導電性ゴム(ポリウレタン)の3Dプリントフィラメント

フィラメントのバリエーション拡大

FDM熱溶解積層法の材料として知られるフィラメント材料。多用な素材と組み合わせることで、さまざまな見た目や機能を発揮することが可能だ。金属粉末を配合することで、プラスチックでありながら、メタリックな仕上がりを表現することができるし、木材チップとの混合は、木目調の造形物を可能にする。こうしたフィラメント開発は、素材の見た目だけを表現する物ではない。鉄磁石の素材を混合することで、マグネット機能を持たせる試作品を作れたり、グラフェンとの配合は、バッテリーの試作品を可能にする。

こうした3Dプリンターの主力材料であるフィラメントのバリエーション拡大は、3Dプリンターの使用範囲をぞくぞくと広げ始めている。本日ご紹介する導電性ポリウレタンのフィラメントもそのうちの一つ。ポリウレタンは合成ゴムの主力素材の一つ。その特性は耐摩耗性や反発弾性、抗張力に優れる素材。その熱価性ポリウレタンにカーボンを配合することで導電性を備えたポリウレタンの3Dプリントフィラメントの開発が行われている。

導電性ポリウレタン3Dプリントの可能性

この導電性ポリウレタンの3Dプリントフィラメントはどのような用途に使用できるのだろうか。このフィラメントを開発したRubber3DPrintingによると、ロボットなどの人口指に使用することができるという。実はロボット人口指での導電性ポリウレタンは新しいものではなく、既に折り曲げ可能な関節と、指先をタッチセンシティブにする用途から導電性ポリウレタンは使用されているが、これが3Dプリンターで作ることにより、従来よりもはるかに手頃な価格で試作品が作れるようになるとのこと。

また、この導電性ポリウレタンのフィラメントは柔軟なゴム性質を活かして、既にサンダルや、ラジコンのタイヤなどにも使用可能だという。こうしたサンダルやラジコンのタイヤはMakerBotの3DデータサイトThingiverseでダウンロード可能だ。

人口ロボット指のセンサー動画

ラジコンタイヤの動画

ラジコンタイヤ
サンダル

まとめ

現在この導電性ポリウレタンのフィラメントは、量産化を可能にするため資金調達の準備段階に入っている状況だ。2015年の初めにはクラウドファンディングのindiegogoで資金調達を開始するという。3Dフィラメント材料は続々と登場しているが、とりわけ導電性などの機能性を持つフィラメントは多くの期待が寄せられる。単なる物体の試作ではなく、機能を備えた製品開発の試作に適用できるからだ。より手頃な価格で製品開発が進められれば、若くても社会にインパクトを与える製品を世に送り出すことにつながる。そんな製品開発への期待を感じさせてくれる取組だ。

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