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Formlabs製品ガイド

造形失敗を防ぐ!Form 4対応レジンタンク交換&廃棄の完全ガイド

i-MAKER 研究室 編集部 | 公開 2025.12.11 更新 2026.04.15 読了 約7分

造形失敗を防ぐ!Form 4対応レジンタンク交換&廃棄の完全ガイド

「レジンタンク、使い終わったらゴミ箱へそのまま捨てていませんか?」
「交換作業中にレジンが垂れて、プリンター本体や机を汚した経験はありませんか?」

レジンタンク(レジンを入れるトレイ)の適切な管理と廃棄は、3Dプリンターを長く使い続けるための基本中の基本です。特に、最新の Form 4 へ移行されたユーザー様からは、「タンクが大型化したため、取り扱いに不安がある」という声をいただくことがあります。

タンクの寿命は造形品質に直結します。適切な手順で廃棄し、残ったレジンを正しくリカバリーすることで、コストを無駄にせず、安全に次の造形へ移行できます。

今回は、私たち販売店の技術部門が日々実践している標準手順(SOP)を、ステップ・バイ・ステップで解説します。

【準備編】作業前に理解しておくべき基本

作業を始める前に、なぜ「正しい手順」が必要なのかを確認しましょう。

1. なぜ「廃棄手順」が重要なのか

  • 法令遵守と安全性:液状のUVレジンは、そのまま一般ゴミとして廃棄できません。適切な硬化処理が必要です。
  • 機材保護:不適切な取り出し手順は、プリンター内部への液ダレ事故につながります。特に Form 4 の心臓部であるLEDパネル(光源)やLFDユニット周辺へのレジン付着は、故障の重大な原因となります。

2. 必要なものを準備する

作業には必ず新しいニトリル手袋を着用してください。レジンアレルギーを防ぐための必須装備です。

  • 交換対象のレジンタンク(使用済み)
  • 新しいレジンタンク(または一時保管用の遮光容器)
  • ストレーナー(ろ過用紙フィルター)
  • ペーパータオル
  • 洗浄液 3D Medsupo(周辺器具の洗浄用)
  • UV硬化機(Form Cure等)または日光が当たるスペース

【実践編】プロが教えるステップ・バイ・ステップ

それでは、実際の作業手順を解説します。この画面をスマホやタブレットで表示しながら作業を進めてください。

Step 1: 機材の保護とタンクの取り外し

まずはプリンター本体を守ることから始めます。「ビルドプラットフォームを先に外す」のが鉄則です。

  • 1. ビルドプラットフォームを取り外す
    タンクを取り出す前に、必ずビルドプラットフォームを外してください。プラットフォームに付着したレジンが、タンクやプリンター内部に滴り落ちるのを防ぎます。
  • 2. タンクのロックを解除し、手前に引く
    タンクの側壁を両手でしっかり持ちます。
  • 3. 水平を保ったままスライドさせる
    タンクを傾けないよう注意し、ゆっくりと手前にスライドさせて取り出します。
Form 4のレジンタンク両端をしっかり持ち、水平に引き出している様子。手にはニトリル手袋を着用。
Form 4からレジンタンクを両手で引き出している写真

⚠️ ここが重要

Form 4 のレジンタンクは従来機種よりも大型で、レジンの波立ちが起こりやすくなっています。写真のように、両手でしっかりと持ち、特に慎重に水平を維持してください。

