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Formlabs製品ガイド

Form 4の造形失敗を防ぐ!正しい水平出し(レベリング)手順とコツ

i-MAKER 研究室 編集部 | 公開 2025.12.01 読了 約6分

Form 4の造形失敗を防ぐ!正しい水平出し(レベリング)手順とコツ

「なぜか最近、タンクへのレジン供給が安定しない」「造形エリアの端だけで失敗が起きる」。

もし、このような不可解なトラブルに直面しているなら、パラメータ設定を疑う前に「設置環境の傾き」を確認してください。

Formlabsのプリンターは非常に繊細なセンサーを持っています。特に、圧倒的な造形スピードを誇る Form 4 においては、正確な水平維持が品質安定の絶対条件です。今回は、私たち技術部門が現場で実施している「1分で終わる正確なレベリング手順」を解説します。

【準備編】なぜ「水平出し」が重要なのか?

作業に入る前に、なぜ水平が必要なのかを理解しておきましょう。

  • 機能の概要:
    Formlabsプリンター(Form 4 や Form 3シリーズ)には、傾き検知センサーが内蔵されています。本体が傾いていると検知された場合、レジンタンク(レジンを入れるトレイ)からの液あふれを防ぐため、システムが動作を停止したり、警告を出したりします。
  • 技術的な背景:
    レジンは液体です。本体が傾いていると、液面センサーが誤検知を起こします。これにより、レジンの供給過多(漏れの原因)や、逆に供給不足(造形失敗の原因)が引き起こされるのです。

【実践編】プロが教えるステップ・バイ・ステップ

ここからは、実際に本体を操作して水平を出していきます。

Step 1: 現在の「傾き」を数値で可視化する

人間の目視による「だいたい水平」は当てになりません。必ず本体のセンサー機能を使って確認します。機種によってメニュー階層が異なるため、以下の手順で画面を呼び出してください。

機種 操作手順
Form 4 / Form 4L [設定(歯車アイコン)] > [Tools] > [Level Printer]
Form 3 / 3L [設定(ホーム画面)] > [Maintenance] > [Printer Leveling]
Form 4のタッチパネル設定画面でレベリング機能を選択する様子
Form 4 の場合、「Tools」メニュー内にある「Level Printer」をタップします。

Step 2: 「レベリングディスク」を正しくセットする

画面を開くと、4つの脚のうち「どの脚を調整すべきか」が矢印で表示されます。ここで重要なのが、プリンターに付属している円形の治具「レベリングディスク」です。

脚を手で直接回そうとせず、必ずこのディスクを使用してください。

  • 調整が必要な脚の下に、レベリングディスクをスライドさせて差し込みます。
  • ディスクの穴を脚の突起に合わせます。
プリンター底部の脚に専用工具(レベリングディスク)をセットしている様子
このようにディスクをセットし、テコのように使うことでスムーズに脚を回転させることができます。

Step 3: 画面を見ながら「ドット」を中央に導く

ディスクを回転させて、本体の高さを調整します。画面上の「ドット(点)」が、同心円の真ん中に来るように操作します。

  • 時計回り(右)に回す: 脚が伸びる(本体のその角が上がる)
  • 反時計回り(左)に回す: 脚が縮む(本体のその角が下がる)

Form 4 の場合、水平が完全に合うと画面中央のドットが「緑色」に変わります(旧機種の場合は青色)。

Form 4の画面上で水平出しが完了し、インジケーターが緑色になった状態
ドットが緑色になり、画面に「Level」と表示されれば調整完了です。

【技術パート】失敗しないためのプロの「コツ」

手順通りに行ったはずなのに、造形が安定しないケースがあります。ここでは、マニュアルには書かれていない「現場の運用ノウハウ」をお伝えします。

よくある失敗:移動後の確認漏れ

「レイアウト変更で数センチ横にずらした」だけで、水平は崩れます。作業台やデスクは完全に平らではないことが多いため、少しでも場所を動かした場合は、必ず Step 1 の確認を行ってください。

成功のポイント(運用のコツ)

1. 移動時の清掃を徹底する
プリンターを移動させた際、設置場所に古いレジンの硬化跡や汚れが残っていると、脚がガタつく原因になります。

万が一、移動時にタンクからレジンが垂れてしまったり、テーブルが汚れている場合は、洗浄液 3D Medsupo(スリーディーメドサポ) をウエスに含ませて拭き取るのが最適です。

■ 理由

一般的なアルコールよりも揮発性が適度で扱いやすく、機材やデスクを傷めずに特有のベタつきをきれいに除去できます。設置面をクリーンに保つことが、安定運用の第一歩です。

2. 4点接地の物理チェック
センサー上の数値がOKでも、最後に「手で本体の四隅を軽く上から押す」確認を行ってください。カタカタと揺れる場合は、接地していない脚があります。4本の脚すべてが均等に荷重を受けている状態がベストです。

【応用編】さらなる効率化へ

Form 4 は従来の機種よりも造形速度が格段に速いため、各層を剥離する際の動作も高速かつパワフルです。そのため、本体が水平かつ強固に設置されていないと、微細な振動が発生し、積層ズレにつながる可能性があります。

  • 確実な設置(SOP): 本記事の手順で水平出しとガタつき除去を行う。
  • 効率的な後処理: 造形後は 洗浄液 3D Medsupo を使用して、素早く確実に洗浄・清掃を行う。

この一連の「設置~造形~後処理」のフローを固定化することが、失敗のない量産体制への近道です。

まとめ

最後に、本日の重要ポイントをチェックリストにまとめました。

  • [ ] プリンターを移動した後は、必ず「Level Printer」メニューを確認する。
  • [ ] 調整には手を使わず、必ず付属品の「レベリングディスク」を使用する。
  • [ ] 設置場所のレジン汚れは 洗浄液 3D Medsupo で除去し、脚のガタつきをゼロにする。

技術相談・サンプルについて
「現在の設置環境について不安がある」「振動対策についてもっと詳しく聞きたい」という方は、弊社の技術担当までお気軽にご相談ください。実機環境での検証ノウハウをもとに、貴社に最適な設置環境をご提案します。

出典:Formlabs SLAプリンタを水平に設置する

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i-MAKER 研究室 編集部

株式会社アイ・メーカーが運営する、ものづくり情報サイト「i-MAKER 研究室」の編集部。3Dプリンター・光造形・洗浄の現場に10年以上携わる経験をもとに、実機検証と取材を軸とした記事を制作しています。

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