スキャン精度とは?
3Dスキャナーの精度は、スキャンした物体の形状やサイズをどれだけ正確にデジタルデータとして再現できるかを示す指標です。精度が高いほど、現実世界の物体を忠実にデジタル化することができます。
3Dスキャナーの精度は主に2つの要素で評価されます。
SOL PROのスキャン精度

第一が言葉の通りスキャン精度です。スキャン精度は、3Dスキャナーが計測する物体の形状やサイズが、実際の物体とどれだけ一致しているかを示す指標です。単位は通常、ミリメートル(mm)やマイクロメートル(μm)で表されます。
SOL PROのスキャン精度はモードによって異なり、高精細モードだと0.05mm、通常モード、ターボモードだと0.1mmです。
例えば単純な掲載で、スキャン精度が0.05mmで、実際の物体の幅が50mmである場合、スキャンされたデータの幅は、49.95mmから50.05mmの範囲内になることが予想されます。
SOL PROのスキャン解像度

解像度は、3Dスキャナーが捉えることができる最小のディテールの大きさを示す指標です。
これは、3Dスキャンデータ内の隣接する点の最小距離として表されます。解像度が高いほど、より細かいディテールが再現できます。解像度も単位はミリメートル(mm)やマイクロメートル(μm)で表されます。
SOL PROのスキャン解像度は通常モードの場合、平均解像度が 0.07 mmです。高精度モードだと、平均解像度が0.035mmです。
スキャン精度に与える影響
実は3Dスキャナーのスキャン精度に影響を与える指標は単純ではありません。上記の二つの指標の数値以外にも、スキャン精度には以下のようなポイントが重要になってきます。
センサー品質 | 対象物を正確にとらえる機能 |
マルチセンサー | 複数のセンサー(例えば光学センサーと触覚センサー)を統合しているかどうか |
ソフトウェアの性能 | データ解析と生成処理の性能 |
エラー訂正機能 | 測定データの欠損やノイズの補正など |
環境要件 | 光などの環境や使用状況への影響排除 |
キャリブレーションの質 | キャリブレーションの正確性 |
光源の種類と数 | 単一ではなく複数の組み合わせ |
データ処理機能 | ノイズ除去やメッシュ生成、データ整合性の向上などのポストプロセッシングが自動化されているかどうか |
ユーザーインターフェース | ハードとソフトの使いやすさ |
SOL PROの高い精度を実現する機能
SOL PROでは、上記の指標に加え、さらに以下の機能を登載することで、より正確なスキャン性能を実現しています。

ターンテーブルのランダムドットと
キャリブレーション
SOL PROでは、ターンテーブル自体にランダムドットのマーキングを施すことで、より正確なスキャニングが可能です。またキャリブレーション機能がメーカーサーバーからベースデータを取得

遮光専用暗幕の搭載
SOL PRO 3Dスキャナーでは、専用の遮光暗幕が付属しており、スキャニング中の外部からの環境要因を極力排除することができます。蛍光灯や外部からの光など、スキャンに影響を与える要素を取り除くことでより正確に物体がスキャンできます。

形状とテクスチャの自動補正機能
SOL PROではレーザービームで物体の形状を、LEDカメラで物体表面のテクスチャを撮影し、その二つのデータを合わせてフルカラーデータを作成します。このデータの統合に独自技術(特許取得)が用いられており、より正確な位置合わせが可能です。
データ処理(自動メッシュ化)
SOL PROでは、基本的なデータ処理を自動で行う機能があります。表面の点群データを取得後、各点群をメッシュ化する工程も自動で行うことで、より間違いなく3Dのポリゴンモデルを生成可能です。

マージ機能(自動マージ)
SOL PROの特長として、自動マージ機能が搭載されています。物体の対象物を複数方向からスキャンした後、自動で位置合わせが可能です。自動マージは2方向から5方向まで追加することができますが、基本的に2方向で正確な位置合わせが可能です。ただしターンテーブルの置く位置などでマージがずれる場合があります。

マージ機能(3点自動補正)
上記のマージ機能の補完として3点自動補正機能が搭載されています。点群の形状データのみ(カラーテクスチャは除く)ですが、二方向からスキャンしたデータの特徴点、3点以上のポイント補正を行うことで、より正確に物体の3Dモデルを構築します。
SOL PROの二つのスキャンモードで精度が変わる


SOL PRO 3Dスキャナーの精度は上記の通りですが、さらに他のスキャナーにはない特長を備えています。スキャナーのヘッドを遠距離と近距離の二つにセットすることが可能で、よりスキャン精度を向上させることが可能です。スキャンする対象物の大きさに応じて、スキャンのモードを変更することで正確さが向上します。
具体的には、直径 20 ~ 100 mm、高さ 20 ~ 100 mmの物体は近距離モードで、直径 70 ~ 170 mm、高さ 80 ~ 170 mmは遠距離モードでスキャンするとより精度が向上します。