金属3DプリンターのXJetがイスラエルで世界最大の3Dプリントセンターを開設

3Dプリントセンターを開設する世界的な動き

現在、世界中で新たに3Dプリントセンターを開設する動きか盛んだ。特に金属3Dプリンターの分野でその動きが顕著だ。レーザー焼結方(SLS、DMLS)などの金属3Dプリンターは、プラスチックの3Dプリンターと違い、材料特性をそのまま再現することが可能で、最終品の製造にも利用できるためだ。

プロトタイプから最終品まで一貫して製造できれば、製造業の競争力は飛躍的に向上する。今回ご紹介するXJetは、液体金属のインクジェット製法により、金属やセラミックを作る3Dプリンターのメーカーだ。そして今回新たにイスラエルに大規模なアディティブマニュファクチャリングの3Dプリントセンターを開設した。

Xjetの記事はこちら「液体金属のインクジェット3DプリンターXjet。滑らかさと高速生産を実現

液体金属とセラミックによる巨大3Dプリントセンター

今回新たに開設されたXJetの3Dプリントセンターは、その投資額が1000万ドルを超え、Rehovot Science Parkに8,000平方フィートの広さで作られたものだ。このセンター施設にはXJet の3Dプリンター、Carmel AMシステムで構成された世界最大の金属、セラミックの3Dプリンタコレクションが設置されている。

XJetの3Dプリンター、CarmelラインAMシステムとは、XJetの特許取得済み技術、ナノパーティクル・ジェッティング(NPJ)技術を利用したものた。

この造形方式は、インクジェット製法の一種で、材料をナノレベルの粒子のインクにして噴霧し使用して物体を構築する。材料は液体状で、液体中にナノレベルの金属粒子、もしくはセラミック粒子が配合されており、これらが3Dプリンタに装填されビルドトレイ上に造形モデルとサポート材が噴霧され超微粒子滴が堆積される。

ビルドトレイの内部では高温で加熱されインキの液体懸濁液を蒸発させる。あとは体積されたセラミックまたは金属の部分が残る仕組みだ。最後に、プリント工程が完了したあと、部品を焼結させることで、サポート材料を除去し完成となる。

この手法は、HPのmulti jet husionなどににているが、XJet独自に開発されたもので、造形物の特長としては細かいディテール、滑らかな表面、正確な精度で非常に複雑な部品を生産することができる点だ。今回登場したThe AM Centerは、更に新たな3Dプリント材料やアプリケーションの開発も行われるとのこと。

金属とセラミックによる最終品生産の道

XJetのHanan Gotha最高経営責任者(CEO)は、次のように述べている「新しいAMセンターは、幅広いマルチマテリアルプリントの追求の重要な部分です。 XJet Carmel AMシステムは現在、ステンレススチールまたはジルコニアの2種類のプリント材料を使用できます。私たちのビジョンは、同じパーツに多数の金属とセラミックスを同時にプリントするプラットフォームです。 AMセンターを使用して、特殊用途の開発やデモンストレーション、世界の顧客にむけたテスト部品のプリント、新しい金属およびセラミック材料のトライとデモンストレーションを行います。」

まとめ

現在、金属3Dプリンターを中心に、モノづくりにおける一貫した3Dプリンターの利用が開始されている。そしてそれを体現したものが3Dプリンターセンターなのだ。金属3Dプリンターであればプロトタイプから最終品まで、一貫して利用することができる。

これにより、製品開発のコストとリードタイムが飛躍的に高まるだけではなく、マスカスタマイズなど、多品種生産にも対応可能だ。3Dプリンターの発展により、モノづくりは次世代への道へと進む。

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