低価格3Dプリンターと鋳造でシルバーアクセサリーが素早く作れる樹脂FireCast

シルバーアクセサリーを作るロストワックス法とは

シルバーアクセサリーを手作りで作る一般的な方法は、ロストワックス法と言われる鋳造をとる。鋳造とは簡単にいうと金属を溶かして型に流し込み冷やして固める製法だ。ロストワックス法とは、鋳造の中でもロウを利用した製造方法で、ロウで原型を作り周りを砂や石膏で固め熱することで、ロウが溶け出し、そこの空洞部分に金属を流し込み形作る方法だ。

シルバーアクセサリーは一般的にこのロストワックス法という手法をとって製造される。そのためまずはじめにロウを使って、自分が作りたいアクセサリーの形を作らなければならない。

最近では趣味でシルバーアクセサリーを作る人のためにロストワックスが販売されているほどだが、何よりもまずロウを削って加工するのが大変だ。

しかしこうしたアクセサリーの製造に低価格の光造形3Dプリンターが利用できるようになっている。本日は低価格用の光造形3Dプリンターを使ったアクセサリー製法についてご紹介しよう。

ちなみに光造形とは液状のエポキシ樹脂アクリル樹脂をベースにした紫外線硬化性樹脂に、紫外線を照射し硬化させる製法。最近では材料開発も進み、ポリウレタンを使ったゴムのような材料も登場してきている。滑らかな仕上がりが特長だ。

デスクトップタイプではFormlabs社のForm2が鋳造用のキャスタブルレジンなどをそろえ、SLAタイプの光造形3Dプリンターとして人気を集めている。

ロストワックス法動画

原型のロウブロック

アクセサリーの原型となる形を削る

原型を砂型や石膏で焼き固め消失させる

Form1などを使ってロウ型製造を大幅短縮が可能

最近の3Dプリンターでは金属パウダーを使ってシルバーアクセサリーを作るという方法も登場している。しかし、金属用の3Dプリンターは高く到底自分で手に入れることは不可能だ。

また、3Dプリントサービスに以来したところで、材料費やプリント代など結構な費用がかかる。そんな中、従来のロストワックス法をより簡単に早く、低コストで済ませてくれる方法が登場した。従来のロストワックス法でもっとも時間がかかるのがロウブロックを削り出す工程だ。非常に細かい模様や、幾何学的な模様は手作業ではなかなか作るのが難しい。

しかし、光造形3Dプリンターで使用される液体樹脂材料の一つFireCastを使えば、鋳造で使用することができる原型を作ることが可能だ。

ロストワックス鋳造で使用できる液体樹脂FireCast

Form1など大半の光造形3Dプリンターで使用できる

このFireCastは、低価格モデルとして登場しているForm1やB9 Creatorなどのほとんど大半のDLPSLAの光造形3Dプリンターで使用することができる。

例えば3Dプリントアクセサリーなどでよく見かける幾何学模様などは、3Dデザインソフトのライノセラスのグラスホッパーというプラグインを使用して作られているが、こうした模様は人の手で再現することは不可能。しかし、3Dプリンターではつくることができるし、人の手では再現できないデザインのアクセサリーもつくることができる。

このFireCastで出力したアクセサリーの型を鋳造屋さんなどに依頼すればすぐさま金属を流し込んでつくることができる。

3Dソフトを使えば人の手では再現できない幾何学的デザインも作れる

FireCast動画 鋳造して完成

540度で3時間、1200度で4時間熱する

まとめ

通常シルバーアクセサリーのロウ型を作るのには平均して15時間かかると言われている。物によっては15時間以上かかるものなどがほとんどだ。また、手作業で削り出す場合はミスが絶対に許されない緊張の連続だ。

しかし、3Dプリンターでロウ型が出せればある程度までは形をつくることができるし、同じ形状のものを何個も生産することが可能で複数のアクセサリーをつくることができるだろう。

例えばほぼ最終系までを3Dプリンターでプリントし、表面加工や微修正、質感といった最後の加工を人の手で行うなどすればかなりの時間が短縮することが可能だ。

また、鋳造という伝統的な製法のよさは、成形の仕上がりがこの上もなく綺麗だということがいえる。金属パウダーを使った3Dプリンターでは再現できないなめらかさを表現することができる。3Dプリンターは伝統的な製法と組み合わせることで、デザインの再現力をさらに高めてくれる力をもっている。

光造形の原理と仕組み、種類についてはこちらをどうぞ

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