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Formlabs製品ガイド

【Form 4】失敗しないメンテナンス手順!プロの清掃ルーティン公開

i-MAKER 研究室 編集部 | 公開 2025.12.16 読了 約6分

【Form 4】失敗しないメンテナンス手順!
プロの清掃ルーティン公開

「購入当初はあんなに綺麗に造形できていたのに、最近表面が荒れる」「造形物がビルドプラットフォームから脱落するようになった」

Form 4 / Form 4L を運用する中で、このようなトラブルに直面していませんか? 実は、造形トラブルの原因の8割は、機械の故障ではなく「ちょっとしたメンテナンス不足」にあります。

Form 4 は従来の機種と比較して圧倒的な造形スピードを実現していますが、その分、光の通り道(LPUやレジンタンク)のわずかな汚れが品質に直結しやすい構造でもあります。

今回は、私たち販売店の技術部門が毎日実施している、「失敗しないための5分間ルーティン」を公開します。ニュース記事のような新機能紹介ではなく、明日から現場で使える具体的な手順書として活用してください。

準備編:光造形の命「光の通り道」を理解する

作業に入る前に、なぜ清掃が必要なのかを技術的に理解しておきましょう。

Form 4 / Form 4L の心臓部は、UVレジンを硬化させるための光源である「LPU(ライトプロセッシングユニット)」と、レジンを溜めておく「Form 4 レジンタンク」です。この2つのパーツの間にある「光の通り道」が汚れていると、どれだけ高精細なデータを作っても、狙い通りの場所に光が届かず、造形品質が低下します。

プロの鉄則

私たちの鉄則はシンプルです。「汚れてから掃除する」のではなく、「造形する前に確認する」。この順序を守るだけで、造形失敗のリスクを極限まで減らせます。

推奨メンテナンススケジュール

まずは、メーカーが推奨する基本的なメンテナンス頻度を確認しましょう。

対象パーツ 実施タイミング 作業内容 推定時間
Form 4 ビルドプラットフォーム 造形の合間 硬化したレジンや汚れの除去 5分
Form 4 レジンタンク 造形の合間 内部の異物(硬化片)確認 5分
レジンカートリッジ 造形の合間 漏れ、通気キャップ、バルブ確認 5分
Form 4 ミキサー 材料変更時 完全な洗浄と乾燥 10分
LPU / LEDパネル 失敗時・週次 ほこりや汚れの除去 10分

実践編:プロが教えるステップ・バイ・ステップ

ここからは、造形開始前に行うべき「標準作業手順(SOP)」を解説します。実際の機材の前に立ち、手順通りに進めてください。

Step 1

レジンタンクの「異物」スキャン

前回の造形で発生した微細な硬化片がタンク内に残っていると、次の造形でタンクフィルムを突き破り、液漏れ事故につながる恐れがあります。

レジンタンクの中にプラスチック製スクレーパーを入れ、底面のフィルムをチェックしている手元のアップ写真
スクレーパーで底面の異物を慎重に探る
  • プリンターのカバーを開け、Form 4 レジンタンク の内部を目視確認します。
  • 付属の「プラスチック製タンクスクレーパー」を手に持ちます(金属製スクレーパーはフィルムを傷つけるため厳禁です)。
  • スクレーパーをタンクの端から入れ、底面のフィルムを優しくなでるように動かし、指先にコツンと当たる異物がないか探ります。
  • 異物が見つかった場合は、スクレーパーですくい出し、廃棄します。

Step 2

レジンカートリッジの「空気穴」と「バルブ」チェック

「レジン切れではないのに供給されない」というトラブルの多くは、カートリッジの通気不良が原因です。

  • 1. カートリッジ上部にある「通気キャップ」を指で弾き、開いた状態になっているか確認します。
  • 2. カートリッジを取り出して裏返し、底面の黒いゴム製「バイトバルブ」を指で数回押し、中央のスリット(切れ込み)がスムーズに開くことを確認します。

Step 3

ミキサーの洗浄と交換(材料変更時)

Form 4 ミキサー は、タンク内のレジンを撹拌し、酸素供給と温度管理を行う重要パーツです。材料を変更する際は、古いレジンが混ざらないよう徹底的に洗浄する必要があります。

  • 1. ミキサーのラッチを外し、プリンターから取り外します。
  • 2. IPA(イソプロピルアルコール)または 洗浄液 3D Medsupo(スリーディーメドサポ) を含ませたウエスで、付着しているレジンを完全に拭き取ります。
  • 3. 特に「足」の部分や複雑な形状の箇所を念入りに拭き、完全に乾燥させてから取り付けます。

Step 4

LPUとガラス面のクリーニング(週1回推奨)

タンクの下にあるLPUやガラス面にホコリが乗っていると、それが影となって造形物に穴が開く原因になります。

  • 1. Form 4 レジンタンク と Form 4 ビルドプラットフォーム を取り外し、内部のガラス面にホコリがないかライトを当てて確認します。
  • 2. 汚れがある場合は、「PEC*PAD」などの繊維が出ないワイプに少量の洗浄液を含ませ、ガラス面を必ず一方向にスーッと拭き取ります(往復禁止)。

技術パート:失敗しないためのプロの「コツ」

ミキサーのヌメリ取り

ミキサーの動きが悪いと積層ズレの原因になります。定期的に洗浄液 3D Medsupo でミキサー全体を拭き上げ、表面のヌメリを除去してスムーズな状態を保つことが重要です。

ファームウェアの鮮度

Formlabs専用ソフトウェア PreForm は頻繁にアップデートされ、新しい材料設定が追加されます。「造形がうまくいかない」と思ったら、まずは PreForm と本体ファームウェアを最新版に更新してください。

よくある失敗:エラー 1.6.9(タンクなし)

タンクを置いただけではロックされません。左右のラッチを指で押し、「カチッ」という明確な音が鳴るまで確実にロックしてください。

応用編:さらなる効率化へ

運用の正解

多くのユーザーが IPA(イソプロピルアルコール)だけで清掃を行っていますが、硬化し始めた頑固なレジン汚れには時間がかかります。私たちは、洗浄液 3D Medsupo をメンテナンス用溶剤として常備することを強く推奨します。

  • 高い溶解力: こびりついたレジンも素早く浮かせます。
  • 低揮発性・低臭気: 作業環境を悪化させず、落ち着いて清掃作業ができます。

「IPAで何度もゴシゴシ拭く時間」を削減し、本来の業務である「設計・造形」に時間を割くこと。これが、Form 4 のポテンシャルを最大化する運用の正解です。

まとめ

本日の記事で紹介した、造形前の3つのチェックポイントを振り返ります。

  • タンク異物確認:造形前には必ずタンク底面をスクレーパーで確認する。
  • LPU清掃:光学系の汚れは、専用ワイプで一方向に拭き取る。
  • ツール清掃:ミキサーや工具の清掃には、洗浄液 3D Medsupo を活用して時短する。

「自分のメンテナンス方法が合っているか不安」「実機でクリーニング手順を見てみたい」という方は、ぜひ一度ご連絡ください。弊社のショールームでは、実機を使用したメンテナンス実演も可能です。

出典:Schedule of maintenance (Form 4 generation)

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i-MAKER 研究室 編集部

株式会社アイ・メーカーが運営する、ものづくり情報サイト「i-MAKER 研究室」の編集部。3Dプリンター・光造形・洗浄の現場に10年以上携わる経験をもとに、実機検証と取材を軸とした記事を制作しています。

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