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Formlabs製品ガイド

3Dプリンター部品を自給自足!Formlabs公式「印刷可能なパーツ」活用術【保存版】

i-MAKER 研究室 編集部 | 公開 2025.12.22 読了 約9分

3Dプリンター部品を自給自足!Formlabs公式「印刷可能なパーツ」活用術【Form 4対応】

日々3Dプリンターを運用していると、「予備のパーツが今すぐ欲しい」「周辺工具を整理整頓したい」と感じる場面はありませんか?
通常、メーカー製品のパーツは発注して届くのを待つのが一般的ですが、Formlabs製品には「ユーザー自身が3Dプリンターで造形して使える」純正の部品データが多数公開されていることをご存知でしょうか。

今回は、Formlabs公式サポートで公開されている「Printable parts(印刷可能なパーツ)」に焦点を当て、日本のユーザーの皆様にとって特に実用性の高いデータを厳選してご紹介します。
単なるデータの紹介だけでなく、販売店の技術視点から「どのレジンで造形すべきか」「組み立て時のコツ」などの実践的なノウハウも交えて解説します。

ダウンタイム(停止時間)の削減や、5S(整理・整頓)活動の一環として、ぜひお役立てください。

メーカー純正の「部品データ」とは?

Formlabsの公式サイトでは、プリンター本体や周辺機器で使用するための補助ツール、治具、交換用パーツなどの3Dデータ(STLまたはSTEP形式)が無償で提供されています。

これらを活用することには、大きく3つのメリットがあります。

  • ダウンタイムの削減:消耗品や小さなパーツが破損した際、配送を待つことなく自社のプリンターで即座に復旧・交換が可能です。
  • 作業環境の改善:散らばりがちな工具やビルドプラットフォームを整理するための専用マウントを造形することで、作業効率と安全性が向上します。
  • 新旧機種への対応:最新の Form 4 / Form 4L だけでなく、Fuseシリーズや従来のForm 3世代向けのデータも網羅されています。

それでは、特に需要の高い Form 4 シリーズ向けのパーツをピックアップして解説します。

【SLA】Form 4 / Form 4L ユーザー向けのおすすめデータ

光造形(SLA)方式の最新機種である Form 4 シリーズをお使いの方に向けた、実用的な配布データをご紹介します。

1. クリーニングシートホルダー

造形に失敗した際、Form 4 レジンタンクの底に固着した硬化物を除去するために使用するパーツです。これを事前にセットしておくと、硬化物をメッシュ状のホルダーと一緒に一気に引き上げることができ、清掃作業がスムーズになります。
Form 4用(66個分)とForm 4L用(162個分)のデータがそれぞれ用意されています。

Form 4 クリーニングシートホルダーの3Dモデルイメージ
タンク清掃を効率化する必須ツール

2. ビルドプラットフォームマウント(作業用・保管用)

Form 4 ビルドプラットフォームを保持するための治具です。用途に合わせて2種類のデータが用意されています。

  • 作業用スタンド(ネジ穴なし):
    造形終了後のプラットフォームを作業台に固定するための治具です。Finish Kit付属の台座と同様、しっかりと固定することで、硬い造形物をスクレイパーで剥がす作業が安全かつ楽に行えます。
  • 保管用マウント(ネジ穴あり):
    壁や棚に固定するためのネジ穴が開いているタイプです。予備のプラットフォームが増えてきた際、壁面に掛けて収納することで、作業スペースを圧迫せず清潔に管理できます。
Form 4 ビルドプラットフォームマウントの3Dモデルイメージ
作業効率と整理整頓の両方に貢献します

3. ツールキャディ

プリンター付属の六角レンチや平行度シムなどの工具類を、プリンター本体の上部や背面にすっきりと収納するためのアタッチメントです。
「あれ、レンチどこに置いたっけ?」というタイムロスをなくし、常にプリンターのそばに工具がある状態を維持できます。

Form 4 ツールキャディの3Dモデルイメージ
工具を本体に一体化して収納可能

4. 排気プラグ

Form 4 の背面にある排気口に取り付けるためのプラグです。
通常は使用しませんが、特定の設置環境において、プリントキャビティへのアクセス制御やアクティブな空気処理(排気ダクトの接続等)が必要な場合に操作するパーツです。取り外し可能なエアプラグとして設計されています。

Form 4 排気プラグの3Dモデルイメージ
背面の空気処理用アクセサリ

5. HDMIケーブル保持クリップ

本体内部のLPU(ライトプロセッシングユニット)とメインボードを接続するHDMIケーブルの抜け防止用クリップです。
LPU交換時などに誤って破損してしまった場合の予備パーツとして提供されています。機能には直接影響しませんが、ケーブルが緩んで抜けるリスクを防ぐ重要な役割を持っています。

Form 4 HDMIケーブル保持クリップの3Dモデルイメージ
内部メンテナンス時の予備パーツ

6. ビルドプラットフォームハンドル

ビルドプラットフォームの上部に取り付けるハンドル(取っ手)部分のパーツです。落下等でハンドルが破損すると、プリンターへの固定が甘くなり、プリント失敗や「プラットフォーム検出エラー」の原因となります。
大きな力がかかる部分のため、破損時の緊急用パーツとして非常に重要です。

