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Formlabs製品ガイド

Form 4の「レジン残量エラー」を3分で解決!ロードセル調整ガイド

i-MAKER 研究室 編集部 | 公開 2025.12.23 読了 約6分

Form 4の「レジン残量エラー」を3分で解決!ロードセル調整ガイド

「カートリッジを振るとチャプチャプ音がするのに、プリンターが『カートリッジが空です』と停止してしまう」
あるいは逆に、「空のカートリッジなのに、警告が出ずに造形が始まってしまった」

Form 4をお使いのユーザー様から、このようなご相談をいただくことがあります。
これは、マシンの故障ではありません。Form 4世代から搭載された「重量センサー(ロードセル)」の特性を理解し、正しい「ゼロ点調整(キャリブレーション)」を行うことで、残量管理の精度は劇的に向上します。

今回は、弊社が現場で実践している「センサー管理の鉄則」を、ステップ・バイ・ステップで解説します。

【準備編】Form 4の「目」は今までと違う

手順に入る前に、Form 4がどのようにレジンを見ているかを知っておきましょう。

従来の方式との決定的な違い

機種 レジン残量の検知方法 特徴
Form 3 / 3+ 推定計算 造形データから使用量を予測し、減算していく方式。
Form 4 重量計測(ロードセル) カートリッジ底面のセンサーで、物理的に「重さ」を量る方式。

Form 4は、カートリッジフロア(挿入部)の底に、キッチンスケールのようなロードセル(重量センサー)を搭載しています。
高速造形を実現するLFD(Low Force Display)方式では、レジン供給の遅れが造形失敗に直結します。そのため、計算上の予測ではなく、リアルタイムの実測値で管理する必要があるのです。

このセンサーが「0g」の基準を見失うと、残量エラーが発生します。これを直すのが今回の作業です。

【実践編】プロが教える「残量ズレ」解消の3ステップ

もし残量表示に違和感を覚えたら、迷わず以下の手順を上から順に実行してください。

Step 1: ファームウェアとPreFormの同期更新

センサーの制御アルゴリズムは、メーカーによって日々改善されています。古いバージョンのままでは、正しい計測ができません。まずはソフトウェア環境を整えます。

  • PCでFormlabs専用ソフトウェア PreFormを起動します。
  • 上部メニューの「ヘルプ」>「アップデートを確認」をクリックし、最新版(v3.36以降推奨)へアップデートします。
  • 続いて、PreFormとForm 4を接続し、プリンター本体のファームウェアがバージョンが最新であることを確認します。

更新が必要な場合は、画面の指示に従ってアップデートを実行してください。

Formlabs専用ソフトウェア PreFormのアップデート確認画面
最新バージョンであることを示す青色のチェックマークを確認してください。

Step 2: ロードセルの「再キャリブレーション」

これが最も効果的な解決策です。センサーの「0点」を再設定し、ズレを補正します。

  • Form 4本体のタッチパネルを操作します。
  • プリンターのタッチスクリーンで「設定(歯車アイコン)」をタップします。
  • メニューから 「ツール」 > 「較正」 > 「カートリッジのロードセル」 の順に進み、タップします。
  • 画面の指示に従い、カートリッジを取り外した状態で調整完了を待ちます。

この作業を行うだけで、エラーの8割は解消されます。

Form 4タッチパネルのロードセル調整画面
カートリッジのロードセルを較正を「開始」します。

Step 3: 「手動補充」の禁止ルールの徹底

これは設定ではなく、運用のルールです。
もし、ボトル入りのレジンを、手動でレジンタンク(レジンを入れるトレイ)へ注ぎ足している場合、今すぐ中止してください。

■ なぜダメなのか?

Form 4は「カートリッジから減った重量」と「タンクに増えた重量」を常に監視しています。人間が手動でレジンを足すと、計算上の重量と実測値に矛盾が生じ、センサーが混乱(誤学習)してしまいます。
正しい運用: レジンの補充は、必ずマシンによる自動供給に任せてください。

【技術パート】失敗しないためのプロの「秘訣」

ここでは、さらに安定した運用を行うための、私たち販売店の現場ノウハウを共有します。

よくある失敗:造形中に触っていませんか?

造形中、気になってカートリッジに触れたり、少し持ち上げたりしていませんか?
計測中にカートリッジに外力が加わると、センサーが誤った重量を記録してしまいます。造形がスタートしたら、カバーを開けたりカートリッジに触れたりしないことが鉄則です。

運用のコツ:数値管理でコストを制する

正確なレジン残量管理ができるようになると、「あと何回造形できるか」が明確になります。これは、造形後の「洗浄工程」でも同じ考え方を取り入れるべきです。

造形量が増えれば、当然洗浄液も汚れます。レジンの残量を数値で管理するように、洗浄液 3D Medsupo(スリーディーメドサポ) の交換時期も「造形数」や「期間」で数値管理してください。

  • レジン: ロードセルでg単位管理
  • 洗浄液: 3D Medsupoの汚れ具合をサイクル管理

この2つを徹底することで、常にフレッシュな環境で高品質なパーツを得ることができます。「感覚」ではなく「数値」で管理するのがプロの流儀です。

【応用編】Form 4のポテンシャルを「止めない」ために

Form 4の最大の特徴である圧倒的な造形スピードを活かすには、マシンを止めないことが大前提です。センサーエラーによる一時停止は、生産性の最大の敵です。

  1. 1.Form 4のセンサーを常に正常に保ち、ノンストップで造形する。
  2. 2.出力された大量のパーツを、洗浄液 3D Medsupoでコストを気にせずジャブジャブ洗う。

この「正確な高速造形」と「コストパフォーマンスの高い後処理」の組み合わせこそが、Formlabs製品の能力を最大化し、現場の利益を生み出すベストプラクティスです。

まとめ

本日の作業チェックリストです。

  • ファームウェアは常に最新になっていますか?
  • レジンタンクへの「手動注ぎ足し」は絶対にやめましょう。
  • 残量表示がおかしい時は、すぐにロードセル調整(キャリブレーション)を実行してください。

技術相談・サンプルについて

「キャリブレーションしても改善しない」「センサー自体の故障かもしれない」と不安な方は、一度弊社までご相談ください。販売店にある実機と比較検証し、ハードウェアの問題かどうかを切り分けることも可能です。

また、運用の要となる洗浄液 3D Medsupoのサンプルもご用意しておりますので、コスト削減をご検討の方は合わせてお問い合わせください。

出典:Cartridge fullness tracking is incorrect (Form 4 generation)

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i-MAKER 研究室 編集部

株式会社アイ・メーカーが運営する、ものづくり情報サイト「i-MAKER 研究室」の編集部。3Dプリンター・光造形・洗浄の現場に10年以上携わる経験をもとに、実機検証と取材を軸とした記事を制作しています。

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