【Form 4 / 4L】レジンタンクの正しい保管方法とスタッキングのコツ

【Form 4 / 4L】レジンタンクの正しい保管方法とスタッキングのコツ
2024年に登場した次世代機「Form 4」および大型機「Form 4L」。
圧倒的な造形スピードばかりが注目されがちですが、実際に運用を始めると「周辺機器の使い勝手」が大きく進化していることに気づかれる方も多いのではないでしょうか。
特に「レジンタンク(レジンを入れるトレイ)」の保管方法は、従来のForm 3+シリーズから大きく様変わりしました。
今回は、Formlabs公式情報をベースに、私たち販売店の現場での運用経験を交え、「寿命を縮めないための正しい保管ルール」と、新機能である「スタッキング(積み重ね)」の活用術について詳しく解説します。
地味なテーマに思えるかもしれませんが、LFD(Low Force Display)方式の核心部分を守るための非常に重要な内容です。ぜひ最後までご覧ください。
従来の常識が変わった?Form 4世代のレジンタンク保管
これまでForm 3+などの「LFS(従来のLFS方式)」を使用されていた方は、レジンタンクを保管する際、オレンジ色の専用ハードケースに入れて蓋をしていました。
しかし、Form 4 / Form 4Lでは、タンクそのものの設計が見直され、「蓋(リッド)をしてそのまま積み重ねる」というスタイルが標準となりました。
これにより保管スペースは劇的に削減されましたが、一方で「タンク底面の扱い」にはこれまで以上の注意が必要です。まずは、基本となる3つの原則を押さえましょう。
レジンタンク保管の3大原則
公式情報では、以下の3点を徹底するよう推奨されています。
- 直射日光(UV)を完全に遮断する
レジン(UVレジン)は紫外線で硬化します。保管時は必ず付属の蓋を閉め、窓際などの直射日光が当たる場所を避けてください。 - 平らで清潔な場所に置く
傾斜がある場所や、工具などが散乱した不安定な場所に置くと、タンク内のレジンが漏れ出したり、底面フィルムが破損したりする原因になります。 - 底面(外側)の汚れを拭き取る
保管する前に、タンクの外側(特に底面)に液状レジンが付着していないか確認してください。付着したまま保管場所や他のタンクの上に置くと、汚れが広がり、最悪の場合硬化して取れなくなります。
新機能「スタッキング(積み重ね)」で省スペース化を実現
Form 4およびForm 4Lのレジンタンクには、上下に噛み合う溝が設計されており、蓋をした状態で安定して積み重ねることができます。
これは、多種類の材料を使い分ける日本の製造現場にとって非常に嬉しいアップデートです。
従来機との保管スタイルの違い
| 項目 | Form 3+ / 3L (従来のLFS方式) | Form 4 / Form 4L (LFD方式) |
|---|---|---|
| 保管容器 | 専用のハードケースに収納 | タンク本体に蓋をして裸で保管 |
| 積み重ね | ケース単位で可能(場所を取る) | タンク同士を直接スタッキング(省スペース) |
| 底面の保護 | ケースが底面を浮かせ保護 | ユーザー自身の管理に依存(直置き厳禁) |
| 識別性 | ケースにラベルを貼る | タンク側面や蓋が見えるため識別しやすい |
管理運用のヒント
積み重ねができると、「どのタンクにどのレジンが入っているか」「いつから使っているか」が分からなくなりがちです。
私たち販売店では、以下のルールでの運用を推奨しています。
- ラベリング
タンクの側面または蓋に、マスキングテープなどで「レジン名(例:グレーレジン V5)」と「初回使用日」を記載する。 - 先入れ先出し
同じ種類のレジンタンクが複数ある場合、使用日が古いものを上に置くなど、取り出しやすいルールを決める。
【技術ノート】販売店が教える「底面保護」の絶対ルール
ここからは、メーカーの公式マニュアルを一歩踏み込んだ、「現場で失敗しないための技術的なアドバイス」です。
なぜ「底面」が命なのか?
