降させます(LFDの上に接地します)。
その後、カバーを開け、以下の動作を行います。
- 左手: プラットフォームの中央を、真上からグッとLFDに押し付けます(手を離さないでください)。
- 右手: 押し付けた状態を維持したまま、六角レンチでネジを締めます。
■ 成功のポイント
片手で押さえる力が弱いと、ネジを締めるトルクでプラットフォームが浮いてしまいます。「下に押し付けながら締める」のがコツです。一度にきつく締めず、2回に分けて徐々に締めていくとズレを防げます。
Step 5: 完了とテスト造形
すべてのネジがしっかりと締まっていることを確認したら、カバーを閉じます。プリンターが自動的にZ軸の高さ(原点)を再設定します。
完了画面が出たら、アライメントシムを回収し、レジンタンクやミキサーを元に戻します。
最後に、小さなテストモデルを造形し、初期層がしっかりと定着しているか、あるいは剥がしやすさが改善されたかを確認してください。
技術パート:失敗しないためのプロの「コツ」
私たちが現場で多くのサポートを行う中で、失敗するケースには共通点があります。
よくある失敗:LFD破損のリスク
最も多い事故は、「プラットフォームに硬化したレジン片が残ったまま調整を行い、LFD(画面)を割ってしまう」ケースです。
通常の造形時と異なり、キャリブレーション時はレジンタンク(保護層)がありません。金属とガラスが直接触れ合うため、微細なゴミも許されません。
運用のコツ:洗浄こそがメンテナンスの要
精度の高いキャリブレーションを行うには、日頃のメンテナンスが不可欠です。
- 洗浄液の管理: 洗浄液 3D Medsupo は洗浄力が高く、リンス性が良いため、プラットフォームの細かい溝に入り込んだレジンも除去しやすいのが特徴です。
- 定期的な点検: 毎週金曜日にプラットフォームの平面度を定規などで確認する習慣をつけると、トラブルを未然に防げます。
応用編:さらなる効率化へ
Form 4 の持つ「LFD(Low Force Display)」テクノロジーは、高速かつ低剥離力での造形を可能にしますが、その性能を発揮するにはハードウェアが正しい位置にあることが前提です。
この「位置合わせ」と、洗浄液 3D Medsupo による「適切な洗浄」をセットで運用サイクルに組み込んでください。
「きれいなマシンは故障しない」が、3Dプリンター運用の鉄則です。この2つを徹底するだけで、造形失敗によるダウンタイム(停止時間)は劇的に減少します。
まとめ
本日の作業チェックリストです。
- 造形失敗(脱落・過圧縮)が続いたら、設定変更の前に「プラットフォームの位置合わせ」を疑う。
- 作業前には、プラットフォームを新品同様になるまで磨き上げる(レジン残りは厳禁)。
- ネジ締め時は、プラットフォームをLFDに押し付ける圧力を絶対に緩めない。
技術相談・サンプルについて
「自分で調整してみたけれど、まだ不安がある」「正しい締め付け具合を実機で確認したい」という方は、ぜひ弊社をご活用ください。
また、メンテナンス効率を上げる洗浄液 3D Medsupoのサンプルや、Form 4 で造形した高精度パーツのサンプル請求も承っております。お気軽にご相談ください。
出典:Aligning the build platform (Form 4 and Form 4L generation)

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