Zbrushでフィギュアの「髪の毛」をブーリアンして整える①

 こんにちは!Z造形師です。

それでは3DプリンターのForm3でフィギュアを造形するために、さらにモデルを修正していきましょう! 

複雑な部分の分割方法:「髪の毛」編 

「ポニーテール+緑の輪」:緑の輪をブーリアンする

ポニーテール付属の「緑の輪」見たところブーリアンで削除される箇所はわずかですね。
また、ここでは「ダボ」をつける事は考えないで大丈夫です。
「緑の輪」を髪の毛に固定する方法は、別に考えたいと思います。

下図を参照して設定し、ブーリアンしてください。
自動生成された「緑の輪」の別ツールも、本体データと差し換えておいてください。

余談ですが、もしかしたら自動生成された「緑の輪」の別ツールがこのようになりませんでしたか?

 これは「緑の輪」が、「頂点が結合されていない状態」でブーリアンされたことによって起こった現象です。
「ジオメトリ/トポロジー編集/頂点結合」を使いましょう。
その時「ジオメトリ/下位レベル削除」が必要になりますので実行します。

 またよく見てこの時分かったことですが、実はポニーテールに穴が開いていました。
こちらは「ジオメトリ/トポロジー編集/穴閉じ」を使いましょう。
その時「ジオメトリ/下位レベル削除」が必要になりますので実行します。

これでブーリアンしてください。
きれいに別ツールとして自動生成されました。

「ポニーテール/緑の輪+ロングヘアー」:ポニーテールと緑の輪にブーリアンする

こちら通常通りの設定で問題ないと思います。
下図を参照して設定して、ブーリアンを実行してください。

「後ろ髪+頭」:後ろ髪をブーリアンする

こちらも通常通りのブーリアンの設定で問題ないと思います。
「耳前の毛」は後ほど加工すると言うことで、今はスルーしておきます。

「ロングヘアー+頭」:頭をブーリアンする

ロングヘアーですが、ダボを設置してから頭への差し込み時にうまくはいるのか?が悩みの種ですね。
ブーリアンがどのようになるか事前に検証しておきましょう。
下図を参照してブーリアンの設定をしてみてください。

 頭の接合面がガタガタなのが気になりますね、できればスパッと切れたようにしたほうがダボを設置した後も差し込みしやすそうです。
ではどうするか? 方法はいろいろ考えられますが、最も簡単な方法でいきましょう。

「ClayBuildup」ブラシと「Shift」スムースブラシの併用で、スパッとまではいきませんが、なだらかな面にしましょう。
 このような場合、おおむね先にスムースをかけてから、「ClayBuildup」ブラシで盛り上げて、またスムースをかける・・という手法が良さそうですね。

ここでも穴が開いているのを見つけましたので、「穴閉じ」しておきましょう。
「ジオメトリ/トポロジー編集/穴閉じ」を使いましょう、その時「ジオメトリ/下位レベル削除」が必要になりますので実行します。

「ClayBuildup」ブラシと「Shift」スムースブラシだけで、なだらかな状態にしました。

なだらかな状態にできましたら、LiveBooleanで確認しましょう。
これくらいなら、ロングヘアーが引っ掛かりなく接合できるでしょう。

ロングヘアーの差し込みの角度ですが、赤矢印くらいの方向から差し込めば耳にかかる髪の毛の束も大丈夫そうですね。

この章のまとめ

今回は髪の毛のなかでも、まだわかりやすいものをブーリアン作業していきました。
今までに身体や服で経験を積んできた読者には、復習のような感じかもしれません。
その中に、Zbrushらしい修正方法などを盛り込んで展開してみました。
知識と知恵の両輪で走ってこそ、フィギュア制作はより進化し満足のいくものになるように思います。