SOL PROの性能とは?
SOL PRO 3Dスキャナーはデスクトップ型の3Dスキャナーとして、どの程度の性能があるのでしょうか?
またSOL PROは通常のスキャンモード以外に、高精細モードも搭載しており、50ミクロンの精度も実現可能です。そこで今回はSOL PRO 3Dスキャナーの通常モード、高精度モードの比較に加え、同型のデスクトップタイプの3Dスキャナーとの比較したデータをご紹介します。
比較にあたっては実寸値の比較と、カラーでの見た目の比較2つをご紹介します。
SOL PROの精度比較
まず初めにSOL PROの精度比較ですが、以下の条件で行いました。サンプルにはなるべく精度検証がしやすい金属のパーツを使用しています。
比較対象
- SOL PRO 通常モード:100ミクロン
- SOL PRO 高精度モード:50ミクロン
- 競合デスクトップ3Dスキャナー:100ミクロン
3Dスキャンの方法
今回の精度比較の3Dスキャンの方法はワンショットでのスキャンで、複数のスキャンデータのマージは行っていません。
検証ソフトと基準について
実際に使用するパーツの実寸値はデジタルノギスを使って計測を行いました。3Dスキャナーでスキャンしたデータは、3DソフトであるSpaceClaimとFreeformでデータ計測を行いました。
競合精度比較の検証結果
今回使用した金属パーツはデジタルノギスで計測した数値が縦64.5mm×横13.92mm×高さ10.57mmであった。SOL PRO高精度モード、SOL PRO通常モード、他社製品でスキャンしたデータをFreeformで計測したデータが以下の通りです。
SOL PRO高精度モード
SOL PRO高精度モードで3Dスキャンしたデータはデジタルノギスで計測した実寸値と比較して縦で0.495mm、横で0.258mm、高さで0.399mmの差異がありました。
単位:mm | デジタルノギス | スキャン結果 | 実寸との差異 |
---|---|---|---|
縦 |
64.5 |
64.995 |
0.495 |
横 |
13.92 |
14.178 |
0.258 |
高さ |
10.57 |
10.969 |
0.399 |
SOL PRO通常モード
SOL PRO通常モードで3Dスキャンしたデータはデジタルノギスで計測した実寸値と比較して縦で-0.194mm、横で0.644mm、高さで0.693mmの差異がありました。
単位:mm | デジタルノギス | スキャン結果 | 実寸との差異 |
---|---|---|---|
縦 |
64.5 |
64.306 |
-0.194 |
横 |
13.92 |
14.564 |
0.644 |
高さ |
10.57 |
11.263 |
0.693 |
競合他社
競合他社の3Dスキャナーは同型のデスクトップタイプです。3Dスキャンしたデータはデジタルノギスで計測した実寸値と比較して縦2.139mm、横0.991mm、高さ1.996mmの差異がありました。
単位:mm | デジタルノギス | スキャン結果 | 実寸との差異 |
---|---|---|---|
縦 |
64.5 |
66.639 |
2.139 |
横 |
13.92 |
14.911 |
0.991 |
高さ |
10.57 |
12.566 |
1.996 |
3DデータのSpaceClaimとFreeformでの比較データ
次に3Dスキャンしたデータが、開く3Dソフトでどの程度データが異なるのかを検証した結果をご紹介します。使用するデータは高精度スキャンで計測したデータを使用します。
縦データ比較
縦の比較データでは、デジタルノギスで計測した実寸値64.50mmに比べて、SpaceClaimで開くと64.715mmで、その差異はわずか0.215mmでした。一方Freeformで64.995mmでその差異は0.495mmでした。
単位:mm | デジタルノギス | スキャン結果 | 単位:mm |
---|---|---|---|
SpaceClaim |
64.5 |
64.715 |
0.215 |
Freeform |
64.5 |
64.995 |
0.495 |
横データ比較
横の比較データでは、デジタルノギスで計測した実寸値13.92mmに比べて、SpaceClaimで開くと13.725mmで、その差異はわずか0.195mmでした。一方Freeformでは14.178mmでその差異は0.258mmでした。
単位:mm | デジタルノギス | スキャン結果 | 実寸との差異 |
---|---|---|---|
SpaceClaim |
13.92 |
13.725 |
0.195 |
Freeform |
13.92 |
14.178 |
0.258 |
高さデータ比較
高さの比較データでは、デジタルノギスで計測した実寸値10.57mmに比べて、SpaceClaimで開くと10.550mmで、その差異はわずか-0.02mmでした。一方Freeformでは10.969mmでその差異は0.399mmでした。
単位:mm | デジタルノギス | スキャン結果 | 実寸との差異 |
---|---|---|---|
SpaceClaim |
10.57 |
10.550 |
-0.02 |
Freeform |
10.57 |
10.969 |
0.399 |
精度比較のまとめ
今回SOL PROの高精度モード(50ミクロン)、通常モード(100ミクロン)、他社製品(100ミクロン)の3つのスキャンを同サンプル、同条件のもとデータをとり比較検証を行いましたが、SOL PROの高精度モードが最も精度が高く、デジタルノギスの実寸値と比べた場合にも、値段の割には高い精度を誇っていました。またSpaceClaimで開いた場合には、約0.1~0.2mm程度の誤差しか見られず、高い正確性が見えました。
カラー3Dスキャンの比較
さて次にご紹介するのがカラー3Dスキャンの比較です。SOL PRO 3Dスキャナーはデスクトップのフルカラー3Dスキャナーですが、カラーテクスチャのキャプチャの良さが特長の一つです。
比較対象
- SOL PRO 通常モード:100ミクロン
- 競合デスクトップ3Dスキャナー:高精度モード
3Dスキャンの方法
今回のカラー比較の3Dスキャンの方法もワンショットでのスキャンで、複数のスキャンデータのマージは行っていません。
競合カラー比較の検証結果
カラー比較用の検証ポイントは以下の3点です。全体のカラー、詳細のディティール、暗い影になる部分です。そのため、対象サンプルにはなるべくカラフルで、ディティールや影になる箇所が多いインテリア雑貨を使用しました。
全体比較
SOL PRO通常モードで3Dスキャンしたデータは競合のHigh Poly meshモードと比べて全体的に明るくスキャンができました。
ディティール比較
細かいディティール部分を比べた場合もSOL PRO通常モードではより実物に近くスキャンされています。
暗い部分の比較
暗い影になる部分もSOL PRO3Dスキャナーはよりはっきりとスキャンができます。今回は通常モードですが、暗めの対象物はダークモードを使用してスキャニングもできます。
カラー3Dスキャンの比較
SOL PRO 3Dスキャナーの通常モードでは、明るさやオブジェクトのディティールなどもより詳細にスキャンすることができます。またオブジェクトの大きさに応じて近距離モードと遠距離モードの2つのスキャンモードを使い分けることが可能で、より対象物の大きさにあったスキャニングが可能です。
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