光造形のプロセス
3Dプリントが完了して完成ではないの?
光造形のプロセスとは
光造形3Dプリンターは、造形して完了ではありません。造形後にも洗浄や場合によっては二次硬化といった後工程が必要になります。ここでは光造形のプロセスと、その後の工程などが必要な理由についてご紹介しましょう。
基本的な仕組み
まず光造形のプリントがどのように行われるかを知っておく必要があります。光造形方式はUVレジンといわれる、紫外線が当たると固まる液体のレジンが材料です。このUVレジンに紫外線を当てながら、0.1mmや、0.05mmといった非常に薄い膜を何層も積み重ねて形にします。そのため、完成した造形物は、3Dプリントが終了すると周辺がレジンでべとべとに覆われています。
洗浄が必要な理由
3Dプリントが完了した造形物はレジンがこびりついているためそのままでは使用できません。このレジンを落とす必要があります。レジンは一般的には水では落ちません。特殊な水洗いレジンという材料もありますが強度が無く、一般的には洗浄液で落とす必要があります。洗浄液に一定時間(10分から20分程度)つけておくことで、レジンが溶けだして造形物の周りが綺麗になります。
洗浄は後工程の基本
洗浄では表面のレジンを洗い落としますが、この洗浄が不十分だとどのようなことが起きるのでしょうか?レジンが充分洗い落とせないで造形物が乾燥してしまった場合、未硬化のレジンは蛍光灯などで固まるため、造形物の一部として硬化してしまいます。こうした未硬化部分だった場所は柔らかい状態で固まってしまうので、造形物の形状が変わったり、崩れ安くなります。
乾燥
洗浄が終わった後は乾燥です。洗浄は基本的にアルコール系などの液体を使用しますが、造形物を使用するためには乾燥して完全に洗浄液が揮発してから使用します。乾燥が不十分の状態で二次硬化などをしてしまうと、洗浄液が造形物に吸収されてしまい、造形物が脆くなったりする可能性があります。
二次硬化
光造形では仕上げに二次硬化を行う場合もあります。二次硬化とは、追加で紫外線や熱を加える工程です。光造形は3Dプリントが完了した後、層と層の間に目に見えない完全に固まっていない半硬化層というものがあります。この半硬化層を完全に固めるには二次硬化が必要です。二次硬化は全ての種類の材料で必要なわけではなく、高強度な材料や柔軟性がある材料などで必要になります。
まとめ
基本的に光造形方式では3Dプリントが完了した後も、洗浄と二次硬化のプロセスをしっかりと行うことで、造形物のクオリティを向上させることができます。また洗浄などが不十分だと、造形物自体に影響を与えたり、完成度が低くなる可能性があります。
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