Form3対応タフTough 1500レジン登場。剛性と柔軟性を併せ持つ新材料

高強度のTough 1500レジンが登場

高精細で滑らかな仕上がりが特長のForm3とForm2。もう一つの大きな特長が1台でさまざまな物性の材料を使用できる点だ。Form3もForm2もレジンカートリッジとレジンタンクを装着するだけで、どの材料でも高品質で滑らかな仕上がりができる。

これがForm3とForm2が人気である理由の一つで、ユーザー側で細かいパラメーターの設定をする必要がないのが大きな特長である。

例えば同じ3Dプリンターでも熱溶解積層法(FDM)3Dプリンターでは、材料の種類ごとにノズル温度やプリントスピード、プレート温度など詳細な設定が必要だ。

しかし、Form3とForm2では、レジンの硬化に最適な①温度、②レーザーの当て方、③サポート材の生成を自動で設定してくれる。

Form3とForm2のこの強みが、複数の材料を簡単に使用することで多彩な用途に対応し、ものづくりの可能性を大きく広げているのだ。こうした製品コンセプトから、Formlabsも材料のラインナップの拡充に力を入れており、さまざまな特長ある材料を開発、発表している。

今回紹介するTough1500レジンも新たな用途に対応するレジンだ。Tough 1500レジンは、タフ(Tough)デュラブル(Durable)という二つの高強度材料のラインナップに加わるもので、ポリプロピレン(PP)の剛性と柔軟性をシミュレートする高強度なレジンだ。

Tough 1500レジンの特性と用途

新たに登場したTough 1500レジンは、剛性と柔軟性を併せ持つ高強度な材料だ。

これまで登場しているABSの剛性と柔軟性をシミュレートするToughと、ポリエチレン(PE)の剛性と柔軟性をシミュレートするDurableの高強度材料のラインに加わる新たな材料で、二つのレジンの中間となる引張強度と弾性率を持つ。

Durableと同様、繰り返したわみと衝撃吸収を必要とする治具やツールにも最適で、剛性、強度、耐衝撃性のバランスがいいレジンだ。

バネ、スナップフィット、ヒンジ、コネクタなどに最適

こうした物性から、バネ、スナップフィット、プレスフィット、ヒンジなど、曲げて形状にすばやく戻るプロトタイプやコネクタに最適なレジンでもある。

Tough1500 レジンのテクニカルデータ

Tough1500レジンは伸びと弾性率という二つの技術的な特長を持っている。この二つの物性のバランスが高く、大きく曲がっても素早く元の形状に戻り、なおかつ割れにくい強度を持つ。

伸び一定の尺度でどれだけ材料が伸びるか、曲げることができるかを指す指標で、弾性率は、剛性の尺度、または素材をどれだけ簡単に伸縮させるかを表している。

引張強度 引張係数 破断伸び 髷弾性率 ノッチ付きアイソッド
33Mpa 1500 Mpa 51% 1400Mpa 67J/m

上記はForm2で造形後に二次硬化を行ったTough 1500の物性データだ。ちなみにTough 1500レジンの名前についている1500とは引張係数の数値をとったもので、伸縮できる強さを象徴するものだ。

Tough 1500レジンの使用例 テスラセンサーマウントの3Dプリント

FormlabsはTough 1500レジンをリリースするにあたり、その特長を示す実際の事例も公開している。電気自動車で有名なテスラの車をカスタマイズ、アップグレードするUnplugged Performance社が行った事例をご紹介しよう。

Unplugged Performanceはテスラの車体に取り付けられているセンサーマウントをForm3とTough 1500レジンでプリントしている。テスラの車体には6個のセンサーを取り付ける場所があり、その場所ごとによって形状が最適化されていないため、取り付つけるにはかなりの時間がかかっていた。

1日で処理できる台数は車1台ほどであったが、Tough 1500レジンでセンサーマウントをカスタマイズすることにより処理速度を向上。作業台数が3倍に増えることに成功している。

またセンサーをしっかりと固定して取り付けるにはToughやDurableよりもスナップフィットなどに最適な伸びと強度を持つTough 1500レジンが最適な物性を発揮している。また、カラーも薄いグレーであることから車のインテリアにも溶け込むカスタムパーツに最適だといえよう。

Tough 1500の弾性を体験できるスプリングサンプルも

Formlabsでは、Tough 1500レジンの高い弾性率を体験できるスプリングサンプルを公開している。この部品には、組み立てが簡単な3つのパーツから成り立っている。

スプリングコイルからサポート材を取り外してセンターレールに配置した後、上部コンポーネントをガイドレールに合わせ、コネクタピンを押し込むことで組み立てたられる。

下記のようなスプリングを繰り返し絞って、Tough 1500 レジンの高い弾力性を体験することが可能だ。

次世代3Dプリンタ展でもTough 1500レジンが登場

Tough 1500レジンの日本での発売日はまだ未定ですが、2月26日(水)から28日(金)に幕張メッセで開催する次世代3Dプリンタ展のFormlabsブースでもサンプルが展示される予定です。新型の3DプリンターであるForm3とともに、ぜひご覧になってください。

Form3やTough 1500レジンについて、ご不明な点やご質問などございましたらお問い合わせください。

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