シリコーンとは 代表的製品と概要
シリコーンは今ではあらゆる産業で使用されている機能性素材だ。その形態はさまざまなカタチに対応可能で、最も一般的なシリコーンゴムから、シリコーン樹脂、シリコーンオイル、シリコーングリス、シリコーンコーキングなど、用途に応じた形態も多岐に渡る。
使用されている製品も調理器具などの日用品から、医薬品、化粧品の原料、接着剤、潤滑剤、電気絶縁材など、さまざまで、現代の生活環境を整えるためになくてはならない素材となりつつある。
ちなみにシリコーンが使われている製品のことは、一般的には「シリコン製」などのように「シリコン」と一括りで呼ばれるが、厳密に言うと、シリコーンとシリコンは全く別もの。後に詳しくご紹介するが、シリコンはシリコーンを形づくるための元素であるケイ素のことで、シリコーンはケイ素であるシリコンと酸素、炭素、水素などを使って繰り返し結合されたポリマーのことである。
本論ではポリマーとしてのシリコーンの特性と用途について、具体的な事例や特長を踏まえながらご紹介することとする。
冒頭で述べたとおり、シリコーンは今やさまざまな利用方法が開始されており、特に身近な日用品としては調理器具として使用が盛んな素材でもある。
例えば、電子レンジで温めることができて、そのまま鍋として使用することができるタジン鍋や、鍋つかみ、パスタレードル、キッチンお玉、キッチンターナー、お皿、水筒のボトル、柔らかいコップ、チョコレートやケーキの型など、調理器具や食器といった利用が非常に盛んである。このような調理器具や、食器でシリコーンが多用される背景にもシリコーンの優れた耐熱性や、低汚染、非毒性、絶縁性などが影響している。
また、シリコーンは現在では、日用品以外にも、さまざまな産業で使用が進んでいる。日用品や家電製品、さらには化粧品の原料にいたるまで、あらゆる産業に姿形を変え、シリコーンは浸透してきているのである。使用拡大の最大の理由は、優れた特性にも因っているが、その重合度や置換基によってさまざまな形態を取ることが挙げられる。
さらには加工方法も多岐に渡っており、金型をつかった押出成形やプレス成形、射出成形に始まり、発泡状にする発泡成形にも対応している。
最近では、シリコーン専用の3Dプリンターの開発も進められており、シリコーンの主要メーカーであるワッカーケミーなどがいち早くこの新しい製造技術を開発している状況だ。
ちなみにシリコーンのメーカーは上記のワッカーケミー以外に、ダウコーニングや、信越化学工業、東レとダウコーニングの合弁企業である東レ・ダウコーニング株式会社、ワッカーケミーと旭化成の合弁企業、旭化成ワッカーなどが有名。本日はあらゆる分野で活躍する機能性素材シリコーンの特性と用途についてご紹介しよう。
シリコーンの歴史
シリコーンはイギリスの化学者、フレデリック・キッピングによって開発されたとされる。フレデリック・キッピングは1863年にマンチェスターで生まれ、ロンドン大学、ドイツのミュンヘン大学を経てイングランドに戻り、1901年頃にシリコンの有機化合物としてのシリコーンを開発した。
その後彼の研究は、現在多くの工業製品の原料伴っているシリコーンゴムの開発や、シリコーン系潤滑剤の開発に注がれることとなる。しかし、フレデリック・キッピングの開発時代には、シリコーンの優れた性質が注目されるようになったものの、費用面などから直接工業製品などの原料として使用されるまでには至っていなかったとされる。
シリコーンが最初に素材として使用されたのは1940年であり、GEが、耐熱絶縁体として軍事用に利用したのがきっかけである。ちなみに日本では東芝が1941年にシリコーン樹脂の開発に乗り出し1951年から使用。素材としての開発と販売は、1953年に信越化学工業が開始してから現代まで至る。
シリコーンの特性 長所と短所
冒頭でもご紹介したとおりシリコーンは、優れた耐熱性や絶縁性、低毒性などから、さまざまな製品に利用が進んでいる。しかし、シリコーンがさまざまな用途に利用されるには、他にも優れた特性を持っているからである。例えば熱に関してだが、シリコーンは耐熱性が高いというだけではなく、低い熱伝導率を持つ。
