ディズニーが開発した布の3Dプリンター

布の3Dプリンターとは

3Dプリンターは、その効率性とカスタマイズ性から、あらゆる業界で導入が検討されている。また、企業によっては自社のサービスの付加価値をより高めるために、独自に3Dプリンターを開発する所も登場してきている。新たに今回布の3Dプリンターを発表したディズニーもそんな企業のうちの一つ。

ちょうど1年前の2014年4月末に、ディズニー・リサーチが、ぬいぐるみをつくることができるフェルト生地の3Dプリンターを開発中との生地をご紹介したが、本日ご紹介するのはその3Dプリンターの進化版とも言える。公開されている動画や、サンプルの完成精度はまだまだだが、この開発をきっかけにさまざまな展開ができそうだ。

本日はディズニーリサーチが開発する布専用3Dプリンターをご紹介。ディズニーの販売するキャラクターグッズの製造などに利用展開される日が来るかも知れない。

レーザーカッターでトリミング、布を積層して接着

今回ディズニーリサーチが開発した布の3Dプリンターは、通常の樹脂素材の製法、FFF、FDM、SLS、SLAといった製法とは一風異なる方法で布による立体物を作っている。それはレーザーカッターでトリミングし、布の層を感光性接着剤で結合し積み重ねていくという方法だ。

言うなれば、立体物の形状の部分だけに接着剤をつけて、布を何枚も何枚も貼り重ねるという仕組み。完成したあとはサポート材を除去するように、周囲の布を切り離すことで完成品ができるというものだ。布は切れ込みが入っているため簡単に取り除くことができる。

下記はこの布の3Dプリント動画だが、その工程が紹介されている。また、もう一点特徴的なのが、この布に導電性布を使用すると、電気を使った布のプロダクトが作れることが紹介されている。動画では、LEDライトを搭載した布製のスマートフォンケースが登場し、ボタンをタップするとスマートフォンケースのLEDライトが点灯する。

ディズニーリサーチが開発した布の3Dプリンター

レーザーカッターでポイント
布を積層し接着
完成後、周囲の布を剥がず
感光性布を使えば電気を使った布おもちゃが作れる
光るLEDつきの布のスマートフォンケース

まとめ ディズニーキャラクターのぬいぐるみのカスタマイズ

このディズニーリサーチが開発した布素材の3Dプリンターは、多くの可能性を秘めているだろう。まだ、完成品の質は粗く、試作のようにしか見えない。しかし、この精度がもっと高まれば、より高性能なぬいぐるみなどが提供されるようになるかも知れない。ご存知のとおり、ディズニーキャラクターはディズニーランドの巨大な収益源の一つ。

ディズニーキャラクターがこの3Dプリンターでぬいぐるみすらも、1個1個カスタマイズすることができれば、大きな付加価値を生み出すことに繋がる。既にディズニーは、スターウォーズのフィギュアなどで、3Dスキャニングと3Dプリントを組み合わせたコアファンに訴えかけるサービスを行っている。製造コストや製造スピードを考えた場合、まだまだ高くてもお金を払うヘビーユーザー層にしかアプローチできていない。

しかし、手軽にぬいぐるみのような布のおもちゃでキャラクターグッズを作り出すことができれば、ディズニーランドの本来のファン層である多くの子供たちにアプローチすることができるはずだ。そうした点から見てみると、この布の3Dプリンターはディズニーにとって巨大な可能性を秘めているに違いない。また動画で紹介されたように、感光性布を使用することで、たんなる布のぬいぐるみだけではなく、スイッチ付きの電気で動く機能を備えた布おもちゃをつくることが可能だ。

将来はディズニーストアで当たり前のようにカスタマイズのぬいぐるみが手に入るようになるかも知れない。

i-MKAERでは光造形3DプリンターForm3+やレーザー焼結3DプリンターFuse 1Raise3Dシリーズなど多彩な3Dプリンターのノウハウ、販売をご提供しています。ご質問や無料サンプルや無料テストプリントなどお気軽にご相談ください。