フルカラー3Dプリンター3DUJ-553の
透明検証
フルカラーの一体造形ができる3Dプリンター
3Dプリンターでフルカラーの表現が進化をしています。MIMAKIが誇るフルカラー3Dプリンタ―「3DUJ-553」はフルカラー3Dプリンターとして最大1000万色の表現にくわえ高精細な造形ができるのが特長です。また、「3DUJ-553」のもう一つの特長が、色彩表現以外に、透明度が高い造形モデルを作ることができます。今回は、「3DUJ-553」で出力された透明モデルと、後仕上げによってどこまで透明度が増すのかを実験したレポートをご紹介します。
「3DUJ-553」とは?オフィスでフルカラー3Dプリントが実現できる
「3DUJ-553」は、フルカラー3Dプリントを始められる革新的な3Dプリンターです。従来、インクジェットタイプのフルカラー3Dプリンターは、「3DUJ-553」は造形領域:508 x 508 x 305 mmと大きく、大型のフルカラー3Dプリントが手軽に利用ができます。
CMYKWの5色のカラーインクに加え、透明なクリアの材料とサポート専用材料が利用可能です。造形後の後処理も水溶性サポート材から、水に浸すだけでサポート材がはがれ、フルカラー造形が簡単に実現
高い透明性を発揮するクリアカラー
今回ご紹介するように、3DUJ-553の特長の一つがクリアカラーが造形物に組み込むことができる点です。3DUJ-553のクリアカラーは高い透明度を誇り、従来のクリアに比べてより光透過性が高いピュアクリアを採用、造形物の表面や内部など自在に透明な表現を入れることが可能です。特に造形モデルの内部をカラー表現で作られたインクで3Dプリントし、表面をクリアカラーで積層することで、内部にオブジェクトが入った質感などを表現することができます。
また、クリアは他の色と配合することで、色付きの透明色を表現することが可能で、アートやフィギュア、照明の光源モデル、標本など幅広い用途に使用が可能です。
研磨やコーティングで透明度がUP
3Dプリンターで作られた造形物は、表面に積層跡が残る傾向にあります。3DUJ-553のように微細なUVインクを噴霧し積層するタイプのインクジェット方式の3Dプリンターは、積層の影響が出にくいですが、造形後に後仕上げを加えることで、造形物そのものの質感がUPし、滑らかさや透明性が増します。今回は、その実験として3DUJ-553で出力した造形モデルを使って検証結果を公開します。
今回使用したのは透明性と耐UV製を向上させるターナーのUVカットクリア全つやを使用しました。UVカットクリア全つやは3Dプリンター造形物、特にインクジェットタイプや光造形3Dプリンターの透明造形物のコーティングと相性が高い材料です。コーティング材は筆塗りと漬け置きと2パターンの方法で試してみましたが、筆塗りの方が表面が綺麗で透明度が高く再現が可能です。造形物を漬けでコーティングする場合には、液だれなどに注意が必要です。
また人体のスケルトンモデルでは半分に透明コーティングを施すことで、透明性の違いを出すことができます。
まとめ
今回3DUJ-553の透明性検証として、UVカットクリアのコーティングを試してみましたが、研磨などと組み合わせることで、より透明性を高く仕上げることができます。
今回はカラーキューブのサンプルと人体模型を例に検証してみましたが、そのほか内部検証モデルや、流体構造のプロトタイプ、フィギュアやミニチュアなど幅広い分野のフルカラー透明造形物とコーティングを組み合わせることで、仕上がりやクオリティをUPさせることができます。