Form 4の造形品質改善!リリーステクスチャ(LPU)の清掃・メンテナンス手順

Form 4の造形品質改善!リリーステクスチャ(LPU)の清掃・メンテナンス手順
「最近、造形物のディテールが甘くなった気がする」「新品の Form 4 レジンタンク を使っているのに、いつも同じ場所で造形失敗が起きる」。
そんな症状に悩んでいませんか?
その原因、実は Form 4 の心臓部である「リリーステクスチャ(LPU表面)」の汚れにあるかもしれません。
LPUの表面を適切にメンテナンスすることで、光の透過精度を新品同様の状態に戻し、造形品質を劇的に改善できる場合があります。
今回は、私たち販売店の技術部門が実践している、光学部品を傷つけずに清掃するための標準手順(SOP)を解説します。
準備編:作業前に理解しておくべきこと
1. リリーステクスチャとは?
Form 4 は、独自の LFD(Low Force Display) 技術を採用しており、下部の LEDパネル から光を照射し、LPU(Light Processing Unit)のリリーステクスチャを通してレジンを硬化させます。このテクスチャ加工は、フィルムとの吸着を防ぐ非常に重要な役割を持っています。
ここに埃、指紋、レジンの飛沫などが付着すると、強力なLEDの光が拡散したり、強度が部分的に落ちたりして、造形不良の直接的な原因となります。
2. 【重要】使用する溶剤について
光学部品の清掃において、溶剤選びは非常に重要です。
■ プロの推奨
全ての工程で「洗浄液 3D Medsupo(スリーディーメドサポ)」が使用可能です。
これまで光学部品(LPU)の清掃にはIPAが一般的とされていましたが、弊社取り扱いの 3D Medsupo は、LPU表面の特殊な光学コーティングに影響を与えない安全な成分設計となっています。
そのため、「造形物の洗浄」も「本体メンテナンス」も、これ1本で完結します。 溶剤を使い分ける手間がなく、在庫管理もシンプルになります。
現場での作業効率を最大化するため、メンテナンスにも積極的に 3D Medsupo をご活用ください。
3. 必要な機材・環境
作業を始める前に、以下のものを手元に用意してください。
- Form 4 本体
- 洗浄液 3D Medsupo(スリーディーメドサポ)
- 非研磨性のワイプ(キムワイプ等の毛羽立たないもの)
- ニトリル手袋(新品)
- スマートフォン(ライト用)またはLED懐中電灯
- プラスチックスクレーパー(レジンが固着している場合のみ)
実践編:プロが教えるステップ・バイ・ステップ
それでは、実際に清掃を行っていきましょう。以下の手順通りに進めてください。
Step 1: 安全確保と消耗品の取り外し
作業中に液だれ等が発生すると、内部に侵入し故障に繋がる恐れがあります。まずは内部を完全に空にします。
- Form 4 のカバーを開けます。
- 以下の消耗品をすべて取り外し、作業エリア外の安全な場所に避難させてください。
- Form 4 ビルドプラットフォーム
- レジンカートリッジ
- Form 4 ミキサー
- Form 4 レジンタンク
内部に何もない状態になったことを確認してから、次のステップへ進みます。
Step 2: 「光」を使った表面検査
LPU上の汚れは、真上から見るだけでは発見できません。光の反射を利用して汚れを浮き上がらせます。
- 部屋の照明を少し暗くします(汚れが見やすくなります)。
- スマートフォンのライトや懐中電灯を用意します。
- LPUの表面に対し、水平に近い浅い角度からライトを当てます。
- 光を当てながら視点を動かし、埃の粒子、油膜の筋、硬化したレジンの粒がないか確認します。
Step 3: 洗浄液 3D Medsupo での拭き取り
汚れが確認できたら、拭き取りを行います。
- 新しいニトリル手袋を着用します。
- 非研磨性ワイプに、少量の 洗浄液 3D Medsupo を含ませます(びしょ濡れにしないこと)。
- ワイプをLPUの端に置きます。
- 力を入れず、ワイプの重さだけで滑らせるように、一方向へゆっくりと拭き取ります。
■ 注意
往復拭き(ゴシゴシ擦る動き)は避けてください。汚れを広げるだけでなく、傷の原因になります。
液剤が完全に乾くまで待ち、再度ライトを当てて汚れが落ちたか確認します。落ちていない場合は、ワイプの新しい面を使って繰り返します。
Step 4: 硬化したレジンの除去(必要な場合のみ)
もし、拭き取りだけでは落ちない「硬化したレジンの粒」が見つかった場合は、以下の手順で慎重に除去します。
- プラスチックスクレーパーを用意します(金属製のヘラやカッターは絶対に使用禁止)。
- スクレーパーをLPU表面に対し、極めて浅い角度(ほぼ寝かせた状態)で当てます。
- レジンの下側に刃先を滑り込ませるイメージで、優しく力を加えて剥離します。
- 剥がれない場合は、少量の 洗浄液 3D Medsupo をその部分に塗布し、少しふやかしてから再トライします。
技術パート:失敗しないためのプロの「コツ」
やってはいけない失敗例
- ティッシュペーパーの使用: 繊維(リント)が残り、逆に汚れの原因になります。必ず専用のワイプを使用してください。
- 力の入れすぎ: コーティングが剥がれると、その部分だけ光の屈折が変わり、造形物にスジが入るようになります。
確実な運用のコツ(Cleaning Sheetの活用)
目視での清掃が終わったら、機械的なチェックを行いましょう。
- Formlabs専用ソフトウェア PreForm または Form 4 本体のタッチパネルから、「メンテナンス」>「クリーニングシートの印刷」を選択します。
- これは画面全体を薄く露光して1枚のシートを作成する機能です。
- 硬化したシートを取り出し、穴が開いていないか確認します。
- 穴がない: LPUはきれいです。造形を再開できます。
- 穴がある: その部分のLPU上に汚れや遮蔽物が残っています。再度 Step 2 から清掃を行ってください。
応用編:さらなる効率化へ
メンテナンスのベストプラクティス
安定した高品質な造形を続けるには、「光学系の維持」と「後処理の最適化」が重要です。
- 溶剤の統一: 光学部品(LPU)の清掃にも、造形物の洗浄にも「洗浄液 3D Medsupo」を使用する。
- 定期チェック: 清掃のたびにスマホのライトでLPU表面のチェックを行う習慣をつける。
3D Medsupo 一本で運用することで、作業ミスを減らし、コストと手間を同時に削減できるのが、プロが推奨する Form 4 の運用スタイルです。
まとめ
本日の作業の重要ポイントは以下の3点です。
- 安全第一: LPU清掃時は、必ずレジンタンクやカートリッジ等の消耗品を全て取り外してから行う。
- 確認方法: 正面からではなく、「横からのライト」で隠れた汚れを炙り出す。
- 溶剤の活用: 洗浄液 3D Medsupo はLPUのコーティングに影響を与えないため、全工程で使用可能。
技術相談・サンプル請求
「清掃しても汚れが落ちない」「LPUに傷が入ってしまったかもしれない」といったご不安がある場合は、スマートフォンのライトを当てた状態の写真を添えて、弊社の技術サポートまでご相談ください。実機検証に基づいた的確なアドバイスをさせていただきます。
また、LPU清掃にも使える万能な 洗浄液 3D Medsupo の導入をご検討中の方には、サンプルもご用意しております。お気軽にお問い合わせください。
出典:Cleaning the release texture (Form 4 generation)

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