そのため調理器具などで使用する場合、熱が伝わりにくいため、直接持ち手に対して熱が伝わることがない。また一般的には耐熱性が注目されるが、シリコーンは耐寒性にも優れた特性を持つ。その温度範囲はマイナス100℃から250℃という非常に幅広い範囲の熱安定性をもち、高温にも低温にも強い。
シリコーンの幅広い温度安定性の秘密は、シリコーンの分子構造に由来している。シリコーンの分子構造は、ケイ素と酸素が螺旋状に連結して構成されているということは歴史の部分で触れたが、この原子と原子の距離が長いことから、原子同士がくっつきにくく、低温下においてもかたまることがない。
このシリコーンの最大の特性の一つでもある広範囲における温度安定性は、他のプラスチック素材では再現することが難しく、シリコーンがあらゆる産業で多用される理由の大きなものでもある。
さらに、シリコーンが持つ重要な特性の一つとして電気絶縁性がある。電気絶縁性の用途は幅広く、例えば自動車のプラグやワイヤーなどの部分にも使用されシリコーンの層によって絶縁される。その他水をはじく撥水性や、耐紫外線性、高いガス透過率といった性能が挙げられる。
シリコーンの長所
- 耐熱性:高い耐熱性を持つ。最高で250℃近い環境下でも変化することなく使用できる
- 低い熱伝導率:熱が伝わりにくい性質を持つ。
- 熱安定性:高い熱安定性を持つ。-100℃から250℃といった広い温度範囲で特性が変わらない。
- 撥水性:水をはじく高い撥水性を持つ。
- 電気絶縁性:高い電気絶縁性を持ち、幅広い電気用途に使用できる。
- 耐候性:酸素やオゾン、紫外線などに対する高い特性を持つ。コーティング材などでの利用にも適している。
- 化学反応性:低い化学反応性を持ち、性質が変わらない。
- 低毒性:毒性が低い。
- ガス透過率:室温25℃の環境かで、酸素などのガス透過性に優れる。
- 非粘着性:ほとんどの素材にくっつかない特性を持つ。シリコーン型としても多用される所以。ただしガラスにはくっつきやすい性質を持つ。
シリコーンの短所
- 非粘着性:ほとんどの素材にくっつかない特性を持つ。(長所でもあるが、用途によっては短所になる)
- 強度:引張り強さや、引き裂き強さなどでは劣る。
- 耐磨耗性:耐磨耗性でも劣る。
シリコーンの製法
シリコーンの歴史の部分で、シリコーンとシリコンの違いについてご説明したが、シリコーンはケイ素から作り出される。ケイ素とは地球上で酸素の次に多い元素で別名「シリコン」とも表記される。
シリコーンはこのケイ素すなわちシリコンをベースに、さまざまな形状、特性を持つ製品に生成される。ちなみにケイ素、すなわちシリコンが最も多用される存在が半導体である。ケイ素、シリコンは電気を通す導体と通さない絶縁体の性質を持つことから、半導体での利用が盛んである。
シリコーンに関して、生成の際に使用されるケイ素(シリコン)だが、基本的には酸素と一体となったケイ石という形で存在している。このケイ石の化学構造がシロキサン結合と言われる構造であり、このシロキサン結合の分子の数やつながり方の違い、その他の分子を配合することで、さまざまな形態に変化することができる。
シリコーンゴムやシリコーン樹脂、シリコーンオイルなどの形態が中心で、その優れた特性からさまざまな分野で使用される素材だ。
シリコーンの加工と用途
シリコーンはその優れた特性や、さまざまな形態から、あらゆる製品に使用されている。その分野は多岐に渡っており、エレクトロニクスから、自動車、事務用機器から、食器や調理器具、台所用品、日用品、おもちゃ、コーティング剤、医療用、シリコーン型、など非常に幅広い。
その形態もゴム状のものからプラスチック状のもの、オイル状まで、あらゆる形態を取る。そのいずれにも、シリコーンの特性の部分でご紹介したような、優れた特性が活かされている。とりわけ馴染み深いシリコーンの製品といえば調理器具などが挙げられるだろう。
