A4(300×205mm)のプラスチックシートを 1 種類だけ使う、13kg の卓上機です。3D プリンターで作った原型を台に置き、加熱したシートを引き下ろして、厚さ 0.3〜3.0mm のシートを型の形にかぶせます。金型を外注しなくても、その日のうちに 1 個目の型やブリスターが手元に出てきます。
A4 に収まる大きさのものを作る方に向いた 1 台です。石けん型・チョコレート型・小物のトレー・模型パーツのように、手のひらから A4 までの成形品を少しずつ作る使い方に合います。シートは加熱して柔らかくしてから引き下ろします。冷えると形がそのまま残るので、外して周りを切り落とせば成形品になります。
200,000 円(税抜)/税込 220,000 円
同梱: HIPS シート 30 枚(300×205mm)・猫ボウルの型(サンプル)・ウェビング除去器・USB ケーブル・耐熱手袋・工具とねじ。追加のシートは別売です。
使えるシートは 300×205mm の 1 種類です。シートの四辺はフレームで押さえるため、成形できる範囲はシートよりひと回り小さくなります。高さは 16cm まで引き込めます。それより高い型を使うときは、高さに対して底面が広い形にしておくと、角の薄いところが出にくくなります。細長い型では、頂点にあたる壁が伸びきって薄くなり、破れることがあります。
| シートサイズ | 300×205mm(A4)の 1 種類 |
|---|---|
| 成形できる高さ | 16cm まで |
| 使えるシート厚 | 0.3〜3.0mm |
| 加熱 | 石英加熱管・60〜230℃ |
| 本体サイズ・重量 | 50(幅)×46(高さ)×31(奥行)cm・13kg |
厚みの選び方でも仕上がりが変わります。0.3mm は薄く、浅い形のブリスターや仕切りに向きます。0.5mm はチョコレート型や石けん型のように、何度も使う型に向く厚みです。1.0mm を超えると温めるのに時間がかかり、引き下ろすときの力も要りますが、そのぶん形が崩れにくくなります。作りたいものの深さと、型を何回使うかで選びます。
A4 で作れるものの例には、手のひらサイズの石けん型、チョコレートの連型、小物のトレー、模型やガレージキットの外装があります。A4 は事務用品としても流通している大きさなので、純正以外のシートを試したいときに手に入れやすいという面もあります。大きいシートを使いたい方、同じものを続けて何枚も作る方は FORMART 3 になります。2 機の違いは FORMART 3 のページに 1 つの表でまとめてあります。
真空成形でいちばん手間がかかるのは、材料ごとの温度を決める作業です。温度が低いとシートが伸びず、高すぎると白く濁ったり、伸びすぎて薄いところができたりします。FORMART S は 17 種類の材料データを内蔵していて、画面で材料と厚みを選ぶと、その組み合わせの加熱温度が呼び出されます。最初の 1 枚から、温度を探す試し打ちをせずに始められます。
内蔵しているのは PLA・FPC・TPU・LDPE・PETG・PET・HDPE・PE・HIPS・PS・ABS・PP・PVC・PC・Kydex・PMMA・PSU の 17 種類です。純正以外のシートを使うときも、材質と厚みが近いデータを選んで始められます。自分で決めた設定は 5 件まで登録でき、次からは呼び出すだけで同じ条件に戻せます。画面は 3.5 インチのカラー液晶で、日本語で表示されます。
操作の画面は 2 通りあります。選ぶだけで進む一般モードと、加熱の方式や吸引の強さを自分で決めるエキスパートモードです。使いはじめは一般モード、条件を作り込む段階でエキスパートモードという分け方ができます。データに無いシートを使うときは、いちばん近い材料で 1 枚試し、温度を上下させたところで自分の設定として登録しておきます。
出典: メーカー公式の FORMART S 製品ページ。


加熱したシートを型に密着させる力が吸引です。強く引くほど型の細かい形まで出ますが、そのぶん型そのものにかかる力も大きくなります。3D プリントした薄い殻のような原型は、強い吸引で割れることがあります。吸引の強さを画面から選べるので、壊れやすい原型は弱い側で 1 枚試し、形が甘ければ少しずつ強くしていく進め方ができます。逆に、細かい模様を写し取りたいときは強い側を選びます。
使い分けの目安は、メーカーの質問集にも書かれています。包装のようにシートを自然に伸ばしたい成形は弱い側、型の細部まで写し取りたい成形は強い側です。同じ型でも、作るものの目的によって選ぶ側が変わります。
同じ画面にシートの乾燥(除湿)があります。湿気を吸ったシートをそのまま加熱すると、成形品の中に小さな気泡が残ります。成形の前にシートを温めて水分を飛ばしておくと、気泡が出にくくなります。梅雨の時期や、開封してからしばらく経った箱のシートを使うときに効いてきます。
出典: メーカー公式の技術支援ページ。
メーカーは、成形の失敗が少ない理由を 4 つの機能で説明しています。いずれも成形の前後で自動的に働くので、使う人が手順を増やす必要はありません。真空成形をはじめて使う方が最初につまずくのは、この 4 つのどれかが欠けているときです。