Form 4 ビルドプラットフォームハンドルの3Dモデルイメージ
破損時のダウンタイムを防ぐ重要パーツ

▼ 以下の手順でデータをダウンロードしてください

以下のFormlabs公式(英語版)サポートページにアクセスしてください。

URL: Printable parts for Formlabs devices

ページ内の「Form 4 Generation」という見出しを探してください。
各パーツの英語名(以下参照)の下に、ダウンロードリンク(STL / STEP / FORM)がありますので、そちらをクリックしてダウンロードしてください。

  • Cleaning sheet holder(クリーニングシートホルダー)
  • Build platform mount(ビルドプラットフォームマウント)
  • Tool caddy(ツールキャディ)
  • Exhaust plug(排気プラグ)
  • HDMI cable retention clip(HDMIケーブル保持クリップ)
  • Build platform handle(ビルドプラットフォームハンドル)

【技術ノート】販売店技術部が教える「運用のコツ」

これら便利なデータを実際に造形・運用する際、ただデータ通りに出力すれば良いというわけではありません。長く安全に使うために、私たちが現場で実践しているポイントを共有します。

1. 素材選びが「寿命」を決める

治具やマウント類は、使用中に力がかかったり、摩耗したりする可能性があります。形状が合っていても、スタンダード系のレジン(グレーレジン V5 など)では強度が足りず、すぐに割れてしまうことがあります。用途に合わせて適切なレジンを選定してください。

■ 負荷がかかるパーツの推奨レジン

ハンドル、マウント、クリップ等には以下の高強度・耐久レジンを使用してください。

  • Tough 2000 Resin(高強度ABSライク)
  • Durable Resin(耐摩耗・PPライク)

※ネジ止め時の締め付けトルクや、ツールを出し入れする際の摩擦に耐えるため、「粘り強さ」のあるエンジニアリングレジンが必要です。

また、洗浄工程で使用するパーツについては、3D MedsupoやIPA等の溶剤に触れる可能性がある場合、耐薬品性を考慮する必要があります。一般的なレジンは長時間溶剤に浸すと劣化するため注意が必要です。

2. 公差と嵌合(かんごう)の微調整

「HDMIケーブル保持クリップ」や「排気プラグ」など、プリンター本体の穴や溝にカチッとはめ込むタイプのパーツは、造形時の配置角度や、二次硬化(ポストキュア)による収縮の影響を受けやすくなります。

  • 注意点:データ通りに出力しても、実機にはめる際に「きつい」と感じることがあります。
  • 対策:無理に押し込むと、プリンター本体側を破損させる恐れがあります。入らない場合は、サンドペーパーやヤスリで少しずつ削り、現物合わせで調整を行ってください。

【コラム】ワークフロー最適化のヒント

〜治具作成も「Form 4」なら一瞬。洗浄には「3D Medsupo」が最適です〜

今回ご紹介した治具類は、「今すぐ必要」なものばかりです。
最新の Form 4 を導入済みのお客様であれば、LFD(Low Force Display)技術による圧倒的な造形速度を活かし、必要なパーツを「お昼休み」や「退勤前の数十分」で用意することが可能です。外部に発注して数日待つのではなく、社内に「デジタル倉庫」を持つことで、業務のスピード感は劇的に向上します。

また、こうした社内備品を頻繁に造形する場合、気になるのが「洗浄作業」の負担です。
特にIPA(イソプロピルアルコール)特有の刺激臭や、引火性による管理の手間にお悩みの方には、洗浄液 3D Medsupo(スリーディーメドサポ)の併用を強くお勧めします。

  • 安全性:消防法上の非危険物に該当し、指定数量の制限を受けません。
  • 快適性:刺激臭がほとんどなく、オフィス環境でも快適に作業を行えます。
  • コストパフォーマンス:揮発性が低く液が減りにくいため、ランニングコストの削減にも寄与します。

「Form 4」で素早く作り、「洗浄液 3D Medsupo」で快適に洗う。この組み合わせが、最もスマートな3Dプリンター運用環境を実現します。

まとめ

本日は、Formlabs公式が提供する「Printable parts」の活用方法について解説しました。

  • 公式データの活用:Formlabsは周辺パーツや治具の3Dデータを無償公開しており、これを利用することで保守運用の効率化が可能です。
  • ダウンタイムと5S:予備パーツを自社で造形することで、配送待ち時間をなくし、整理整頓(5S)も推進できます。
  • 適切なレジン選定:治具の耐久性を高めるために、Tough 2000 Resin などのエンジニアリングレジンを推奨します。

「記事で紹介されていた治具のデータを詳しく知りたい」「Tough 2000 Resin の実物強度を確かめたい」「洗浄液 3D Medsupo のサンプルを試したい」など、導入前・導入後のご相談がございましたら、以下のフォームよりお気軽にお声がけください。
専門スタッフが、お客様の運用環境に最適なソリューションをご提案いたします。

出典:Printable parts for Formlabs devices

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i-MAKER 研究室 編集部

株式会社アイ・メーカーが運営する、ものづくり情報サイト「i-MAKER 研究室」の編集部。3Dプリンター・光造形・洗浄の現場に10年以上携わる経験をもとに、実機検証と取材を軸とした記事を制作しています。

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