優れた耐熱性から、お玉、パスタレードルといった調理器具に始まり、絶縁性があることから電子レンジで使用することができる圧力鍋なども登場している。また、シリコーンの温度安定性は熱だけではなく冷気にも強いということが挙げられるが、こうした温度安定性を活かし氷をつくるためのアイスキューブトレイなどでも使われている。
また、シリコーンの非粘着性は型として使用され、さまざまな製品の金型として活躍している。こうしたシリコーンの成形品の加工は、基本的に金型による成形で行われる。
シリコーンは加熱すると固まる熱硬化性の特性を持つが、液体射出成形や押出成形、熱硬化性樹脂の代表とも言えるコンプレッション成形で作られることが多い。一方、シリコーンは成形品としてだけではなくオイル状として使用されるケースも多い。
シリコーンがオイルとして使用される場合には、シャンプーや化粧品といった日用品から、エレクトロニクス製品まで幅広く使用される。ここでは身近な代表的なシリコーン製品を例にその加工と用途をご紹介しよう。
シリコーンゴム:耐熱性、耐寒性、耐候性で最も幅広い使用
シリコーンが最も有名で広く使用されている形態が、ゴム状の形態であるシリコーンゴムである。ちなみにゴムというと樹液などから作られる天然ゴムと、高分子素材を配合して人工的に作られる合成ゴムとに二分されるが、シリコーンゴムは合成ゴムの分野に分類される。
シリコーンゴムで作られる製品は多種多様で、料理やベーキング関連の調理器具に始まり、スポーツウェアや下着、医療用インプラント、自動車用パーツ、エレクトロニクス製品などあらゆる分野に及ぶ。とりわけ最も馴染み深い存在が、調理器具としてのシリコーンゴムだろう。
電子レンジでも使用できて、そのまま食卓でも使用できるシリコーン圧力鍋や、シリコーンゴムによるキッチンマット、沸騰したお湯が入った鍋を持っても大丈夫なシリコーンミトン(鍋つかみ)など、調理器具やキッチン用品にとって、シリコーンの耐熱性と断熱性は最適な性能を発揮する。
シリコーンゴムの特性として最大のものがこの温度に対する耐性であり、300℃から-100℃までの環境下において非反応性、安定性を保持する特性を持つ。
こうした高い温度安定性は、調理器具だけではなく自動車用パーツなどでも真価を発揮する。とりわけ長期間高温状態にさらされるエンジン周りのパーツや、電線の皮膜、ヒーター周辺のパーツにも最適な性能だ。また、低音での環境下での使用にも耐えうることから、寒冷地での使用を目的とした製品には欠かすことができない素材でもある。
このような広範囲にわたる温度安定性と同時に、シリコーンゴムは耐候性にも優れるというゴムとしては際立った特性を持つ。通常一般的な有機ゴムは二酸化炭素と紫外線の影響を受けやすいが、シリコーンゴムは、こうしたゴムを老化させる特性に対しても高い耐性を持っている。さらに生体適合性を持っており柔らかい柔軟な質感から、医療用インプラントやベビー用ケア用品としても最適である。
シリコーンゴムの特性
シリコーンゴムは上記で述べたとおり、高い耐熱性と耐寒性、耐候性を持つ。とりわけ高温や低温といった極端な温度環境下においては、伸び、クリープ性、屈曲、引裂強度、圧縮永久歪、絶縁耐力(高電圧時)、熱伝導性、耐火性などにおいて他のゴムに比べて非常に優れた特性を発揮する。
- 耐熱性:300℃までの高温でも特性が変化しない。
- 耐寒性:-100℃までの低温でも特性が変化しない。
- 耐候性:二酸化炭素や紫外線に対して高い耐性を持つ。
- 生体適合性:高度に不活性であり、ほとんどの化学物質と反応しない。
- 耐薬品性:液状シリコーンゴムは、水、酸化および酸やアルカリなどのいくつかの化学溶液に対して抵抗性を持つ。
- 機械的性質:良好な伸び、高い引裂および引張強度、優れた柔軟性と5〜80ショアAの硬度範囲を持つ。
- 電気特性:優れた絶縁特性を有す。
- 透明性と色素沈着:シリコーンゴムは自然な透明性を有しており、着色なども可能。
シリコーンゴムの加工 液状シリコーンの射出成形