Form 4の造形方式である「LFD(Low Force Display)」は、タンクの真下に配置された「LEDパネル」(バックライトモジュール)からの強力な光を、タンク底面のフィルムを通してレジンに照射します。
この底面フィルム(リリーステクスチャ)は、非常に特殊な加工が施されており、LFS方式のフィルムよりも硬質で丈夫にはなっていますが、「光学的な透明度」が造形品質に直結します。
もし底面に「擦り傷」「指紋」「レジンの硬化汚れ」があると、光が正しく届かず、その部分だけ造形されなかったり、欠損したりするトラブル(造形不良)が発生します。
プロが実践する3つの「躓き防止」Tips
これまでのサポート実績から、タンクを長持ちさせるための重要なポイントをまとめました。
- 1. 「引きずり」は厳禁!
これが最も多い破損原因です。机や棚に置く際、ズズッと横に引きずって移動させないでください。机の上の微細なホコリや粒子がヤスリの役割を果たし、底面に曇り傷をつけてしまいます。
「真上から置いて、真上に持ち上げる」。これを徹底してください。 - 2. マイクロファイバークロスを敷く
公式でも推奨されていますが、タンクを保管する棚には、マイクロファイバークロス(眼鏡拭きのような、糸くずの出ない柔らかい布)を敷くことを強くおすすめします。
木製の棚やスチールラックに直置きするのは避けましょう。弊社では、保管エリアに専用のマットを敷いて管理しています。 - 3. ガラステーブルでの保管に注意
意外な盲点ですが、ガラステーブルや透明なアクリル棚の上にタンクを置くのは避けてください。
タンクの黒いフレームは紫外線を遮断しますが、底面の透明窓は光を通します。下からの反射光や室内照明が入ると、タンクの底でレジンが膜状に硬化してしまい、そのタンクは使用不可となってしまいます。
コラム:多種類のレジンを使いこなすなら「洗浄工程」も見直しを
Form 4のスタッキング機能を活用すれば、以下のように運用の幅が広がります。
- 形状確認には高速なファストモデルレジン
- 機能評価にはTough 2000
- 耐熱テストにはRigid 10K
このように、用途に合わせてレジンタンク(=材料)をサッと入れ替えて運用できるのがForm 4の魅力です。
しかし、使用するレジンの種類や出力頻度が増えると、ボトルネックになりがちなのが「造形後の洗浄工程」と「ランニングコスト」です。
洗浄液 3D Medsupo(スリーディーメドサポ)のご提案
頻繁にタンクを交換し、多くの造形を行うヘビーユーザーの皆様には、純正IPAに代わる選択肢として「洗浄液 3D Medsupo(スリーディーメドサポ)」の併用をおすすめしています。
- 優れたコストパフォーマンス
大量に消費する洗浄液のコストを抑えることで、より多くの試作・開発に予算を回すことができます。 - 第4類第3石油類の安全性
有機溶剤中毒予防規則(有機則)に非該当であり、管理・保管のハードルが低いのも特徴です。 - 高い洗浄力
Form 4の高速造形で生まれたパーツも、細部までしっかりと未硬化レジンを洗い流します。
「Form 4の生産性」と「洗浄液 3D Medsupoの経済性」。この組み合わせは、現在多くの日本の製造現場で採用されている最適解の一つです。
まとめ
■ 本記事のポイント
- 積み重ね(スタッキング)を活用:蓋をして縦に積むことで省スペース化を実現。ラベリングで管理を確実に。
- 底面は「LFDの命」:傷をつけると造形不良に直結します。「引きずらない」「柔らかい布の上に置く」を徹底してください。
- 適切な環境:直射日光を避け、平らで清潔な場所で保管しましょう。
これらのポイントを守るだけで、消耗品であるタンクの寿命を延ばし、突発的なトラブルを防ぐことができます。
ぜひ、今日から保管環境を見直してみてください。
出典:Storing resin tanks (Form 4 and 4L generation)

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