Zbrushで服のスカートに厚みをつけて立体化する
それでは3DプリンターのForm3でフィギュアを造形するために、さらにモデルを修正していきましょう!
Zbrushでスカートに厚みをつける
下部のスカートは「立体化」というよりも、「厚み」をつける作業と言ったほうがピンと来るのではないでしょうか。
まず右側のサブツールパネルでスカートのレイヤーを選択状態にして、さきほど加工した胸のレイヤーは「目玉マーク」をクリックして非表示にしてください。
次にワークスペースの背景部分を「Shift+クリック」して、スカート全体に「マスク」がかかった状態にして下さい。
ペラペラの板ポリゴン状態のスカート内側に「厚み」をつけて、立体化させようと思います。
右側ツールパネルの「サブツール/抽出/抽出」ボタンを押してください。
「抽出」のデフォルト値ではきれいに厚み形状が作れないので、「両面」をクリックして「無効」にして、「厚み」を「-0.02」にしてください。
実はまだこの状態では仮の設定状態なので、ここで厚みを試行錯誤してから最終的に確定します。
良ければ「サブツール/抽出/確定」ボタンを押してください。
すると厚みが確定して元々のスカートのレイヤーとは別に、自動的に新たに厚みのついたスカートのレイヤーが作成されます。
次にワークスペースの背景部分を「Shift+クリック」して、「マスク」を解除しておいて下さい。
Zbrushで胸部分とスカートを結合させる
それでは前回講習で作成した胸部分の立体物と、今回の厚みをつけたスカートを結合させて一体化します。
胸部分のレイヤーのすぐ下に先ほど新しく作成された厚みがついたスカートレイヤーをドラッグアンドドロップして移動させて、サブツールパネルの順番を変えてください。
次に、胸部分のレイヤーをクリックして選択状態にしてから、「サブツール/結合/下と結合」ボタンを押してください。
そうしますと、「アンドゥが不可能な操作です」と聞いてきますが、心配せずに「OK」を押してください。
胸部分とスカートが結合されて、ひとつのレイヤーになりました。
まだ一体化はしていないので、服の腹部に「つぎ目」の穴が目立ちますね。
これをきれいにしつつ、一体化もしてしまいましょう。
「ジオメトリ/ダイナメッシュ」機能を使います。
それでは「ジオメトリ/ダイナメッシュ/ダイナメッシュ」ボタンを押してみてください。
「解像度」がデフォルトでは128になっています。このままだと、腹部のつぎ目はきれいになるのですが、スカートの端がガタガタであまりよろしくない見栄えになってしまいます。
ここで「解像度」を試行錯誤して、調整していきます。
腹部のつぎ目と、スカートの端の、両方がきれいに形成される最適数値を探します。
今回は解像度220前後が、よさそうな数値でした。
スカートの少し丸くなった先端を修正すれば、このまま使えそうです。
それでは今度は、スカートの丸い先端を修正しましょう。
今回は「GroomSpike」ブラシを使って、丸っこい先端をとがらせたいと思います。
まずブラシパレットで「GroomSpike」ブラシを探して選択してください。
さらに「メニュー/ブラシ」でブラシパネルを開き、「ねじれ設定/ねじれ値」を「0」に、「モディファイア/筆圧」を「-100」にしてください。
この設定で、スカートの先端をドラッグアンドドロップすると、とがった状態にすることができます。
先端方向に最初に多めに引っ張り出してから、その後で戻して行くときれいに整うようです。
かわりに厚みは薄くなってしまいますが、そこは良しとしましょう。
スカート4ケ所の先端をとがらせたら、今度は「ジオメトリ/Zリメッシャー」をかけてみましょう。
リトポロジーすることで、スカートの尖らした先端にも多少厚みもついてより良い感じになりました。
これで、Zbrush単体での服部分の完全立体化が完了しました!
さて、ここまで靴や服などの一部分を記事として記述してきましたが、BlenderとZbrushを単体あるいは複合させて、皆さんの好きな方法で穴埋めを進めていきましょう!
H2 この章のまとめ
Zbrush単体でハッカドール2号の服の「完全立体化」をお見せしました。
流れとしては、ポイントのマージ→厚みつけ或いは穴埋め→ダイナメッシュ→サブディバイド或いはZリメッシャーのような感じです。
ですがこれも大体の感じで順番はバラバラです。
これらの機能をマスターして臨機応変に使いこなせば、フィギュアの立体化マスターは近いですよ!