シリコーンゴムは、基本的に成形前はゲル状か液体である。成形品として利用するためには加熱して硬化し金型で成形しなければならない。このシリコーンゴムの加工方法は大きく分類して熱硬化型システムと、室温硬化型システムという加工方法に分類される。
特にここでは、上記で述べたような大量生産品を目的とした加工方法である液状シリコーンゴムの射出成形(LSR)についてご紹介しよう。
射出成形そのものに関しては、「射出成形の特徴 高品質で量産性の高いプラスチック成形の王様」という記事で詳しくご紹介しているのでそちらをご参照いただければと思うが、ここではLSRの特徴についてご紹介する。
通常、一般的な射出成形では、加熱すると溶けて、冷却すると固まるという特性を持つ熱可塑性樹脂を使用するが、全く逆の特性を持つ熱硬化性のシリコーンゴムでは、はじめに冷却状態を保持しながら液状の材料に着色ペーストや、そのほかの添加剤を混ぜ合わせ、金型内に注入して加熱し硬化するプロセスをとる。
これによってシリコーンゴム製品を大量に短時間で自動的に作り出すことが可能になる。液状シリコーンゴムの射出成形(LSR)を経て作られたシリコーンゴムの製品は、非常に耐久性が高く熱に強く溶融しない。数多くの日用品やキッチン用品、ベビー用哺乳瓶の乳首、電気用コネクタ、エンジン用パーツなど高い精度を必要とするパーツや製品には欠かすことができない加工方法である。
シリコーンオイル:高い潤滑性と耐熱性で幅広い用途に
シリコーンはまた、オイル状の製品としても我々の身の回りに多く存在する。とりわけ高い熱安定性と潤滑特性から非常に幅広い分野で用いられる。化粧品や日用品の成分として使用されるだけではなく医療用、自動車用などでも使われ、とりわけ産業用では潤滑剤としてだけではなく作動流体として使用されることが多い。
ダッシュポット、湿式変圧器、拡散ポンプなどが挙げられる。シリコーンオイルの一形態であるシリコーングリースでは、さらに用途が広がり、多くの製品で使用される。日用品や軟膏として馴染み深いワセリンから、水水中懐中電灯のスレッドの潤滑用では、懐中電灯の耐水性を向上させ、磨耗からスレッドを保護する役割を担っている。
更には、建築資材などの接合に使用されるシリコーンシーラントでは、耐久性や耐候性、防水性という高い特性を持つことから、水族館のアクリルガラスを接合するために必須の素材だ。シリコーンシーリング材で作られたガラス接合部は、これまでのパテによる接合方法に比べて、はるかに大きな圧力に耐えうることができ、また高い防水性や耐久性によって高レベルな密閉空間を生み出すことができる。
本稿でご紹介したシリコーンの用途はあくまでも代表的なものであり、これ以外にも様々な使われ方をしている。例えばシリコーンは発泡成形にも対応しており、独特の質感や風合いを出すことも出来る。
この特性や加工法によって斬新な製品が生まれることもあり中にはシリコーンの高い透明性と柔軟性を活かし、ガラスのコップに見えるシリコーンのコップも登場している。このようにシリコーンは素材としての特性だけではなく見た目のなめらかさ、美しさをも兼ね備える素材であることから、製品開発のひとつの選択肢として期待が持てる素材だ。
3Dプリンターとシリコーン
現代のものづくりにおいて非常に大きな役割を担っているシリコーンだが、3Dプリンターでの使用も研究開発が行われている。シリコーンの加工も、金型ではなくデジタルデータからのダイレクト製造が行われるようになれば、よりものづくりの幅が広がり、新たなアイデアをカタチにする可能性が広がることだろう。現在公表されているだけでもシリコーンの3Dプリンター開発に取り組む企業は2社存在するが、その中でも特に期待が出来る存在がワッカーケミー社が開発するシリコーン3Dプリンターだ。
世界最大のシリコーンメーカー、ワッカーケミーの3Dプリンター開発
ワッカーケミーは創業100年以上の歴史をほこる世界最大級のシリコーンメーカーだ。全世界100カ国に展開し、2015年度の年間売上高は53億ユーロにも及ぶ。