Step 2: 残ったレジンの「ろ過」と移動

使い終わったタンクに残っているレジンは資産です。しかし、戻し方を間違えると次の造形で失敗します。

× 絶対NG:「使用済みレジンを、元のカートリッジに戻すこと」

理由:造形中に発生した微細な硬化片やゴミがカートリッジ内に混入し、新品のレジンまで汚染してしまいます。

○ 正解:「ストレーナーでろ過して、新しいタンクへ移す」

ストレーナー(フィルター)を使い、ゴミを完全に取り除きながら「新しいレジンタンク」または「遮光容器」に移し替えます。

Step 3: タンクの清掃と「完全硬化」処理

タンク内に残ったわずかなレジンも、液体のまま捨てることはできません。タンクを「固形ゴミ」にするための処理を行います。

  • 1. 拭き取り
    タンクの底や隅に残ったレジンを、ペーパータオルで可能な限り拭き取ります。
  • 2. 硬化(日光またはUV)
    拭き取った後のタンクを、日光の当たる窓際、またはUV硬化機の中に置きます。
  • 3. 放置
    表面が完全に硬化し、指で触れてもベタつきがなくなるまで放置します。

Step 4: 地域のルールに従って廃棄

タンクの内側が完全に硬化したことを確認したら、プラスチックゴミ(または産業廃棄物)として廃棄します。

  • 廃棄区分:お住まいの自治体や、事業所の廃棄ルール(産廃区分など)に従ってください。
  • RFIDタグ:Form 4等のタンクに付いているRFIDステッカーは、EU指令では分別不要とされています。日本国内でも通常はタンクと一体で廃棄可能ですが、厳密な分別が必要な地域では剥がして処理してください。

【技術パート】失敗しないためのプロの「ポイント」

ここまでの手順でタンクの処理は完了ですが、ここで「よくある失敗」があります。それは、作業に使った道具のケアです。

よくある失敗

レジンを移し替える際に使用した「漏斗(じょうご)」や「スクレーパー」を、ペーパーで拭くだけで終わらせていませんか?
これでは次回の使用時にベタベタになり、空気中の埃が付着して異物混入(コンタミネーション)の原因になります。

プロの運用ポイント:道具は「3D Medsupo」でリセットする

レジン移動に使ったヘラや漏斗などの道具は、作業後すぐに洗浄液 3D Medsupoで洗浄してください。

特徴 洗浄液 3D Medsupo のメリット
高い洗浄力 頑固なレジンのヌメリを即座に分解・除去します。
安全性 消防法上の危険物に該当しないため、管理が容易です。
コスト IPA(イソプロピルアルコール)と比較して揮発性が低く、液が長持ちします。

周辺器具を常に「新品同様」のクリーンな状態に保つこと。この「道具の綺麗さ」こそが、安定した造形品質を維持する秘訣です。

【応用編】Form 4 ユーザーへの推奨フロー

Form 4 は従来の光造形機とは比較にならないほどの高速造形を実現します。そのため、レジンの消費やタンクの交換サイクルも早くなる傾向にあります。

量産運用を成功させるためには、作業効率のボトルネックを作らないことが重要です。

  • 推奨レイアウト:作業台の近くに「交換ステーション」を常設する。
  • セット内容:ストレーナー、ペーパータオル、洗浄液 3D Medsupo を入れた小型洗浄容器。

「造形(Form 4)」→「洗浄」→「タンク交換・器具メンテ(3D Medsupo)」 というサイクルを淀みなく回せる環境を作ることが、生産性を最大化する近道です。

まとめ

本日の作業の要点を振り返ります。

■ 本日のチェックリスト

  • 再利用の鉄則:レジンはカートリッジに戻さず、必ず「ろ過」して新しいタンクへ移す。
  • 廃棄の鉄則:廃棄するタンクは、拭き取り後に日光/UVで「完全硬化」させる。
  • 道具の鉄則:使用した周辺器具は洗浄液 3D Medsupoで完璧にリセットする。

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「Form 4 のランニングコスト(タンク寿命)について、もっと詳しいデータが欲しい」

そのような疑問をお持ちの方は、ぜひ弊社の技術窓口までご相談ください。

出典:Disposing of resin tanks

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i-MAKER 研究室 編集部

株式会社アイ・メーカーが運営する、ものづくり情報サイト「i-MAKER 研究室」の編集部。3Dプリンター・光造形・洗浄の現場に10年以上携わる経験をもとに、実機検証と取材を軸とした記事を制作しています。

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