広がるシューズ・靴の3Dプリント生産
3Dプリンターで作れるものとして利用が開始されているのが靴・シューズだ。2018年にはアディダスとCarbon社による3DプリントシューズALPHAEDGE 4Dが一躍話題となった(米国に続き日本国内でも販売)。
そして今回、新たにニューバランスが3Dプリントシューズの第一弾を発表している。この背景には2017年にFormlabs社と提携したシューズ3Dプリントカスタマイズ生産のシステムがある。
ニューバランスは3Dプリントカスタムシューズの第一弾として「990 Sport」を発表した。こちらは6月29日(土)に公開されニューバランス公式オンラインストアでも購入ができる。

3Dプリントシューズ「990 Sport」とは
2017年にはアスリート向けのフットウェアとして開発されたシューズで、Formlabsが開発に関わったTriple Cell(トリプルセル)といわれる3Dプリントプラットフォームで生産される。
またソール部分にはRebound Resin(リバウンドレジン)”と呼ばれる新しい独自のフォトポリマー樹脂が開発され、従来のソール製造の制約にとらわれることなく、格子状の弾力性がある構造を作ることが可能だ。
従来のFormlabsの素材よりも高いエネルギーリターン、引裂き抵抗、伸長性を持つ材料だ。また従来の990v5よりも10%軽量化を実現している。

【商品詳細】
- 990 Sport
- 商品名: U3DSPTBK
- カラー名: BLACK
- サイズ: D / 25.0~28.5㎝
- 価格: 29,800円+税
- 発売日: 2019年6月29日(土)
Triple Cellとは? 2020年度は1万足の3Dプリントを計画
今回発表された3DプリントプラットフォームTriple Cellとはどのようなシステムなのだろうか。FoFormlabsによるとTriple Cellを使用するとデータを使用して足の下の部分がミリ単位でわかるという。

このプラットフォームはアメリカのニューバランス工場に拡張されており、独自のアスリートデータとパフォーマンスに関する洞察によってカスタムフィットシューズを無限の組み合わせで作成し、それをオンデマンドで製造することができる。
ニューバランスでは来年度はこの3Dプリントシューズを年間1万足以上生産することを計画している。

Rebound Resin 最終品レベルを実現する強度&伸長率
Triple Cellにあわせて開発された素材がRebound Resin(リバウンドレジン)だ。リバウンドレジンはソールに求められる談両区政のある格子構造を作成するように設計されており最終品として使用することができる。
また、Formlabsのもつステレオリソグラフィー(SLA)の樹脂よりも、高いエネルギーリターン、引き裂き強度、伸びを持っておりシューズのカスタマイズ量産には最適だ。


※画像提供:ニューバランスプレスリリース、Formlabs公式
まとめ
Formlabsは全世界4000万以上のプリント実績を誇るForm2に加え、新たに次世代機であるForm3やForm3Lを発表(日本では2019年後半発売予定)している。
今回のニューバランスとの提携ではFormlabsがコンサルティングチームとして開発から入り込み、材料開発から生産ワークフロー、ロジスティクス、ソフトウェア開発、現場支援を行っており、最終品の3Dプリントカスタム量産への道を更に拡大している。また、今後のForm3の登場に更に期待が集まりそうだ。