日本では旭化成との合弁で事業を展開している。シリコーンの3Dプリンターはこのワッカーケミーのワッカーシリコーンの中で2014年から開発が進められている。実機の公開にまでは至っていないが、その開発は着々と進んでいるようで、以前「射出成形レベルの仕上がりと生産性。ワッカーケミーのシリコーン3Dプリント」でご紹介した時には0.3mmの精度であったが、現在では100ミクロンよりも細かい精度をクリアしているようだ。
造形方法は、シリコーンの熱硬化性を利用した手法で、インクジェット3Dプリントと近い製法である。シリコーンの微細な液滴を堆積しながら紫外線を照射することで硬化させる方法。毎秒100グラムの物量を積層可能で、その高速性能と微細な仕上がりが期待されている。
この3Dプリンターは、2016年10月にドイツで開催されるプラスチックとゴムのショーで初お披露目される予定だ。これまで述べてきたようにシリコーンは耐熱性と柔軟性があり、透明性と生体適合性が有り、あらゆる業界で重宝される素材。そのシリコーンがデジタルデータからダイレクトに製造することができれば、日用品から産業用、医療用と多くの業界が活性化するだろう。
ちなみにワッカーケミーは、このシリコーンの3Dプリンターによって、オンデマンド3Dプリントサービスも計画しているとのことで、顧客が3Dデータをクラウド上にアップロードし、ワッカーケミーのチームによってプリントされ届けられる。また、ストラタシスが行う3Dプリントサービスのように、シリコーンに関する高い専門性を活かして、開発サービスや製品開発に関する3Dプリントコンサルティングも提供するとのことだ。
いずれにせよ世界最大のシリコーンメーカーが取り組む、新たな開発に注目が集まりそうだ。
シリコーン3Dプリンターのデスクトップ版開発の動き
同時にワッカーケミー以外でもシリコーンの3Dプリンター開発に挑戦する企業が登場している。1社はイギリスの企業フリップデザイン社だ。フリップデザインはもともとプロダクトデザインから製品設計、研究開発、材料プロセスの開発などに取り組む企業だが、今回新たにシリコーンの3Dプリンターも開発している。
フリップデザインのシリコーン3Dプリンターは、ワッカーケミーのインクジェットに近い硬化方法とは違い、押し出し方法を採用している。一般的に3Dプリンターの押出であるFDMは、加熱すると柔らかくなり、冷却すると固まる熱可塑性樹脂が使用されるが、シリコーンは加熱すると硬くなる熱硬化性樹脂に分類される。
フリップデザインは特別な特許取得技術によって、押出ノズルでシリコーンの硬さや柔らかさを調整し押し出す方法を開発している。
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まとめ さらに進化・普及するシリコーン
これまでご紹介してきたようにシリコーンは、その高い性能を活かして様々な製品に使用されてきた。耐熱性、高い温度安定性、低い熱伝導率、耐候性、撥水性、生体適合性といった特長は言ってみれば極めて汎用性が高いと言えるだろう。またシリコーンゴムと言われるように一定の柔軟性も表現することが出来る素材でもある。
こうした硬さ柔らかさを自在に表現でき、同時にどのような環境下においても素材としての性能を失わず、更には人体にも有害ではないという能力は他にはない強みだといえよう。更には、シリコーンが3Dプリンターに対応することによって、ものづくりや製品開発の幅を大きく拡大するだろう。
これまで大きなコストがかかる金型成形でしかシリコーンは加工することができなかったがデジタルデータからダイレクトに成形することができれば、製品開発のコストも時間も大幅に短縮することが出来る。シリコーンの3Dプリンターは現在開発中ではあるが、完成した暁にはあらゆる分野の製品開発、ダイレクト製造で重宝されるだろう。シリコーンの活躍と浸透はまだまだこれから拡大しそうだ。
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