ステンレス鋼と鉄磁石のPLA フィラメントが登場

金属素材とPLAフィラメントをミックスさせる開発

先日、磁気を帯びたPLAフィラメントProtFluxの登場をご紹介したが、本日は別のフィラメントメーカーProto-pastaが、新たな磁気を帯びたPLAフィラメントと、ステンレス鋼を混合したPLAフィラメントをリリースした。次々と開発が進む3Dプリンター用のフィラメントだが、さまざまな素材とミックスさせることによって試作製造の幅が大きく広がりそうだ。

前回ご紹介したProtFluxの磁気をおびたPLAフィラメントは、磁気を応用しデジタル記録装置などの試作品に活かすことができるが、今回Proto-pasta社がリリースしたものも同じく鉄のマグネットのような機能があるという。またステンレス鋼という金属素材の混合は興味深いところ。ステンレスは通常でいえば鋳造や鍛造といった製法で加工される金属素材だがフィラメントと混合することでどのような機能が出せるのだろうか。本日は新たな3Dプリントフィラメント2種類をご紹介。

研磨でメタリックな仕上げができるステンレス鋼のフィラメント

ステンレス鋼が配合されたPLAフィラメントだが、その最大の特長は、プラスチック素材ありながら、研磨やブラッシングをほどこすことによって、金属そのもののメタリックな仕上がりを出せるという点だろう。

金属としてのステンレスの最大の特長は、さびずに、研磨や塗装などをほどこさなくても、いろいろな環境で使用することができる点にある。その用途は非常に幅広く、鉄道車両から、調理器具など多岐にわたる。一般的にはJIS規格から「SUS」の略号が付けられているから、「サス」と言われている。

成分は鉄やその他の成分によって決まるため非常に種類が多く「SUS630」とか、種類によって番号が異なる。このステンレス配合のPLAフィラメントは、金属素材としてのステンレスの機能をどこまで発揮しているかは不明だが、少なくとも、鋳造で作られるアクセサリーやパーツの模擬試作などには使用できそうだ。

下記はこのステンレスPLAフィラメントで作られた指輪や置物。通常のステンレス素材よりもやや黒みがかった仕上がりだが金属さながらの光沢が出ている。

鋳造で作られた金属のようなメタリックが出せる
研磨することでメタリックなつやが出せる
ほぼ金属に近い造形が可能

マグネットにもなる鉄磁石のPLAフィラメント

もう一つProto-pastaがリリースしたのが鉄磁石のPLAフィラメント。こちらは動画で造形された物体が磁石になる模様を公開している。細かいスペック等は不明で、先日ご紹介したProtFluxとの違いは不明だが、同じようにマグネットのような造形物が作れるとのことだ。

こちらもステンレススチールと同様、鉄をPLA樹脂に混ぜ合わせたもので、これにより新たな試作品が作れそうだ。ちなみに、上記で紹介したステンレスのフィラメントも、この鉄磁石のフィラメントも、通常のPLA樹脂によるフィラメントよりも重量が倍以上で驚くほど重いという。まさに金属さながらの質感を出している。

マグネットになる鉄磁石のフィラメント動画

マグネットになる造形物が可能

まとめ どんどん広がるFDMの試作

3Dプリンター、特にFDMタイプの材料であるフィラメントは続々と登場してきている。フィラメントの種類の拡大は試作範囲がそのまま拡大することになるだろう。今回Proto-pastaは、この材料のリリースと同時にアートコンテストを実施し、新作の2種類のフィラメントを作った作品を募集している。募集されたアート作品たちは2015年のMaker FaireやCESといった展示会で展示されるとのことだ。これまでなかった金属調の材料を使ってどのような作品が登場するか非常に興味深い。ちなみに、このステンレス鋼と鉄磁石のPLAフィラメントは11月末から予約受付で、正式なリリースは2015年に入ってから。

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