Form3のメンテナンスでやるべきこと

Form3はほぼメンテナンスフリーの3Dプリンター

Form3は、他の一般的な3Dプリンターに比べて、ほぼメンテナンスフリーに近い3Dプリンターです。その最大の理由は、構造がシンプルであり、かつユーザーが設定するところがほぼ無いからです。

一般的なデスクトップタイプの3Dプリンターは、ユーザーがさまざまな設定を行わなければなりません。例えばFDM タイプですと、ノズルの管理やプラットフォームの状態など、微妙な誤差が造形に大きな影響を与えます。

しかしForm3では、基本的にプリント設定が3Dプリンター本体にプログラムされているため、ユーザーは

①レジンカートリッジ

②レジンタンク

の二つを管理するだけですみます。

ただ、Form3本体におけるメンテナンスでも注意を払わなければならない点がいくつかあり、ここではForm3全体でメンテナスすべきことをまとめてご提供いたします。

本記事によって皆様の日々の造形がより快適になれば望外の幸せです。

Form3本体のメンテナンスポイント

Form3本体のメンテナンスポイントは大きく分類して6点あります。

第一が、レーザーユニットのメンテナンス。
第二が、センサーまわり
第三が、Z軸の支柱(ビルドプラットフォームを支える支柱)
第四が、オレンジ色のカバー部分
第五が、タンク下の構造部分
第六が、電源・USBケーブルまわり

ぞれぞれ順を追ってご紹介します。

レーザーユニット(LPU)光学窓のメンテナンス

Form3のレーザーユニットは、Form2とは違い、新たにユニット化されたことでメンテナンス性が飛躍的に向上しました。レーザーユニットはプリントしていないときには常に本体内部に収納されているため、レジンがこぼれたり、誤って触れしまう機会が無いためです。

Form2では、レジンタンクを取り外すとレーザー照射口である光学窓がむき出しになっていたことから、レジンが垂れたり、誤って触れしまったり、埃が入ったりと、レーザーの精度に影響を与える注意点がありました。

一方、Form3ではプリントしてないときには、Form3の筐体内部に収納されていることから、上記のような汚す心配はありません。しかし、長期間の使用によって、内部に埃などが入ってしまう可能性があるため、定期的な点検と、適切なメンテナンスが必要です。

例えばレーザーユニットの光学窓に埃などが入ってしまうと、レーザーが拡散してしまったり、照度が弱まってしまって造形に影響を与える可能性があります。
そのため定期的に点検を行い、光路用のガラス窓を綺麗に保つ必要があります。

点検に必要な備品

レーザーユニットの点検には以下の備品が必要です。

ニトリル手袋
懐中電灯もしくはLEDライトなど
エアーブロワー
厚手のクリーニングシート(糸くずなどが出ないもの)
イソプロピルアルコール(IPA純度90%以上)

点検の前に

点検する前に以下の付属品を取り外してください。

  1. ビルドプラットフォー
  2. レジンカートリッジ(空気抜きキャップを閉める)
  3. レジンタンク

※レジンタンクは付属の専用ケースに入れて紫外線遮蔽のふたをしてください。

LPUユニットを筐体から見える位置に出す

準備が整ったら格納されているLPUユニットを筐体から出します。
LPUユニットは以下の手順で出すことができます。

  1. Form3の電源ケーブルをコンセントに差し込み、電源を入れる。
  2. タッチスクリーンに表示されているレンチ形のアイコンをタッチし、Settings(設定)メニューを開きます
  3. Calibration(校正)を選択し、続いてLPU Replacement(LPUの交換)をタッチします。
  4. そうするとLPUがプリンタ右側の保管位置からメンテナンス位置に移動します。
  5. タッチスクリーンに、メンテナンスを続行する前に、電源ケーブルを抜くというメッセージが表示されたら、電源ゲーブルを抜いてください。

LPUユニットの光学窓を点検する

LPUユニットが筐体から出てきたらまずは光学窓の点検を行います。懐中電灯やLEDランプもしくはスマートフォンのカメラ用フラッシュライトなどを使用して、光学窓のガラス面に汚れがついていないか調べてください。前後左右、いろいろな角度から光を当ててください。

埃を取り除く

LPUユニットの光学窓に埃がついている場合には、エアーブロワーを使用し優しく光学窓表面の埃を取り除いてください。エアーブロワーで埃が取り除けない場合には、新しい厚手のクリーニングシート(PEC*PAD)で埃を拭き取ってください。

その際、ガラス面の奥から手前の方向にゆっくり押しあてながら拭き取るようにし、ガラス面全体が完全にきれいになるまでふき取ってください。

注意点:
推奨されていないクリーニング用具を使って光学窓の汚れを拭き取ろうとすると、ガラス面に傷がつき、プリント品質が劣化する原因になります。

レジン汚れの場合

Form3のLPUユニットは使用していない間は筐体本体に格納されているため、レジンがつくことはまずありませんが、万が一レジンが垂れてしまって汚れてしまった場合には以下の方法でレジンをふき取ってください。

少量のイソプロピルアルコール(IPA)を浸み込ませた清潔なマイクロファイバーの布を使い、レジンが付いているガラス面に押し当て、ゆっくり動かしてふき取ります。

IPAでレジンを溶解させます。その後、いったんIPAが完全に乾くのをまってから、再度IPAを浸み込ませたPEC*PADを使い、ガラス面を濡れ拭きし溶けたレジンを完全に拭き取ります。

IPAでの濡れ拭きは、レジンや指紋、油などの汚れが目視できるときのみ行ってください。また、ガラス窓の汚れは必ずIPAを使うようにしてください。IPA以外の洗浄液を使うと、ガラス面の反射防止膜が劣化してしまう恐れがあります。

