Form 4でレジンを使い切る!新機能「ドレインカートリッジ」の使い方完全ガイド

Form 4でレジンを使い切る!新機能
「ドレインカートリッジ」の使い方完全ガイド
「カートリッジが『空』の表示になったけれど、振るとまだチャプチャプ音がする…」
Formlabs製品を長くお使いのユーザー様であれば、一度はこのような経験があるのではないでしょうか?
高価な機能性レジンを捨ててしまうのは、コスト的にも環境的にも気が引けるものです。しかし、無理に手動で逆さにしてレジンを落とそうとすると、プリンター本体やセンサーを汚すリスクがあります。
そこで今回は、Form 4 / Form 4L 世代で実装された新機能「ドレインカートリッジ(カートリッジ排出)」ツールについて解説します。この機能を使えば、安全かつ自動で残存レジンをタンクへ移送できます。
私たち販売店の技術部門でも実践している、「材料ロスを極限まで減らすための正しい手順」をマスターしましょう。
【準備編】作業前に確認すべき絶対条件
まず、この機能の概要と、実行に必要な条件を整理します。
ドレインカートリッジ機能とは、プリンターのバルブ制御(バイトバルブの開閉)を利用し、カートリッジ内の残液を重力でタンクへ排出し切る機能です。
なぜこの機能が必要なのか?
従来の手動での「絞り出し」は、レジンが勢いよく飛び出したり、カバーの外に垂れたりする事故の元でした。この自動機能を使うことで、機材を汚さずに安全なコスト削減が可能になります。
実行前の必須チェックリスト
作業を始める前に、必ず以下の2点を確認してください。
| 確認項目 | 条件・詳細 |
|---|---|
| ファームウェア | バージョン v1.12.0 以降 であること |
| レジンタンク | 十分な空き容量があること(※最重要) |
特にレジンタンクの空き容量は重要です。満タンに近い状態で実行すると、溢れ出し(オーバーフロー)の原因となります。
【実践編】プロが教えるステップ・バイ・ステップ
それでは、実際の操作手順を解説します。この手順通りに進めれば、失敗することはありません。
Step 1: ファームウェアとタンク状況の確認
まず、プリンター本体のタッチパネルを操作し、現在の環境が実行可能かを確認します。
- ホーム画面の「設定」>「システム」>「プリンタ情報」をタップし、ファームウェアが v1.12.0 以上になっていることを確認します。
- カバーを開け、レジンタンク(レジンを入れるトレイ) の液面を目視で確認します。
- 液面がタンク内の「Mixer」や「MAX線」よりも十分に下がっていることを確認してください。
このように、タンクに余裕がある状態でのみ作業を開始します。
Step 2: 排出ツールの起動
次に、専用ツールを呼び出します。メニューの階層が少し深いため、以下の手順で進んでください。
- アイドル状態(待機中)のプリンター画面で、左側のメニューバーにある「設定(歯車アイコン)」をタップします。
- メニューリストの中から「ツール」を選択します。
- 項目の中にある「カートリッジを空にする」ボタンをタップします。
Step 3: 自動排出プロセスの実行
機能が立ち上がったら、あとはプリンターに任せるだけです。
- 画面の指示に従い、排出プロセスをスタートさせます。
※Form 4L の場合:左右どちらのカートリッジを排出するか(あるいは両方か)を選択する画面が表示されるので、対象のカートリッジを選択します。 - 処理中はバルブが自動で開き、レジンが落下します。これには数分かかります。
- 注意: 処理中は絶対にカバーを開けたり、カートリッジを抜いたりしないでください。
Step 4: カートリッジの取り外しと廃棄
プロセス完了の画面が表示されたら、作業終了です。
- カートリッジをプリンターから取り外します。
- この時点でカートリッジ内部は完全に空になっています。地域の産業廃棄物処理規定に従って廃棄してください。
【技術パート】失敗しないためのプロの「コツ」
非常に便利な機能ですが、運用を一歩間違えるとトラブルになります。私たち技術チームが現場で心がけている「運用のポイント」を共有します。
1. 成功のタイミングは「ボトル交換時」
この機能を使うベストなタイミングは、「造形直前」ではありません。 「造形が終わり、タンク内のレジンが消費されて液面が下がっている時」に行うのが鉄則です。これにより、オーバーフローのリスクを確実に回避できます。
2. 万が一の汚れ対策(重要)
カートリッジ交換時やタンク周りで、うっかりレジンを垂らしてしまった経験はありませんか?
このような事故が起きた場合、すぐに 洗浄液 3D Medsupo(スリーディーメドサポ)を含ませたウエスで拭き取ってください。
■ なぜ 3D Medsupo なのか?
IPA(イソプロピルアルコール)は洗浄力が強い反面、樹脂パーツを白化させたり、クラック(ひび割れ)の原因になったりすることがあります。
洗浄液 3D Medsupo は、適度な揮発性と高い洗浄力を持ちながら、プリンター本体のカバーや外装への攻撃性が低いため、機材メンテナンス用のクリーナーとしても最適です。
【応用編】さらなる効率化へ
Form 4 の圧倒的な造形スピードは、生産性を高めると同時に、材料消費のサイクルも早めます。だからこそ、今回紹介したドレイン機能での「材料ロス削減」の積み重ねが、長期的なコストメリットとして大きく効いてきます。
また、造形後の洗浄工程においても、洗浄液 3D Medsupo を標準採用することで、IPAのような強い溶剤臭に悩まされることなく、快適で安全な運用環境を維持できます。
- 無駄なレジンは一滴も捨てない
- 機材や人体に安全な洗浄環境を作る
これが、私たちプロが推奨する「Form 4」のサステナブルな運用ワークフローです。
まとめ
本日の作業のチェックリストです。
- 実行前には必ずファームウェアを v1.12.0 以降 に更新する。
- レジンタンクが溢れないよう、十分な空き容量を確認してから実行する。
- 万が一の液垂れやメンテナンスには、洗浄液 3D Medsupo を常備して即座に対応する。
「ファームウェアの更新方法に不安がある」「実際の排出量や洗浄液 3D Medsupo の使用感を試してみたい」という方は、ぜひ弊社のショールームをご利用ください。実機を使ったデモや技術相談を随時受け付けております。
出典:Drain Cartridge (Form 4 and Form 4L generation)

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