ユーザーが自由にカスタマイズできる特許
3Dプリント技術がおもちゃ業界に続々と浸透してきている。有名映画キャラクターのフィギュアがカスタマイズできたり、大手おもちゃメーカーが3Dプリンターで出力できる自社製品を発売したりと、ぞくぞくと利用が開始している。
そんな中、レゴブロックが興味深い特許を取得している。この特許の内容だが、非常にざっくりと言ってしまうと、既に作られているレゴブロックを3Dプリンターでプリントできる特許だという。
特許の内容だけみると、訳が分からないが、消費者が従来からあるレゴブロックを自由にカスタマイズして3Dプリントすることができるようにする特許とのことだ。
実は、エンドユーザーが3Dプリンターでレゴブロックを3Dプリントするという動きは既にみられており、今回の特許取得は、そのようなユーザーの動きにいち早く対応したものと考えられる。
つまり、ユーザーが3Dプリンターでレゴブロックをプリントしたり、自由にカスタマイズする行為がレゴの特許にあたるということだ。
しかし、レゴブロックはこれによりユーザーがカスタマイズする行為を妨げたり、歯止めをかけることを目的にしているわけではない。
むしろユーザーが自由に3Dプリントしたり、カスタマイズすることを推奨する方向にあるようだ。
レゴブロックはこの特許取得に関して具体的な内容を発表してはいないが、消費者が既存のレゴブロックをカスタマイズし、さらにそれを販売することさえ許すというビジネスモデルをとる方向にある。
レゴブロックは3Dプリント技術に対応

3Dプリント技術と特許の問題
レゴブロックは今回の変わった特許の取得によって、いち早くオープンソースの時代に対応する動きかと思われる。
3Dスキャンや3Dプリンターの普及によって、オリジナル製品の特許侵害という問題は今後の課題としてとらえられている部分だが、レゴブロックはそれを逆手にとり、ユーザーに自由に複製とカスタマイズ、そして販売する機会を与える動きだとも言われている。
下記の動画はユーザーがレゴブロックを3Dプリンターで作ったもの動画共有サイトユーチューブに公開されたものだ。
レゴの3Dプリント動画
こうした動きは様々な分野で波及していくだろう。
もはやインターネットと3Dプリント技術の浸透によってこうした動きは止めることはできのかもしれない。
レゴブロックの今回の特許取得はむしろこうした時代の大きな流れに適応することで、自らのビジネスを存続させるだけではなく、拡大していく方向だと思われる。
まとめ -加速するオープンソースの流れ-
インターネットと3Dプリント技術は今まで、「ものを作る」という分野に入ってこれなかった多くの大衆にその機会を提供することを可能にしている。
3Dプリント技術の性能がまだまだ低いとはいえ、テクノロジーの本質は変わるものではなく、このような動きはより浸透していくに違いない。
こうした動きは、もはや一個人の動きではなく、時代の大きな流れで、この流れに逆らってビジネスを展開することは不可能だ。
多くの格言が残しているように、より大きな事業を完遂さえるためには時代の流れに適合していることが不可欠である。
また、3Dスキャニング技術や3Dプリント技術の精度が今より格段に向上し、安価な値段で利用できるようになったときになってから、対応しようとしても遅いのだと考えられる。
今回のレゴの特許取得はいち早く時代の先を見越してその動きに対応するための対策だ。
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