世界最大の3Dモデルデータ販売サイト
「CGTrader.com」は世界最大級の3Dモデルデータの販売サイトだ。
もともと2011年に立ち上がって以来、コンピューターグラフィクスの3Dモデルのデータを販売していたが、3Dプリント技術の進展に伴い、3Dプリンターで製造することができるデータの販売を開始した。
3Dプリント市場は年々拡大しており、今後10年近くは急速な成長が見込まれる。
こうした市場拡大に伴い、3Dプリント業界での市場シェア獲得を目指すと思われる。既に3Dプリントサービスを提供する企業はShapewaysをはじめとして多くのサービスが立ち上がっているが、「CGTrader」は万全の体制を組んでサービスをリリースした。
本日は世界最大級の3Dモデルサイト「CGTrader」の新たな取り組みをご紹介。
3Dデータ制作と3Dプリントのトータルサービス
「CGTrader」が提供するサービスは、3Dデータと3Dプリントに関する全てのサービスが含まれると言っていい。
基本的にはShapewaysのようにデザイナーが登録を行って3Dデータを販売する仕組みだが、その方法がデータとプリントされた完成品両方で対応可能だ。
また、ユーザーは気に入ったデザイナーや仕事を依頼したいデザイナーに注文設計を依頼することもできる。 ちなみに現在公開されている3Dデータ類は、家庭用品、ジュエリー、スマートフォンアクセサリー、置物等がある。
「CGTrader」では様々なプロダクトのデータ販売、出力品販売がある
有名デザイナーの作品も販売
データの知的財産保護を行う「Authentise」と提携
今回まず「CGTrader」が3Dプリントデータの販売に踏み切った背景には知的財産保護が担保されたことが大きい。
3Dデータは一度ダウンロードされてしまうと何度でもプリントされてしまう恐れや、改変されてしまう恐れがある。
こうした状況は作品に情熱をそそぐ多くのデザイナーの権利と財産、やる気を阻害してしまう恐れがあったが、知的財産保護のシステム制作を行う「Authentise」と提携することで、課題をクリアしたようだ。
「Authentise」については以前もご紹介させていただいたが、3Dデータをストリーミング化することで、1度しかプリントできないようにし、編集やコピー、転売を防ぐというシステム。
3Dデータと知的財産保護の記事はこちらもどうぞ
- 3Dプリンター普及の著作権侵害は10兆円規模、進む3Dデータの知的財産保護対策
- 3Dプリント技術の不正コピー防止、著作権侵害を防止するソフト「Authentise」
- クラウドから直接3Dプリント可能、3Dデータのストリーミングサイト「Appaloza」
大手3Dプリントサービス「Sculpteo」と提携
「CGTrader」は今回のリリースによって単純にデータ販売だけではなく、3Dプリントされた完成品を販売するというサービスも開始した。
3Dプリントにはフランスの郵政公社の3Dプリントサービスも手掛ける大手プリントサービス「Sculpteo」と提携している。
「Sculpteo」はクラウド上でデータの形状や素材の種類、解像度、数量などを操作して3Dプリントできるサービスを提供している。
フランスの郵政公社が提供する3Dプリントも引き受けている信頼あるプリントサービスだ。 プリントされた完成品を規模の場合は、「CGTrader」で購入するとその日に「Sculpteo」にデータが送られ数日で納品されるという仕組み。
3Dプリントサービス「Sculpteo」の記事はこちらをどうぞ
まとめ -知的財産保護で3Dプリントサービスが一気に拡大-
「Authentise」の3Dデータのストリーミング化と、外部からの不正アクセスを防ぐ体制が構築されつつある中、3Dプリントサービスに進出する企業が増えてきている。
従来はデータで販売するのではなくプリントしたものを販売する方法が当たり前であったが、データの著作権保護と、3Dプリンターの普及によって、データでの売買が当たり前になるだろう。
今はまだ3Dプリンターの性能が低いこともあるが、将来は大半の物が3Dプリンターで製造されるようになる可能性が高い。
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