ColorFabbが真鍮のフィラメントを追加、今度は金の輝きを持つbrassFill

FDMプリンターの幅を拡大するColorFabbの新材料

デスクトップタイプの3Dプリンター材料である3Dプリントフィラメント。2014年度は、特許切れによるFDM3Dプリンターの普及と同時に、材料である3Dプリントフィラメントも普及が拡大した。こうした低価格のFDM3Dプリンターの普及と材料市場の活性化は、新たな材料を生み出すきっかけにもなっている。

オランダの3DプリントフィラメントのメーカーColorFabbは、過去に何度もご紹介してきたが、ABSPLAが占めるフィラメント市場に、新たな質感のフィラメントを投入してきた。銅素材のCopperFill青銅のBronzeFillWoodFill竹の質感のBambooFillだ。こうした低価格のFDMプリンターで利用することができる材料の拡大は、試作品の幅を大きく拡大することともなった。そして2014年度を最後にむかえ、新たに金のような光沢をもつ真鍮配合のbrassFillをリリースした。来月の2015年1月発売予定の輝くような光沢をもつ新たなフィラメント材料をご紹介。

金の光沢を出せる真鍮配合のPLAフィラメント

brassFill、brassとは真鍮という意味だ。真鍮は黄銅ともいい、銅と亜鉛の合金である。その使用は古く、350年ごろから使用されてきたと言われている。真鍮は今でも使用されており、主に鉄道模型や、弾薬の薬きょう、金属製の模型で多用されている。ちなみに我々に最もなじみ深い5円硬貨の素材でもある。

別名の黄銅という言葉が表す通り、金と同様の美しい光沢を放つことから、金の代用品として使用されてきた。値段が高価な金とくらべ、黄銅ははるかに安い金額で手に入ることから、真鍮は昔から「貧者の金」とも言われてきた素材。前述の模型に始まり、時代劇の小判などもこの素材が使われるのが一般的だ。

いわば、試作品やモックアップには最適な素材ともいえる黄銅を、ColorFabbは、3Dプリントフィラメントで提供することとなる。ベースはPLA樹脂をベースにし、そこに真鍮の成分、銅と亜鉛を混合してある。その特長は銅素材のCopperFill、青銅のBronzeFill と同様、FDMプリンターで積層後、研磨することで金属さながらの光沢を放つというわけだ。

現在ColorFabb上でリリースは行われているが、正式発売は2015年1月、出荷は2月という予定だ。このbrassFillの登場でFDM3Dプリンターの利用がまた一つ広がることになる。

真鍮(黄銅)をPLA樹脂に配合
研磨することで金のような光沢が出せる

まとめ フィラメントのバリエーション拡大の影響

FDM3Dプリンターの技術が20年前の技術とはいえ、その低価格化により、多くの人々の製品開発の機会を拡大していることには変わりはない。そしてそれと同時に材料のバリエーションの多さは、製品開発の精度や幅をさらに広げることになる。そうした視点からColrFabbのさまざまな色調を出すことができるフィラメント素材の開発は、より多くの人に発想やそれをカタチにする機会を与えていると言えるだろう。また、こうした素材の拡大とともに、低価格なFDM3Dプリンターの普及もさらに加速することが予測される。

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