| シートの乾燥 | 成形の前にシートの湿気を飛ばします。気泡と白い曇りの原因を先に減らします。 |
|---|---|
| 材料データ 17 種 | 材料と厚みの組み合わせごとに加熱温度が入っています。設定を自分で登録する枠も 5 件あります。 |
| 予熱 | 本加熱の前に温めます。温度が上がりきらないまま引くと、シートが伸びずに角が出ません。 |
| 全面の均一加熱 | 石英加熱管でシート全面を温めます。温度のむらは、そのまま厚みのむらになります。 |
たとえば予熱をせずに本加熱だけで引くと、シートの中心だけが伸びて角が薄くなります。乾燥を省くと、透明な PET に細かい気泡が残ります。どちらも成形が終わってから気づく種類の失敗で、シートを 1 枚使ってやり直すことになります。この 4 つが自動で入っている分、最初の数枚での作り直しが減ります。
FORMART S の台は木材を切削して作られています。金属の台に比べて熱を吸いにくいので、シートが台に触れた面で急に冷めることが少なく、成形品の底の角が丸くなりにくいという特徴があります。
使えるのは A4(300×205mm)の 5 品番です。500×300mm の大判はフレームに入りません。価格は 1 箱あたりで、いずれも国内の在庫から出荷しています。成形温度は材料で変わりますが、機械側のデータに入っているので、画面で材料を選べばそのまま使えます。
| 材料 | 厚み・入数 | 主な用途 | 成形温度 | 価格(税抜/税込) | 購入 |
|---|---|---|---|---|---|
| PET(透明) | 0.5mm・30 枚 | チョコレート型・ブリスター | 120〜130℃(予熱 140℃) | 8,000 円/税込 8,800 円 | EC で購入 |
| PET(透明) | 0.3mm・50 枚 | 薄手のブリスター・仕切り | 120〜130℃(予熱 140℃) | 9,500 円/税込 10,450 円 | EC で購入 |
| HIPS(白) | 0.5mm・30 枚 | 石けん型・面マスク・模型パーツ | 150〜160℃(予熱なし) | 7,800 円/税込 8,580 円 | EC で購入 |
| TPU(透明) | 1.0mm・15 枚 | 保護カバー・防水カバー | 115℃(予熱なし) | 9,300 円/税込 10,230 円 | EC で購入 |
もう 1 品番は LDPE(乳白)です。サイズは 300×205mm、7,000 円(税抜)/税込 7,700 円。入数は EC の商品ページをご覧ください。樹脂型・石けん型・石こう型・セメント型のように、細かい切り返しのある型取りに向く材料です。吸引を強くかけると破れやすいので、弱い側の設定から始めます。
透明にしたいなら PET、白い型として使うなら HIPS が基本の組み合わせです。PET は温めすぎると白く濁るので、設定した温度に届いたらそのまま引き下ろします。HIPS は予熱が要らず、石けん型のように厚みのある形にも回しやすい材料です。500×300mm の大判シート 5 品番は FORMART 3 で使います。材料ごとの選び方と注意点は、シート・消耗品のページにまとめてあります。
真空成形は、原型の表面をそのまま写し取ります。積層痕が残っていれば、その筋まで成形品に出ます。光造形(レジン)で作った原型は表面がなめらかなので、磨かずにそのまま型として使えます。型が何回の成形に耐えるかは、原型の材料で変わります。メーカーの試験では次の目安が示されています。
既製品をそのまま型にすることもできます。その場合は、薄い殻や壊れやすいものに注意します。中に支えを足しておくと、吸引の力で潰れにくくなります。
試作を 1 回通すだけなら手持ちの熱溶解積層の機械でも足りますが、同じ型で数をそろえるなら光造形です。原型そのものの形にも決まりごとがあります。側面には 3 度以上の傾きが要り、凹んだところには直径 1.5〜2mm の空気穴が要ります。この 2 つを外すと、成形品が型から抜けなかったり、凹みが出なかったりします。設計の勘所と図は型づくりのページにまとめてあります。
出典: メーカー技術支援ページの質問集。

| シートサイズ | 300×205mm(A4)1 種 |
|---|---|
| シート厚 | 0.3〜3.0mm |
| 成形できる高さ | 16cm |
| 成形方式 | シート下降式 |
| 本体サイズ | 50(幅)×46(高さ)×31(奥行)cm |
| 本体重量 | 13kg |
| 電源 | 100〜120V |
| 加熱方式 | 石英加熱管 |
|---|---|
| 加熱温度 | 60〜230℃ |
| ポンプ | 80W AC 誘導ポンプ 1 基 |
| シートの乾燥 | あり |
| 脱型のエアブロー | なし |
| シートの自動判別 | なし |
| 画面 | 3.5 インチ 480×320 カラー |
| 材料データ | 17 種+登録 5 件 |
基幹部品には、2 年の保証がメーカーの条項で定められています。対象外になる部品と、修理を頼むときの流れはサポートのページにあります。
出典: メーカー公式の FORMART S 製品仕様。