懐中電灯やLEDなどで確認を行い完全に汚れが落ちるまで拭いてください。濡れ拭きが終わったら、新しいPEC*PADを使い、もう一度全体を乾拭きしてください。

LPUユニットを戻して完了

清掃が終了したら、電源ケーブルをつないでください。Form3が初期化し、LPUが元の定位置に戻り校正を行い終了です。

センサーまわりのメンテナンス

Form3で行うメンテナンスの一つがセンサー周りのメンテナンスです。Form3はプリント設定が自動化されている理由の一つがセンサーでレジンの種類を読み取っているからです。

そのため、センサー部分が汚れてしまうと、プリントそのものができなくなってしまいます。

レベルセンスボードのメンテナンス

Form3のセンサーはレジンタンク、レジンカートリッジ、プラットフォームなどに装着されていますが、チェックして清掃できる部分はレジンタンクを認識するレベルセンスボードです。

レベルセンスボードが汚れていしまうとレジンタンクが認識できず、レジンタンク内にどのぐらいまでレジンが入ってるかなどが認識できなくなってしまいます。

もしレジンなどで汚れている場合にはIPAをペーパータオルなどに含ませて綺麗に拭いてください。

Z軸の支柱

Form3のメンテナンスの三点目がZ軸の支柱です。Z軸の支柱はビルドプラットフォーム支え、上下に移動させるためのパーツです。Z軸が滑らかに動くことで造形もスムーズに行われます。

もしレジンなどが付着してしまった場合には石鹸水で湿らせたペーパータオルまたは綿棒で拭き取ってください。

オレンジ色のカバー

Form3の筐体を覆っているオレンジ色のカバーも定期的に清潔に保つようにしましょう。

カバーの外と内にレジンがついていないか確認し、もしレジンが付着していた場合には、まず初めにペーパータオルでレジンをできるだけ吸い取り、残りは石鹸と水をしみこませたペーパータオルで綺麗にふき取ってください。

タンク下の構造部分

タンク下の構造部分は通常であればレジンタンクがはまっているため汚れることはありません。しかし、まれにレジンタンクの不良によってレジンが漏れてしまう場合があります。

その場合には、漏れ出したレジンを可能な限りペーパータオルなどで吸収しふき取ってください。その後石鹸と水を含ませたペーパータオルで綺麗に拭ってください。

電源・USBケーブルまわり

電源やUSBポート、イーサネットポートが汚れることはありませんが、万が一レジンなどが付着して汚れてしまった場合には、少量のIPAを含ませた綿棒を使って、レジンを取り除いてください。

付属品のメンテナンス

Form3では付属品の状態が造形精度に影響を与えます。またエラーなども付属品の状態によっては発生します。

ここでは
1) レジンカートリッジ
2) レジンタンク
3) ビルドプラットフォーム

の3種類のメンテナンスをご紹介します。

レジンカートリッジのメンテナンス

レジンカートリッジでチェックすべき点は2か所あります。この2か所の部分が適切な状態になっていないと、レジンが読み込まなかったり、レジンが流れ出てきません。

ICチップの確認

第一がチップの確認です。Form3ではレジンカートリッジに取り付けられているICチップをセンサーで読み取ってレジンの種類を判別しています。そのためチップ部分が汚れていたり何らかの不良によって反応しないと、レジンカートリッジエラーで認識できなくなります。

チップ部分が汚れている場合にはIPAを湿らせた綿棒などで綺麗にふき取ってください。

バルブの確認

第二がレジン供給用のバルブ部分です。このバルブには切れ込みが入っており、上の空気穴をあけることで、バルブからレジンが流れ出し供給が始まります。

ごくまれにレジンカートリッジのバルブに切れ込みが入っていないものや、切れ込みが浅いものがあります。その場合にはヘラやカッターナイフなどで慎重に切れ込みを入れてください。

切れ込みがあるものは親指と人差し指でつまむと口が空きます。

レジンタンクのメンテナンス

レジンタンクのメンテナンスについては「Form3のレジンタンク完全ガイド」で詳しくご紹介しているので詳しく知りたい方はそちらをご参照ください。

本記事では簡単にご紹介します。

レジンタンクの寿命を確認する

Form3のレジンタンクには寿命があります。レーザーが照射されることによるコーティングの摩耗、レジンに浸かっていることによる消耗により、レジンタンクも適切に交換しなければなりません。摩耗してくるとレーザーが正しく当たらず造形精度に影響をおよぼします。

レジンタンクの寿命は

エラスティック、グレイプロ、リジッドの3種の影響
レジンに10週間触れている、または3リットルのレジンを使用してプリント、いずれか早い方

その他のレジンの影響
レジンに35週間触れている、または5リットルのレジンを使用してプリント、いずれか早い方

となっています。

ICチップのクリーニング

レジンタンクもICチップが汚れてしまっていると、センサーで読み取ることができずレジタンクエラーとなります。ICチップ部分が汚れている場合には少量のIPAを綿棒などに含ませてふき取ってください。

ビルドプラットフォームのメンテナンス

ビルドプラットフォームは全レジン共通でご使用いただけます。ただレジンカートリッジも消耗品で、造形後にヘラやスクレーパーで取り外しを行うことで表面に傷がつき剥げてしまいます。

あまりに傷が深くなると、造形中に傷跡にレジンが入り込み造形物が取り外しできなくなります。そうすると交換が必要です。

Form2 仕上げキット 洗浄

まとめ

Form3は基本的にメンテナンスフリーで使用できる3Dプリンターですが、定期的に上記の点にきをつけてご使用すれば長く高品質で安定した3Dプリントが可能です

2020.8.4 投稿者:i-maker

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