【Form 4】失敗しないメンテナンス手順!プロの清掃ルーティン公開

【Form 4】失敗しないメンテナンス手順!
プロの清掃ルーティン公開
「購入当初はあんなに綺麗に造形できていたのに、最近表面が荒れる」「造形物がビルドプラットフォームから脱落するようになった」
Form 4 / Form 4L を運用する中で、このようなトラブルに直面していませんか? 実は、造形トラブルの原因の8割は、機械の故障ではなく「ちょっとしたメンテナンス不足」にあります。
Form 4 は従来の機種と比較して圧倒的な造形スピードを実現していますが、その分、光の通り道(LPUやレジンタンク)のわずかな汚れが品質に直結しやすい構造でもあります。
今回は、私たち販売店の技術部門が毎日実施している、「失敗しないための5分間ルーティン」を公開します。ニュース記事のような新機能紹介ではなく、明日から現場で使える具体的な手順書として活用してください。
準備編:光造形の命「光の通り道」を理解する
作業に入る前に、なぜ清掃が必要なのかを技術的に理解しておきましょう。
Form 4 / Form 4L の心臓部は、UVレジンを硬化させるための光源である「LPU(ライトプロセッシングユニット)」と、レジンを溜めておく「Form 4 レジンタンク」です。この2つのパーツの間にある「光の通り道」が汚れていると、どれだけ高精細なデータを作っても、狙い通りの場所に光が届かず、造形品質が低下します。
プロの鉄則
私たちの鉄則はシンプルです。「汚れてから掃除する」のではなく、「造形する前に確認する」。この順序を守るだけで、造形失敗のリスクを極限まで減らせます。
推奨メンテナンススケジュール
まずは、メーカーが推奨する基本的なメンテナンス頻度を確認しましょう。
| 対象パーツ | 実施タイミング | 作業内容 | 推定時間 |
|---|---|---|---|
| Form 4 ビルドプラットフォーム | 造形の合間 | 硬化したレジンや汚れの除去 | 5分 |
| Form 4 レジンタンク | 造形の合間 | 内部の異物(硬化片)確認 | 5分 |
| レジンカートリッジ | 造形の合間 | 漏れ、通気キャップ、バルブ確認 | 5分 |
| Form 4 ミキサー | 材料変更時 | 完全な洗浄と乾燥 | 10分 |
| LPU / LEDパネル | 失敗時・週次 | ほこりや汚れの除去 | 10分 |
実践編:プロが教えるステップ・バイ・ステップ
ここからは、造形開始前に行うべき「標準作業手順(SOP)」を解説します。実際の機材の前に立ち、手順通りに進めてください。
レジンタンクの「異物」スキャン
前回の造形で発生した微細な硬化片がタンク内に残っていると、次の造形でタンクフィルムを突き破り、液漏れ事故につながる恐れがあります。
- プリンターのカバーを開け、Form 4 レジンタンク の内部を目視確認します。
- 付属の「プラスチック製タンクスクレーパー」を手に持ちます(金属製スクレーパーはフィルムを傷つけるため厳禁です)。
- スクレーパーをタンクの端から入れ、底面のフィルムを優しくなでるように動かし、指先にコツンと当たる異物がないか探ります。
- 異物が見つかった場合は、スクレーパーですくい出し、廃棄します。
レジンカートリッジの「空気穴」と「バルブ」チェック
「レジン切れではないのに供給されない」というトラブルの多くは、カートリッジの通気不良が原因です。
- 1. カートリッジ上部にある「通気キャップ」を指で弾き、開いた状態になっているか確認します。
- 2. カートリッジを取り出して裏返し、底面の黒いゴム製「バイトバルブ」を指で数回押し、中央のスリット(切れ込み)がスムーズに開くことを確認します。
ミキサーの洗浄と交換(材料変更時)
Form 4 ミキサー は、タンク内のレジンを撹拌し、酸素供給と温度管理を行う重要パーツです。材料を変更する際は、古いレジンが混ざらないよう徹底的に洗浄する必要があります。
- 1. ミキサーのラッチを外し、プリンターから取り外します。
- 2. IPA(イソプロピルアルコール)または 洗浄液 3D Medsupo(スリーディーメドサポ) を含ませたウエスで、付着しているレジンを完全に拭き取ります。
- 3. 特に「足」の部分や複雑な形状の箇所を念入りに拭き、完全に乾燥させてから取り付けます。
LPUとガラス面のクリーニング(週1回推奨)
タンクの下にあるLPUやガラス面にホコリが乗っていると、それが影となって造形物に穴が開く原因になります。
- 1. Form 4 レジンタンク と Form 4 ビルドプラットフォーム を取り外し、内部のガラス面にホコリがないかライトを当てて確認します。
- 2. 汚れがある場合は、「PEC*PAD」などの繊維が出ないワイプに少量の洗浄液を含ませ、ガラス面を必ず一方向にスーッと拭き取ります(往復禁止)。
技術パート:失敗しないためのプロの「コツ」
ミキサーのヌメリ取り
ミキサーの動きが悪いと積層ズレの原因になります。定期的に洗浄液 3D Medsupo でミキサー全体を拭き上げ、表面のヌメリを除去してスムーズな状態を保つことが重要です。
ファームウェアの鮮度
Formlabs専用ソフトウェア PreForm は頻繁にアップデートされ、新しい材料設定が追加されます。「造形がうまくいかない」と思ったら、まずは PreForm と本体ファームウェアを最新版に更新してください。
よくある失敗:エラー 1.6.9(タンクなし)
タンクを置いただけではロックされません。左右のラッチを指で押し、「カチッ」という明確な音が鳴るまで確実にロックしてください。
応用編:さらなる効率化へ
運用の正解
多くのユーザーが IPA(イソプロピルアルコール)だけで清掃を行っていますが、硬化し始めた頑固なレジン汚れには時間がかかります。私たちは、洗浄液 3D Medsupo をメンテナンス用溶剤として常備することを強く推奨します。
- 高い溶解力: こびりついたレジンも素早く浮かせます。
- 低揮発性・低臭気: 作業環境を悪化させず、落ち着いて清掃作業ができます。
「IPAで何度もゴシゴシ拭く時間」を削減し、本来の業務である「設計・造形」に時間を割くこと。これが、Form 4 のポテンシャルを最大化する運用の正解です。
まとめ
本日の記事で紹介した、造形前の3つのチェックポイントを振り返ります。
- ✓タンク異物確認:造形前には必ずタンク底面をスクレーパーで確認する。
- ✓LPU清掃:光学系の汚れは、専用ワイプで一方向に拭き取る。
- ✓ツール清掃:ミキサーや工具の清掃には、洗浄液 3D Medsupo を活用して時短する。
「自分のメンテナンス方法が合っているか不安」「実機でクリーニング手順を見てみたい」という方は、ぜひ一度ご連絡ください。弊社のショールームでは、実機を使用したメンテナンス実演も可能です。
出典:Schedule of maintenance (Form 4 generation)

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