造形停止をゼロに!プロが教えるForm 4レジンカートリッジ設定手順

造形停止をゼロに!プロが教える
Form 4レジンカートリッジ設定手順
「朝、出社したら造形が止まっていた…」「『レジン切れ』の警告が出ているのに、カートリッジにはまだ中身が残っている」。
こうした経験はありませんか?これらは多くの場合、故障ではなく「セットアップのちょっとしたコツ」で防ぐことができます。
Formlabs製品の心臓部である「レジン自動供給システム」は非常に優秀ですが、正しい手順でセットアップされていないと、物理的にレジンが供給されません。今回は、最新の Form 4 を例に、私たち販売店の技術チームが現場で必ず行っている「供給エラーを起こさないための標準手順」を解説します。
【準備編】なぜレジンが落ちてこないのか?仕組みを理解する
Formlabsの3Dプリンターは、レジンタンク(レジンを入れるトレイ)内の液量をセンサーで常時監視し、減った分だけカートリッジから自動補充するシステムを搭載しています。
この監視方法は、機種によって大きく異なります。
| 機種 | レジン管理方式 | 液面検知センサー | 特徴 |
|---|---|---|---|
| Form 4 シリーズ | RFIDステッカー(非接触) | 超音波センサー | 非接触のため汚れに強く、認識エラーがほぼ起きない。 |
| Form 2 / 3 シリーズ | IDチップ(金属接点) | レベルセンス(フロート式) | 物理的な接触が必要。汚れによる接触不良に注意が必要。 |
■ なぜこの理解が必要か
この自動システムのおかげで、ユーザーは造形中に手動でレジンを継ぎ足す必要がありません。しかし、カートリッジの空気穴(ベントキャップ)や供給口(バイトバルブ)の状態が不適切だと、センサーが正しく働いても物理的にレジンが落ちてこない現象が起きます。
これを防ぐための、ルーティンを実践しましょう。
【実践編】プロが教えるセットアップ手順(ステップ・バイ・ステップ)
ここでは、新しいカートリッジをセットしてから造形を開始するまでの手順を紹介します。以下の3ステップを確実に実行してください。
Step 1: バイトバルブ(供給口)の「開通確認」
新品のカートリッジや長期間保管していたカートリッジは、供給口のゴム(バイトバルブ)が癒着して開かないことがあります。ここがくっついていると、プリンターがいくら圧力をかけてもレジンが出てきません。
- カートリッジ底面にあるオレンジ色のゴム部分(バイトバルブ)を確認します。
- バイトバルブを指で両側から強めに「グッ」とつまみます。
- 中央のスリット(切れ込み)がパカッと開くことを目視で確認してください。
Step 2: 空気抜きキャップの開放
意外と多いのがこの忘れ物です。点滴と同じ原理で、上から空気が入らないと下の供給口から液体は出てきません。
- カートリッジをプリンター本体に挿入します。
- カートリッジ上部にある「空気抜きキャップ」を指で押し上げます。
- 「パチン」と音がするまで確実に開けてください。
■ 運用ルール
造形中は「常時開放」、保管時(プリンターから取り外す時)は「密閉」します。
Step 3: プレチェック(ID/RFIDの認識確認)
物理的な準備ができたら、データ上の整合性を確認します。Formlabs専用ソフトウェア PreForm から転送したデータと、セットしたレジンの種類が一致している必要があります。
- プリンターのタッチパネルを確認します。
- ホーム画面上の「タンク」と「カートリッジ」のアイコンが正常に表示されているか確認します。
- Form 4 の場合、RFID(非接触)のため挿入するだけで瞬時に認識されます。
- Form 3 / 2 の場合、IDチップ(金属端子)の汚れにより認識しないことがあります。その際は、チップ表面をIPA(イソプロピルアルコール)を含ませた綿棒で清掃してください。
【技術パート】失敗しないためのプロの「運用のコツ」
よくある失敗:センサー汚れによる誤検知
特にForm 2やForm 3の場合、レジンタンク背面のフロート(浮き子)が固着したり、レベルセンスボードにレジンが付着したりすると、レジンが満タンでも「空」と判定されることがあります。
成功のポイント
- Form 4の優位性:
Form 4 は超音波センサーを採用しており、液面に触れずに測定します。そのため、こうしたセンサー汚れによるトラブルや部品の摩耗による誤検知が劇的に減りました。 - 品質管理の秘訣:
造形品質を守るには、機械の中(レジン管理)だけでなく、造形後の「洗浄」も重要です。弊社では、高い洗浄力と安全性のバランスが良い 洗浄液 3D Medsupo(スリーディーメドサポ) を標準採用しています。レジン供給がスムーズにいっても、洗浄不足で造形物がベタついてしまっては意味がありません。正確な造形と完璧な後処理はセットで考えましょう。
【応用編】安定運用のためのベストプラクティス構成
販売店として、お客様に「最もトラブルが少なく、効率が良い」と自信を持って推奨できる鉄板構成は以下の通りです。
- 機材:Form 4
RFID管理により、カートリッジ交換時の接触不良エラーを排除します。超音波センサーにより、正確なレジン残量管理が可能になり、夜間の予期せぬ停止を防ぎます。 - 運用:標準手順の徹底
今回紹介した「バイトバルブの指確認」と「キャップ開放」をチーム全員の作業ルールとして定着させます。 - 後処理:洗浄液 3D Medsupo
Form 4の高速造形に合わせ、後処理の効率化も必須です。3D Medsupoは危険物管理の手間とコストを削減。Form 4の生産性を損ないません。
まとめ
本日のチェックリストです。造形前に必ず振り返ってください。
- ✅ 新品カートリッジは必ず「バイトバルブ」をつまんで開通確認をする。
- ✅ 造形スタート時は、必ず「空気抜きキャップ」を開ける。
- ✅ Form 2/3ユーザーはチップ清掃を、Form 4ユーザーはセンサー部を清潔に保つ。
「センサーのエラーが頻発して困っている」「Form 4の実機でRFIDの挙動や、3D Medsupoの洗浄効果を見てみたい」という方は、ぜひ弊社のショールームへお越しください。 実機を使ったトラブルシューティング講習や、最適な機材選定の相談も随時承っております。

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