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Formlabs製品ガイド

【Form 4/4L】造形不良の原因は?5分でできる光学系診断ガイド

i-MAKER 研究室 編集部 | 公開 2025.12.18 読了 約6分

【Form 4/4L】造形不良の原因は?5分でできる光学系診断ガイド

「造形物に謎の穴が開いている」「特定の箇所だけ固まっていない」……現場でそんなトラブルに遭遇した経験はありませんか?

データの不備やレジンの劣化を疑いがちですが、実はプリンターの心臓部である「光学系(光の通り道)」に原因があるケースが少なくありません。ここが正常でなければ、どれだけデータを修正しても解決には至りません。

Form 4 および Form 4L には、エンジニアを呼ばなくても、ユーザー自身で光学系をチェックできる「自己診断機能」が搭載されています。

今回は、身近な「コピー用紙」を使って、バックライトとLPU(ライトプロセッシングユニット)の健康状態を正確に見極める検査手順を解説します。

【準備編】まず理解すべき「光の仕組み」

Form 4 世代の造形プロセス(LFD方式)は、主に2つのユニットの連携で行われます。

ユニット名 役割 不具合時の症状
バックライトモジュール 強力なUV光を発する光源 全体的な硬化不足、部分的な欠落
LPU(ライトプロセッシングユニット) 光の形を制御する液晶パネル 特定箇所の穴あき、不要な突起物の発生

この2つのどちらかに不具合(LED切れや液晶のドット抜け)があると、即座に造形不良に直結します。やみくもに再造形を繰り返して高価なレジンや時間を無駄にする前に、ハードウェアが正常かどうかを切り分けること。これがトラブルシューティングの時間を大幅に短縮する鍵です。

【実践編】プロが教えるステップ・バイ・ステップ

それでは、安全かつ確実に検査を行うための標準手順を解説します。
※警告: バックライトの強力なUV光を直視しないでください。必ず以下の手順通りに保護を行ってください。

Step 1: 診断モードの起動

まずはプリンター本体のタッチパネルを操作し、メンテナンスメニューから光学系の検査ツールを呼び出します。

  • タッチスクリーンのホーム画面から「設定」をタップします。
  • メニュー内の「ツール」を選択します。
  • 「光学系の検査」をタップして診断モードに入ります。
Form 4 タッチスクリーン操作 光学系の検査メニューへの遷移
設定>ツール>光学系の検査を選択

Step 2: 安全対策(コピー用紙のセット)

画面の指示に従い、消耗品(レジンタンク、ビルドプラットフォーム)を取り外します。
その後、ここがプロのポイントですが、LPUガラス面の上に一般的な「コピー用紙」を置きます。

これには2つの重要な役割があります。

  • 保護: 強力なUV光から作業者の目を守る。
  • スクリーン: 光を拡散させ、肉眼では見えにくい光のムラを視認しやすくする。

■ 機種別の用紙枚数

Form 4: 用紙 1枚 をLPUの上に置く
Form 4L: 用紙 2枚 をLPUの上に置く

Form 4 LPUガラス面の上にコピー用紙をセットした状態
LPUの上にコピー用紙を置き、カバーは開けたままにする

Step 3: バックライト単体テスト(光源のチェック)

準備ができたら、タッチパネルの「バックライトのみ」をタップして照射を開始します。ここでは液晶(LPU)はOFF(遮断なし)の状態で、下の光源だけが光ります。

【チェック項目】
用紙全体を見渡し、光り方を確認します。

  • 正常: 用紙全体が「薄暗く、均一に」光っている。
  • 異常: 黒い点や、明らかに暗いエリアがある(LEDの一部が切れている可能性があります)。
Form 4 バックライト点灯テスト 薄暗く均一に光るコピー用紙
正常な場合、全体がぼんやりと均一に発光します

Step 4: システム統合テスト(LPUのチェック)

次に、バックライトと液晶パネルの連携を確認します。タッチパネルの「バックライトとLPU」をタップします。今度は液晶シャッターが開き、全開で光が通ります。

【チェック項目】
先ほどよりも明るく光ります。以下の症状がないか確認してください。

  • 正常: Step 3より明るく、均一に光る。
  • 異常(輝点): 星のように明るい点がある(LPUのピクセル欠けにより、常に光が漏れている状態)。
  • 異常(黒点/帯): 黒い点や帯状の影がある(LPUが光を遮断してしまっているか、内部の汚れ)。
Form 4 LPU点灯テスト 明るく発光するコピー用紙
バックライト+LPUオンの状態。光量の違いを確認します

【技術パート】失敗しないためのプロの「コツ」

1. 部屋の照明を落として観察する

オフィスの蛍光灯下では、微細なドット抜けを見逃してしまうことがあります。検査時は部屋の照明を少し落とすか、手で影を作って用紙を覗き込むように観察してください。

2. 「黒い影」=故障とは限らない

LPUテストで「黒い影」が見えた際、すぐに故障と判断するのは早計です。LPUユニットの裏側や内部に「ホコリ」が付着しているだけで、影ができることが多々あります。

影が見えた場合は、まず以下の清掃を行ってください。

  • エアダスターでLPU周辺のホコリを飛ばす。
  • 洗浄液 3D Medsupo(スリーディメドサポ)等の溶剤を含ませた非研磨性のワイプで、LPU裏面とガラス周辺を優しく清掃する。

これで影が消えれば、パーツ交換の必要はありません。

【応用編】さらなる効率化へ:安定運用のための「標準機材」

この診断でハードウェアに問題がないことが分かれば、造形不良の原因は「データ設定(サポート材の不足など)」か「後処理工程」にあると絞り込めます。

安定した造形運用を実現するには、Form 4のこうした自己診断機能を活用してハードウェアの状態を常に把握することに加え、造形後の「洗浄工程」を標準化することが極めて重要です。

特に、洗浄工程においては 洗浄液 3D Medsupo(スリーディーメドサポ)の使用を推奨します。高い洗浄力を持つこの製品を導入することで、洗浄不足による表面のベタつきや、残留レジンによる寸法誤差といった「洗浄由来のトラブル」を排除できます。

「機械の問題か、洗浄の問題か」を迷わずに済む環境を整えること。これこそが、トラブルシューティングを減らし、生産性を最大化するための最短ルートです。

まとめ:本日のチェックリスト

  • 造形不良時は、まず「光学系の検査」メニューを開く。
  • 必ず「コピー用紙」を敷いて、目の保護と光の拡散を行う。
  • 「黒い点」や「光のムラ」があれば、まずは清掃。それでも消えなければパーツ交換を検討する。

「光り方が正常か判断がつかない」「交換パーツの手配方法が知りたい」という方は、スマホで撮影した用紙の写真を添えて、弊社の技術サポートまでお気軽にご相談ください。私たちプロのエンジニアが、実機と照らし合わせて判定をサポートいたします。

また、「洗浄液 3D Medsupo」の洗浄力を試してみたい方には、サンプルもご用意しております。

出典:Inspecting the Backlight Unit and LPU (Form 4 and Form 4L generation)

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i-MAKER 研究室 編集部

株式会社アイ・メーカーが運営する、ものづくり情報サイト「i-MAKER 研究室」の編集部。3Dプリンター・光造形・洗浄の現場に10年以上携わる経験をもとに、実機検証と取材を軸とした記事を制作しています。

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