3Dスキャナーにはスキャンが難しい・できないモノがある
SOL PRO 3Dスキャナーはそもそもスキャンすることが難しい、もしくはできないオブジェクトがいくつかあります。
今回は3Dスキャンが難しいオブジェクトやそもそもできないオブジェクトをご紹介し、それらをなるべくスキャンしやすくする方法ををご紹介していきます。
3Dスキャンに最適なオブジェクトの要素
3Dスキャンが難しい対象物をご紹介する前に、スキャンに最適なオブジェクトの要素をご紹介します。
- マット、光沢のないもの
- 不透明で、半透明や透明ではないもの
- 左右非対称でスキャン要素が多くあるもの
- 黒や暗色ではなく、明るい色であるもの

3Dスキャンが難しいオブジェクトの理由と対策
スキャンが難しいオブジェクト例 | 難しい理由 | 改善方法と対策 |
暗い(マット/光沢)オブジェクト |
レーザーの反射が悪い。 黒いテントとの区別がつきにくい。 |
暗いまたは部分的に暗い表面オプションを使用 パウダーやスプレーを使用 |
光沢のあるオブジェクト |
レーザーが反射してしまう。 |
パウダーやスプレーを使用 |
半透明、透明オブジェクト |
レーザーが透過してしまう。 |
パウダーやスプレーを使用 |
対称オブジェクト |
スキャンを繋ぎ合わせる処理が難しい |
位置合わせの最適化 オブジェクトに何かを追加する |
小さすぎる/大きすぎる |
スキャナーのサイズを超えている。 |
|
細かい穴の開いたオブジェクトなど |
レーザーが奥まで通らない。 |
別の角度で再配置 もしくは多方面でスキャン後、各スキャンモデルをサードパーティのソフトで加工 |
不安定なオブジェクト |
ターンテーブルが動くたびに配置が変わる・倒れる可能性がある |
“Unsteady object “オプションを有効にする。 テープや粘土で対象物を安定させる。 |
柔らかく形が変わるオブジェクト |
スキャンパスを追加すると形が変わってしまう。 |
対象物が動かないように1回だけスキャン |
暗いオブジェクト
黒い色のものや暗い部分のある物体はレーザーの反応が悪くなります。また、テントが黒いためテントとの見分けがつきづらくスキャンが難しくなります。そのまま取ると全体が黒いものはオブジェクトの構造が崩れた状態でスキャンされてしまいます。一部黒いものもその部分だけ崩れたスキャン結果となってしまいます。

暗いオブジェクトの対応策①:ダークモード使用
SOL PRO 3Dスキャナー専用ソフトウェアのSOL PRO Creatorには【暗いまたは部分的に暗い表面】というオプションがあります。スキャンを開始する前にソフトウェアのチェックを入れてスキャンを開始してください。

暗いオブジェクトの対応策②:3Dスキャナー用スプレーの使用
上記のダークモードを使用してもスキャンできない場合、またテクスチャは不要で形状のみ3Dスキャンしたい場合には3Dスキャナー用スプレーの使用がおすすめです。
光沢のあるオブジェクト
3Dスキャンが難しいオブジェクトの一つが光沢のある対象物です。艶のあるコーティングが施された対象物や、射出成型のピアのブラックなどの表面仕上げや、金属素材など、光沢ある物体はレーザーが反射してしまうため、形状やテクスチャを正確に認識しづらく3Dスキャンが難しくなります。

光沢のあるオブジェクトの対応策:3Dスキャナー用スプレーの使用
オブジェクトにベビーパウダーのようなものでコーティングするか、3Dスキャナー用のスプレーをすることでスキャンしやすくなります。オブジェクトに色をつけたくない場合は塗布後に揮発するスプレーもあります。
透明及び半透明のオブジェクト
透明や半透明のオブジェクトはレーザーが透過してしまうため対象物の形状や色をキャプチャできずスキャンできません。

透明・半透明オブジェクトの対応策:3Dスキャナー用スプレーの使用
オブジェクトにベビーパウダーのようなものでコーティングするか、3Dスキャナー用のスプレーをすることでスキャンしやすくなります。オブジェクトに色をつけたくない場合は塗布後に揮発するスプレーもあります。
対照的なオブジェクト
3Dスキャンするオブジェクトが左右対称である場合つなぎ目の位置が分かりずらいために、スキャナーがスキャンした画像を繋ぎ合わせることが難しくなります。
一部でも明らかな特徴があれば位置合わせができますが、なければスキャナーがその判断ができなくなってしまいます。

対照的なオブジェクトの対応策①:特徴点をつける
対照的オブジェクトの3Dスキャン対策ですが、対象物自体に粘土やマーカーなどを足して非対称にすることでスキャンしやすくする方法があります。ただスキャン後にデータの処理が必要になります。

対照的なオブジェクトの対応策②:アライメント調整を行う
SOL PROでは、さまざまな角度からのアライメント(方向)をスキャンすることができます。対照的なオブジェクトの場合、3Dスキャン後に【位置合わせの最適化】を選択し、マウスでスキャンした点群位置を合わせる方法があります。
対照的なオブジェクトの対応策③:有償ソフトで調整を行う
3Dスキャンしたデータを補正や合成するさまざまな有償ソフトがあります。最高の3Dスキャン用ソフトウェアといわれるArtec Studio や、OPT CLOUD SURVEYといった有償ソフトを使用すれば、さまざまな角度からスキャンしたデータの位置合わせも簡単にできます。
小さすぎるまたは大きすぎるオブジェクト
3Dスキャナーに対してオブジェクトが小さすぎたり、大きすぎても上手くスキャンできない場合があります。小さな対象物は限られた解像度でスキャンされるので細かいスキャンはできない可能性があります。
小さすぎる・大きすぎるオブジェクトの対応策
SOL PRO 3Dスキャナーはスキャン可能なサイズが決まっています。
最小オブジェクトサイズは20mm×20mm(直径×高さ)でスキャナーの位置は近くの位置に設定してください。
最大オブジェクトのサイズは170mm×170mm(直径×高さ)で、スキャナーの位置は遠方の位置に設定してください。
穴の開いたオブジェクト
SOL PRO 3Dスキャナーは一方向からレーザーを当てているためスキャナのヘッドから見えない穴や凹みはスキャンすることはできません。

穴の開いたオブジェクトの対応策
スキャンする時に別の角度で配置してみたり、完成したモデルをエクスポートした後、サードパーティの3Dソフトウェアで手動で3Dモデルを加工してください。
不安定な形状のオブジェクト
形状自体がバランスが悪く、動いてしまいやすかったりするものはスキャンの最中にターンテーブルが動いて上手くスキャンできない可能性があります。

不安定な形状のオブジェクトの対応策①:不安定モードを使用
SOL PRO 3Dスキャナーの専用ソフトウェアのSOL PRO Creatorには【非常時オブジェクト】というオプションがあります。それにチェックを入れてスキャンをするとターンテーブルが回転するたびに一時停止します。一時停止のたびに配置を確認しましょう。

不安定な形状のオブジェクトの対応策②:粘着テープ・粘土などの使用
不安定なオブジェクトをスキャンする場合には、ターンテーブルに粘着テープや粘土などで対象物を固定してスキャンする方法もあります。


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