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Formlabs製品ガイド

Formlabsプリンター内部清掃ガイド:モーター動作で安全にメンテする方法

i-MAKER 研究室 編集部 | 公開 2025.12.11 読了 約6分

Formlabsプリンター内部清掃ガイド:モーター動作で安全にメンテする方法

「レジンがこぼれてしまったので拭き取りたい」「Z軸のネジを掃除したいが、ビルドプラットフォームの台座が邪魔で手が届かない」。

そんな時、無理やり手でパーツを動かそうとしていませんか?

Formlabsプリンターの内部機構は非常に精密です。手動で軸を動かすと、キャリブレーション(調整)が狂ったり、モーターに過度な負荷がかかり故障の原因になります。

実は、Formlabsプリンターには、こうしたメンテナンスのために、安全かつ正確にパーツを移動させる専用モード「モーター動作(Motor Move)」が搭載されています。

本記事では、私たち販売店の技術部門が日々実践している、この機能を使った正しいクリーニング手順とワークフローを解説します。

準備編:安全のために理解すべき「モーター動作」機能

通常、プリンターの通電中、モーターは位置情報を保持するためにロックされています。「モーター動作」機能を使うと、このロックを制御し、ユーザーの指示通りに「Z軸(上下)」や「X軸(左右)」を電動で動かすことができます。

なぜこの機能が必要なのか

  • 精密機器の保護: 無理な手動操作による軸の歪みやモーターの破損を防ぎます。
  • 清掃スペースの確保: 手が届かない奥まった場所や、プラットフォームの陰になる部分を露出させることができます。

必ずこの正規の手順を踏むことが、プリンターを長く安定して稼働させる秘訣です。

実践編:プロが教えるステップ・バイ・ステップ

ここでは、最新機種 Form 4 を例に、最も使用頻度の高い手順を解説します。(※Form 3シリーズの手順も併記します)

Step 1: メンテナンスモードへのアクセス

まず、プリンターのタッチスクリーンから、モーター制御メニューを呼び出します。機種によってメニュー階層が異なるため、以下の表を参照して操作してください。

機種 メニューへのアクセス手順
Form 4 / Form 4L 「設定」>「ツール」>「モーター動作」
Form 3 シリーズ 「設定」>「メンテナンス」>「モーターの動き」

操作:
該当するメニューをタップし、操作画面を表示させます。

Form 4のタッチスクリーン操作画面。「モーターを動かす」アイコンを指でタップしている様子。
Form 4のモーター動作画面

Step 2: 安全確保(消耗品の取り外し)

この工程は最重要です。画面にも警告が表示されますが、以下の消耗品をすべて取り外してください。

⚠️ 必ず取り外すものリスト

  • レジンタンク(レジンを入れるトレイ)
  • ビルドプラットフォーム
  • レジンカートリッジ

これらが装着されたままだと、移動中に内部で衝突事故が起き、パーツやセンサーを破損する可能性があります。
すべて取り外した後、オレンジ色のカバーを閉じると、操作が可能になります。

Step 3: Z軸(昇降)の移動による清掃スペース確保

「Z軸」のコントロールを使用し、ビルドプラットフォームのマウント(取り付け部)を上下させます。

▶ 操作アクション
画面上の「上(Up)」ボタンを長押し、またはタップします。

▶ 期待される効果
マウントが天井付近(最上部)まで退避します。これにより、Z軸スクリューの下部や、タンク下のガラス面(Form 4の場合は光学系上部)が広々と空き、手が届くようになります。

Step 4: X軸(水平)の移動による特定部位のケア

次に「X軸」を操作し、内部パーツを左右に移動させます。機種により動く対象が異なります。

機種 動く対象と目的
Form 4 / Form 4L 動くもの:ミキサーマウント
例えば「右端」へ寄せると、普段隠れている左側のセンサーエリアが露出します。ここを拭き掃除する際に必須の操作です。
Form 3 シリーズ 動くもの:LPU(レーザーユニット)
LPU保管ガレージやレールの清掃に使用します。

技術パート:失敗しないためのプロの「運用のコツ」

よくある失敗

  • カバーを開けたまま操作: インターロック(安全装置)が働き、モーターは動きません。必ずカバーを閉じてから画面操作を行ってください。
  • タンクを入れたまま移動: ミキサーやLPUがタンクのフチやフィルムに干渉し、傷をつける事故が多発しています。「タンクは必ず外す」を徹底してください。

プロの運用のコツ(安全な清掃ワークフロー)

1. 緊急停止の準備

動作中に「ガガガ」という異音がしたり、ウエスなどが挟まりそうになった場合は、迷わず画面の「停止」ボタンをタップしてください。即座にモーターの電流が遮断されます。

2. 清掃用具のケア

メンテナンスで使用したヘラ、トレイ、ピンセットなどにレジンが付着した場合、市販のIPA(イソプロピルアルコール)での洗浄は臭気が強く、室内作業の負担になります。

弊社の技術部門では、ここで洗浄液 3D Medsupo(スリーディーメドサポ)を使用しています。3D Medsupoは難燃性・低臭気のため、メンテナンス後の工具清掃をストレスなく室内で行えます。メンテナンス道具を常に清潔に保つことが、次回の作業効率を高めます。

応用編:さらなる効率化へ

メンテナンスが行き届いたプリンターは、最高のパフォーマンスを発揮します。私たち販売店が推奨する「高効率な運用セット」は以下の通りです。

  • Form 4: 次世代の造形スピードで生産性を最大化する。
  • 定期的なモーター動作メンテ: 本記事の手順で、マシンのダウンタイム(故障停止時間)を予防する。
  • 洗浄液 3D Medsupo: 造形後のパーツ洗浄はもちろん、メンテナンス器具の洗浄にも活用し、作業環境の安全性と快適性を確保する。

この3つを組み合わせることで、「止まらない」「臭わない」「速い」、理想的な3Dプリンター運用が実現します。

まとめ

本日のチェックリストです。

  • 手動で無理に動かさず、必ず「モーター動作」メニューを使う。
  • 操作前には必ず「消耗品(タンク・プラットフォーム)」を外す。
  • メンテナンスに使った道具は 洗浄液 3D Medsupo でスマートに片付ける。

「メンテナンス方法が合っているか不安」「Form 4の実機で操作感を試したい」という方は、ぜひ弊社のショールームへお越しください。実機を使ったレクチャーや、導入に関するご相談も随時承っております。

出典:Formlabs公式ブログ『Using the motor movement menu (SLA)』

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i-MAKER 研究室 編集部

株式会社アイ・メーカーが運営する、ものづくり情報サイト「i-MAKER 研究室」の編集部。3Dプリンター・光造形・洗浄の現場に10年以上携わる経験をもとに、実機検証と取材を軸とした記事を制作しています。

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