
川崎工科高等学校
SOL PRO 3Dスキャナーを使った
ロボットパーツ リバースエンジニアリングの取り組み
3Dスキャナーのリバースエンジニアリングのための
新たな活用方法
3Dプリンターと同様に、新たなテクノロジーとして注目を集めているのが3Dスキャナーです。3Dスキャナーは、物体の形状を読み取って3Dデータ化することができるツールで、これからの活用方法、特にデジタルファブリケーションに分野において期待され、3Dプリンターで出力する前の3Dデータ作りにさまざまな利用が検討されています。今回は、SOL PRO 3Dスキャナーを使った川崎工科高等学校様のテストケースをご紹介します。
神奈川県立川崎工科高等学校のロボットシステムコース
川崎工科高等学校様は、専門のロボットシステムコースを持ち、ロボットに関する基礎的な知識と技術から、ロボット制御のプログラムやメカトロニクス構造までを学ぶことができます。ロボティクスは第四次産業革命の中でも3Dプリンターなどとともに、自動化の領域で注目されている分野で、ロボット作りを学ぶことで、さまざまな自動化スキルを習得することが可能です。
今回、川崎工科高等学校様では、ロボットパーツの一部のリバースにSOL PRO 3Dスキャナーを使ったテスト検証を行っていただきました。
SOL PROでスペアパーツを3Dスキャンして
CADデータ化
今回SOL PROを使ってリバースエンジニアリングが行われたのがロボットの構造部に取り付けるアタッチメントパーツです。
この部品はスペアなどが無いので、部品の破損や劣化などの際、3Dプリンターでパーツを生成するためにデジタルデータの作成に利用されました。


SOL PRO 3Dスキャナーは簡単で高精細を特長とする3Dスキャナーで、わずか数分でオブジェクトの3Dデータ化が可能です。特長として、キャリブレーションとスキャンボタンを押すだけで、自動でメッシュ化まで行ってくれて、マージ機能によって形状を正確にスキャンすることができます。
その特長を生かし、わずか数分でパーツの形状を3Dスキャニングすることに成功しました。


SolidWorksでスキャンデータをベースに3Dモデリング
3Dスキャンされた3Dデータをベースに編集や改良を行うために3Dモデリングを行います。3Dモデリングでは高機能なCADソフトであるSolidWorksを使用し、SOL PROでスキャニングした3Dデータをトレース用の当たりとしてモデリングを行います。
スキャニングした3Dデータをベースにモデリングすることのメリットは第一に、寸法や形状を計測しにくい部分がモデリングしやすくなる点です。またトレースすることで、3D CADソフトの操作を覚えやすく、CADソフトの習得や演習には最適な点です。実物のオブジェクトがあれば、デジタルノギスなどを合わせて使用することで、より正確にデータがモデリング可能です。


3DスキャンデータはそのままCADには変換できない
ここで3Dスキャナーの留意点として挙げられるのが、スキャンした3DデータはそのままCADソフトでは変換することができないという点です。二次元でも同じことですが、二次元のスキャニングした文字や絵などもそのままワードやイラストレーターで編集することができないのと同様、3Dスキャナーでスキャニングした3Dデータもそのままでは編集することができません。編集するためには高額な別のソフトウェアが必要になります。
3Dプリンターでプロトタイピングとスペアパーツを造形
SolidWorksでモデリングされた3Dデータをもとに、3Dプリントでプロトタイピングや造形も可能です。今回3Dスキャンされたアタッチメントパネルも留め具のサイズや幅なども3DCADデータにできれば編集なども可能です。




まとめ:新たな3Dスキャナーの活用方法
3Dスキャナーは物体を3Dデータ化する新しいテクノロジーとしてさまざまな活用方法が期待されています。今回の川崎工科高等学校様におけるCADモデリングのトレース用データは3Dスキャナーが最も活かされる分野の一つといえるでしょう。特にCAD習得のためのツールとしては、CADソフトのさまざまなコマンドを覚え、他の形状の設計に活かすことができます。
SOL PRO アカデミーパックではトレース用のリバースエンジニアリングパックをご用意し3DスキャナーとCAD習得の入門ツールとして役立てていただくことができます。
SOL PRO アカデミーパック
●3Dスキャナーの使い方から3Dデータ化、3Dプリントまで一貫したプロセスを学習できます。
●たった3ステップで3Dデータ化が可能。簡単に3Dデータ化を実現し、さまざまなものを3D化します。
●さまざまな3Dプリンターやツールと組み合わせることで、より専門的で特化した学習体験ができます。
